スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.79
  • (288)
  • (267)
  • (445)
  • (27)
  • (2)
本棚登録 : 2686
レビュー : 254
  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102193051

作品紹介・あらすじ

行方不明だった少年の事故死体が、森の奥にあるとの情報を掴んだ4人の少年たちは、「死体探し」の旅に出た。その苦難と恐怖に満ちた2日間を通して、誰もが経験する少年期の特異な友情、それへの訣別の姿を感動的に描く表題作は、成人して作家になった仲間の一人が書くという形をとった著者の半自伝的な作品である。他に、英国の奇譚クラブの雰囲気をよく写した1編を収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 初めてのスティーブン・キングさん。
    ずっと避けていた理由は、ただ一つで、「怖いのは嫌いだから」。
    どの小説も、怖そうなんですもん。
    ところが去年、「11/22/63」という小説は、ホラーじゃなさそうだし、読んでみたいなあ、と思いまして。
    (ただ、これは、ハードカバーな上に2段組みである、という理由で忌避しました。2段組み、なんとなく好きじゃないんですよね)
    続いて、たまたま、読書家な知人とおしゃべりをした際に、その人から「スティーブン・キング愛」を語られたこともあって。
    「ぼちぼち、読んでみるか」と。
    でも、ホラーはやっぱり怖いので…。いろいろ考えて、「これなら怖くあるまい」と思われたこの本から、読んでみました。

    面白かったです。映画化されたものを何度も見ているので、そのイメージで読んでしまった、ということがありますが。
    それを差し引いても、「あ、この人、多分、何を書いてもそこそこ面白いんだな」という文章力。
    それから、なんとなく、1冊だけでも、この人の「ホラー」と呼ばれる原風景が想像される気もしました。

    1982年にアメリカで発表された小説です。スティーブン・キングさん、1947年生まれ。
    1974年に「キャリー」でデビュー当時、27歳だったわけですね。
    デビューから、とにかく「ホラー小説家・娯楽小説家」として位置づけられていました。
    そのあたりの、「レッテルの貼られ方」は、この本の中にも何度か言及されています。

    この本は、そんなキングさんが、「これはホラーじゃない。普通の小説として読んでほしい」と思った小説なんです。
    原著作は、直訳すると「それぞれの季節」というタイトルの本だったそうです。春夏秋冬、四編の中編・短編が含まれていました。

    ところが、これが日本語訳になると、「恐怖の四季」とされてしまいました(笑)。可哀そうに、ですね…。

    さて、原著は春夏秋冬の四編が1冊に入っていたそうですが、日本語訳では、「秋冬編」「春夏編」に分けて本になりました。
    この本は、「秋冬編」。秋編の小説は直訳すれば「ある死体」というタイトルなんです。
    1960年代前半。キャッスルロック、という田舎街。13歳前後くらいの、四人組の少年たち。
    その少年たちが、「ある死体」が放置されている、と聞いて、晩夏の冒険に湖のほとりまで、長く多感な徒歩旅行に出かける、という友情と感動の物語です。

    そして、この中編小説が映画になりました。1986年アメリカ公開。
    (キングさんの小説はほとんど映画になるんです。「それぞれの四季」も、冬編以外全部映画になっています)

    この、「ある死体」の映画化は、1961年の全米ヒット曲をテーマソングにして、題名もその曲から「スタンド・バイ・ミー」に改題されました。
    このロブ・ライナー監督の映画が、大ヒット。内容も実に素敵で、公開からおよそ30年、今でも定番の名作になっています。
    日本語翻訳版は、この映画の日本公開年(1987)に出版されました。そこで、本のタイトルも映画に沿って、改題されています。

    (ちなみに、スティーブン・キングさんが、映画「スタンド・バイ・ミー」を観て、「僕の小説をこんなに美しい映画にしてくれてありがとう」と泣いた、という逸話があるそうですね)


    面白かったです。語り口が滑らかで、いちいち気が利いています。
    そういう意味では、村上春樹さんの文章に似ていると思います。
    これ、実は大変な美徳なんですけどね。でも深くは言及しません。

