とにかくうちに帰ります

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 254
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103319818

感想・レビュー・書評

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  • いるよねーこんな人。最初から凄くリアルだった。うなずく描写も多々あった。だから何❓と自身に問うた時、琴線に触れなかった事に気づいた。

  • 「つくづく誰もが普通の人で、悪くもなりきれないし冷徹にもなりきれない。面白くないけど、良くないことでもないのかもしれない。」(16 ページ)

    さまざまな個性と背景を持つ働く人々。
    そんな人達に揉まれながら、
    人の暖かみを感じ、面白さを垣間見る一コマ。

  • 「テレビを見せてもらっていいですか? 野球が見れたら少し見たいんです。横浜対ヤクルト」
     男はうなずいて、携帯を操作し、画面にテレビを表示させる。 (P175)

  • 文学

  • 私もとにかくうちに帰りたい

    この気持ちを小説にして下さって、すごい!!

    西日本豪雨の日の事を思い出す。
    なんでこんな時も仕事って思うけど、
    日常の幸せとか、人の親切とか、
    気づく日になる。

    自分の家に帰れるって幸せ。




  • 『職場の作法』『バリローチェのファン・カルロス・モリーナ』『とにかくうちに帰ります』の3本立て。『職場~』と『バリローチェ~』は、面白いと退屈は紙一重、って感じで、読む人によってはどちらにも読める淡々としたストーリーなのだが、『とにかくうちに~』は、なかなか読み応えがあった。大豪雨の日に会社から徒歩で帰らざるをえなくなった2組の人間模様。「家に帰る」というゴールに向かうだけの物語なのだが、辛い雨風にさらされる様子などは『八甲田山』観てるような気分に...いや、それは大袈裟か(;^_^A

  • 山場無い系短編。印象には残らない。タイトルが最高。

  • 71:読書会で勧められた一冊。社会人の悲哀とユーモアを描いた作品で、追い詰められた時に開ける謎の境地の面白さは大阪ならではなのかなあと思います。舞台になった場所を想像しながら読むのも楽しい!
    淡々とした作風なので、なかなか魅力を伝えにくいのですが、これは確かにお勧めしたくなるなあと頷きながら読みました。

  • 日々の行動と、頭の中を覗かれているかのような細かい描写が独特で個性の強い文章だ。
    最初、苦手かな?と思ったが、ここまでくると「やりすぎー」と思いつつ爽快で愉快な気持ちになった。
    アルゼンチンのスケート選手の名前を思わずググってしまったし、表題の『とにかくうちに帰ります』は、押し付けがましくないけどほろりとさせられた。
    