    この本、「スタンド・バイ・ミー」と「マンハッタンの奇譚クラブ」の2編ですが、8割が「スタンド・バイ・ミー」。「マンハッタンの奇譚クラブ」は掌編です。
    「スタンド・バイ・ミー」については、映画版がとても素敵なんですが、原作を読んでビックリしたのは、「ほとんど原作のまんまだ」ということですね。
    映画の素敵な部分、要素、味わいは、ほぼ一つ残らず原作にありました。
    そして、その素敵な部分っていうのは、「哀しい部分」の裏返しなんですね。
    それは何かっていうと、「閉鎖的で暴力的でヤンキー的で反知性的で差別的な集団の中で、生きていくこと」なんですね。

    少年たちは、キャッスルロック、という田舎町で生きています。
    アメリカの田舎町の1960年代っていうのは、そういうことだったんだなあ、としみじみ思い知らされます。
    WASP至上主義の差別が露骨です。地元の会社で働き、小学校時代からの仲間とつるみ、車と女と酒と暴力でウサを晴らす男たち。
    決まった時間に決まったバーの決まった椅子に腰かけて、酒を飲んでビリヤード。
    そんな男たちに殴られながら育ち、「いずれ自分もそうなるに違いない」と達観させられる子供たち。

    そして、物語のメインは、クリスという少年の悲劇と戦いの記録、だなあ、と思うんですが。
    結局、今の日本風に言えば、低所得でDVな父親、兄貴、に深刻な暴力で支配されている可哀そうな子供なんですね。
    言ってみれば、キャッスルロックの縮図な訳です。

    この、「閉鎖的で暴力的でヤンキー的で反知性的で差別的な集団の中で、生きていくこと」という題材を煮詰めていくときに、恐らくキングさんのホラー物語も炸裂するんだろうなあ、と思います。
    単なる超常現象恐怖だけで、何十年も売れるはずはないですからね。
    そこで描かれている人間ドラマっていうのは、確実にアメリカの、消費社会一般の、ヒトの心の歪みっていうのを見つめているのでしょう。

    と、言うようなことをぼんやり思いつつ、読了。

    まずは、スティーブン・キングさんを1冊読んだぞ、と(笑)。もう怖くないぞ、と思っています。
    機会があったら、「IT」とか「11/22/63」を読んでみたいなあ、と思っています。


    (ちなみに「マンハッタンの奇譚クラブ」は、なんだかO・ヘンリーと「クリスマス・キャロル」がリアリズムでハードになったような…。
     それでも、やっぱり、「未婚の母が、世間からの差別にさらされる悲劇と怒り」というのが根っこにありました)












    ###########以下、備忘録として############


    四人の少年の物語です。みんな、田舎町のちょっと貧しい労働者階級の家庭の少年、という感じです。

    ●ゴーディ=語り部。この人は、長じて小説家になった。という設定で、少年時代を振り返っての一人称。出来の良かった兄が最近、事故死した。その心の傷が癒えない。
    ●クリス=父がアル中、兄が不良。どちらもほぼ、犯罪者、という崩壊家庭。四人組の中のリーダー格。
    ●テディ=父が元兵士だが、気が触れている。家庭内暴力で難聴かつ強度の近眼になっている。カッとなりやすい。
    ●バーン=いちばん、なんともあまり個性が印象に残らない。気の良い子、という感じ。

    で、まあ、もっと言うと、ゴーディとクリスの友情の物語、とも言えます。

    それぞれに、家庭に居心地の良い居場所が無くて、うだうだしていた四人。
    街の不良たちの噂話を立ち聞きして、列車にはねられた同年代の少年の遺体がある、と聞いて、発見しに1泊旅行に出かけます。
    親に黙って、毛布だけくるっと巻いて肩にかけ。てくてく線路沿いを歩いていくわけです。

    犬にかまれそうになったり、ヒルに襲われたり、列車にひかれそうになったり。
    いろいろ小中の冒険があって、目的地に着きます。
    そこまでの過程で、

    ●テディが、精神病の父に歪んだ愛着を持っていて、からかわれると傷つく。
    ●ゴーディは、死んだ兄を、親を含め皆が賞賛するので、「自分が生きている意味」を悩んでいる。
    ●少年たちはやがて、進学コースで別れる季節を目前にしている。ゴーディ以外は、進学しない不良コースに行くであろう。
    ●彼らの田舎町は、不良たちが小さな暴力で少年たちを支配している。
    ●貧しい家庭のクリスは、給食費を盗んだ、という犯人にされているが、実はそれは先生が着服していた。クリスは傷ついた。
    ●クリスの家庭では、深刻な家庭内暴力が行われている。クリスは被害者である。
    ●ゴーディとクリスは、仲が良い。
    ●ゴーディは物語作者を目指している。その才能を、クリスは評価している。

    と、言ったようなことが織り込まれていきます。

    さて、物語の縦軸としては。
    とうとう死体を発見しますが、そこに、街の不良たちが車でやってきます。(クリスやバーンの兄も含まれています)

    「死体を発見した、と地元の新聞に出て、話題になる」

    という権利?を巡って喧嘩になります。
    当然不良の方が大人だから強いんですが、拳銃で威嚇して、少年たちが勝つんですね。

    勝つけど、もう、地元の新聞に云々、とかをしたい訳じゃない。ただ、アイツらに取られたくなかったんですね。
    この二日間の、時間を。

    で、ボロボロに疲れて帰ってきます。四人それぞれに、不良たちに制裁に合います。タコ殴りにされて、骨が折れたりするんです。怖いですね。
    まあ、でも、死にません。
    時はザザザっと流れて。
    クリスの予言通り、四人組としての友情はあれよあれよと、終わりを迎えます。なんとなく。
    テディとバーンは、別のグループを作ります。ふたりは地元で働きます。交通事故、火事で死んでしまいます。
    クリスは、頑張って進学コースに。ゴーディと猛勉強して大学入学、地元から脱出するんです。
    でも、キャンパスが別々になって、熱い友情はなんとなくそれで終わります。
    そして、弁護士を目指していたときに、クリスは行きずりの犯罪に巻き込まれて、死んじゃいます。

    まあ、そんなお話です。

  • 少年時代のノスタルジー全てを埋め込んだようだ作品だ。あまりにも身につまされて身にしみて全文マーカー引きたいレベルだ。クリスのような親友がいたから、親に無視されようと生きていける。
    映画との違うところなども面白く読みました。
    もうひとつの収録作、マンハッタンの奇譚クラブも面白かったです。

  • 今さらながらの「スタンド・バイ・ミー」(笑)。
    映画は10代の頃に通算3回位は観たけれど、原作本を読むのは、初めて。

    ※映画の内容の記憶は…
    ・爽やかな青春ものだと 思って観たけれど、基本的にはどんよりとした雰囲気が終始貫いていた。
    ・成人した主人公の昔語りで物語は進むのだが、彼以外のメンバーは既に亡くなっているという設定に、十代の自分はかなりガッカリした。
    ・鉄橋で列車に追われる場面とヒルにやられえる場面、そして大惨劇となったパイ食い競争の場面は、忘れようにない程目に焼き付いた。
    ・主題歌「スタンド・バイ・ミー」が、最っ高に格好良い♪
    ・↑というわけで、映画自体は当時のお子ちゃまな自分にとっては“ガッカリした”部類に入る作品なのにも関わらず、主題歌が好きだもんで3回も観てしまった(笑)。


    さて、本編。
    【スタンド・バイ・ミー】
    まず……翻訳ものの小説を読むことは、ほぼ20年弱ぶり?
    同じくスティーヴンキングの「グリーンマイル」の映画版をレンタルで観る前に読んだのが最後だったかと。

    英語話者特有の表現だからか?スティーヴンキングの作風なのか?
    (おそらくは、両方なのだろう…)
    一般日本人が日常生活では使わないような比喩が乱発されて、読みにくいなぁ・・ってのが、読み始めの感想(笑)。

    う~ん、、、単純な青春物語ではないやぁね、これは。。
    4人の少年それぞれが抱えた闇は、ひと夏の冒険を機に解決されるわけではなく、、でも、それでも彼らの心に「何か」を遺したのだろう。

    家庭環境が違えば抱える闇も、目指す未来も異なる…勉強の得手不得手も異なる“仲良し4人組み”の関係が永遠に続くはずがない、という“現実”も、大人になった読者の前にさも当たり前のように立ち塞がるんだな…初めて映画版を観た時には感じられなかった視点で読めたのが、新鮮な発見。


    【マンハッタンの奇譚クラブ】
    スティーヴンキングの“ふつうの”小説…と言いつつ、十分ホラーなのでは?とも思いつつ読み終えた(苦笑)。

    “奇譚”という単語がよく似合う一編。(子供の頃に少年探偵団のシリーズを数冊読んだだけだけど、一般的なイメージとして)江戸川乱歩の世界観のような・・。

    ・クラブを紹介した主人公のボスの意図はなんだったのか?
    (なぜ彼を選んだのか?)
    ・クラブの招待は?
    ・主人公は何を想像し、何を納得して質問を諦めたのか?
    ・現実には無い作家の文集や、実在しないメーカーのビリ
    ヤード台等は何処からきたのか?

    ↑がまだ謎のままだし…と口を尖らせるのは、こういう“奇譚”な物語を読む者としては“野暮”ってやつなのだろうか…。だとしたら、自分はやっぱり野暮ちんだ(苦笑)。


    トータル
    ★4つ、7ポイント半。
    2020.02.07.新。

    ※中編2編の原題は
    『The body』と 『The Breathing Method』だそうで。
    直訳すると『肉体』(or『死体』)と『呼吸法』。。。

    以前『アナ雪』のサウンド・トラックを買ったらついてきた、日本語版の歌詞カードと原曲版の歌詞カードを見た時にも思ったのだが・・

    プロの翻訳家の意訳のセンスって、すごいなぁと改めて思った。

    あ…「Different Seasons」が「恐怖の四季」との邦題にされたという点は、納得いかないけれど。
    (まえがきから思うに、スティーヴンキング本人にも心外な邦題なのでは?)

    ※↑
    「アレンデールが危機な、の、よ~♪」が
    「Arendelle is deap deap deap deap snow~♪」になるだなんて、素敵な意訳だなぁと。
    (中学生英語並みの直訳だと「アレンデールは深い深い深い深い雪です」だったのが、物語の中の危機的状況とヒロインの切羽詰まった想いが同時に表現されている)


    ※原書を2分冊した前半が本書だとのこと、、「春夏編」も、ぜひ読まねば。
    特に「刑務所のリタ・ヘイワーズ」は…好きな映画のベスト3(順は時おり入れ替わるが、1位の時がほとんど)に未だに入り続けている作品の原作だから。


    ※あ……そういえば、大学1年の春、できたばかりの友人(奇しくも4人)と飲んでいたら終電を逃し…「スタンド・バイ・ミーごっこ」をしながら朝方やっと家に帰りついたという思い出が(笑)。“ごっこ”の具体例は書きません(笑)。

  • 金曜ロードショウでよく見た映画!
    中学生、高校生のうちに見たほうが良い映画の一つ!

    四人の少年達が子供の死体を探しに行く話ではあるものの、四人の少年達が抱える悩みが彼らの会話と回想から浮き彫りになっていく。


    結果的に死体を見て彼らが成長したかどうかは物語からは読み取れないが、死体を見たことが彼らを成長させた訳でもなく前に進んでいく訳でもない。

    エース達とのトラブルが原因かどうかは不明だがバーンとテディは離れていく。
    そして映画では語られていなかったと思うが、悲惨な運命が彼ら二人を待ち受ける・・・

    映画よりも原作はグロテスクだと思う。



    もう一つの話 マンハッタンの奇譚クラブは 適切ではないが幻想的という言葉が何故か浮かんでしまった!

  • 図書館で。スタンド・バイ・ミー部分だけ読みました。
    かの有名な映画の方は何度か見て居たのであ、この場面はあそこかぁとか思いながら読みました。
    それにしても映画の脚本秀逸だなぁ。先に本の方を読んでいたら違ったかもしれないけれどもカットされたり編集された部分は映画の方がしっくりくるような気がしました。

    そして冒頭が面白かった。まあキングと言ったらホラー小説だもんなぁ。ミザリーは怖かった…
    でもDifferent Seasonを恐怖の四季と訳すってのもどうなんだろう?キングと言えばホラーだからホラー要素入れとけば売れるって事なんだろうか。
    まあ…レッテルを貼られるってのも大変な事なんだろうなぁ、ウン。

  • ベン・E・キングの歌と同映画のタイトルとして耳にしたことがあったことをきっかけに本屋で目についた。まず「秋」編である「スタンドバイミー」について、物語には少年が四人というのはなんとなく知っていたがもっと青春物語的な作品だと思っていたので、死体探しがテーマでそれぞれ少年らも家庭に様々な不幸な事情があることが意外だった。内容的には死体を探しに行って帰ってくるだけだが、途中途中には明確にそれぞれが成長しているような場面があったし、中でも少年ながらに自分の立ち位置や個々人の才能、家庭環境などを考えてクリスとゴーディが話とするシーンはなんだか胸を打たれた。また、「冬」編である「マンハッタンの奇譚クラブ」はもちろんマッキャロン医師の話は相当ショッキングなものだったが、この話自体の終わり方も何か非現実味を感じさせるような不思議な終わり方で面白かった。どちらの話も原作を訳した内容であるから原作との表現に差はあると思うけど本書の表現も自分的には好きで、ところどころ訳した感が感じられるのも良かった。できれば原作を英語で読んで原作での表現の仕方も直に感じてみたい。

  • 若い頃、多分、映画のビデオを先に見てから、原作を読んだのだと思う。
    そして、活字が大きくなった版で再読した。
    再読して驚いたのは、ほとんど内容を覚えていないということ。
    作品の中に、二つの作中小説が出て来るのだが、最初の作品はまるで覚えていない。

  •  収録作品は2編。森の奥にあるという子どもの死体を
    探しに行った4人の少年たちの冒険を描いた表題作『ス
    タンド・バイ・ミー』と、
    ニューヨークのとあるクラブのメンバーである産婦人
    科医が語りだしたとある患者との物語が描かれる『マ
    ンハッタンの奇譚クラブ』。

     名前だけ聞いたことのあった『スタンド・バイ・ミー』
    ですが子どもたちの友情やしょうもない話で盛り上がる
    様子など、懐かしさを覚えさせる場面もありながら、
    語りが回想形式なので、どこか郷愁の念や寂しさの念
    が感じさせられるあたりがいいなあ、と思います。

     自分自身も小学生時代どころか中高生時代の友人とも
    会う機会がなくなってきたので、余計に感じ入るものが
    あります。時間が経つごとにそうした時代に仲の良かった
    友達って幻だったのかなあ、と思ってしまうことがあり
    ます。

     作中の語り手ももう二度と起こりえない過去の冒険を
    そんな風に達観して眺めているのかなあ、という印象を
    受けました。

     この話の語り手は大人になってから作家になっている
    のですが、そのため子ども時代から物語を書いたり
    考えたりしています。そしてその物語を友人に話すシーン
    があるのですが、自分の物語を誰にも知られたくない、
    と思う一方で、誰かに聞いてもらいたい、とも思う
    そうした相反した心理がとてもリアルに書かれていました。

     キング自身の半自伝的な意味合いでの描写という点も
    あると思うのですが、こうして本や映画の感想を書いて
    いる自分も時折知り合いに、自分のブクログのレビューを
    見てもらいたくなるような時があったりして、でも一方で
    そのように自分の考えを読まれるのが恥ずかしいな、と
    思うこともあって、分かるなあ、となりました。
    (スティーヴン・キングと比べるのもかなりおこがましい
    話ですが)。

     あとどうでもいい話ですが、作中の小説があまりにも
    汚くて思わず笑ってしまいました(笑)。

     『マンハッタンの奇譚クラブ』は非常に不思議な
    雰囲気の作品です。

     話のほとんどを占める産婦人科医師話は、その患者
    との不思議な関係性が感じられ面白いのですが、
    このクラブのバーを仕切るスティーヴンズなどクラブ
    自体がどこか幻想的で現実離れしていて、どこかクセ
    になる雰囲気の作品でした。

  • スティーヴン・キングのスタンド・バイ・ミーを読みました。
    スタンド・バイ・ミーの映画は気に入って見ていたのですが、原作は読んでいませんでした。 今回、古本屋で原作を見つけたので買って読んでみました。 映画で見るのと小説を読むのでは結構イメージが違いました。 小説のほうが明確に作者の考えが伝わってきます。 表現方法の違いだとは思いますが面白く感じました。
    収録されているもうひとつの短編「マンハッタンの奇譚クラブ」も不思議な雰囲気のある小説で楽しめました。

  •  ブックオフで百五円で購入しました。
     ホラーの巨匠と名高い、スティーヴン・キングの、青春もの。いやちょっとホラーじみた部分はありますけれども。
     前書きの、レッテルが貼られてしまうという能書きがおもしろかったです。
     映画と少し違う部分もあり、苦々しい思い出と最後のやるせなさはもう。だって、あんだけ青春しといてこんな最後ありかよ現実味あるけどぉ。

全254件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スティーヴン・キングの作品

スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×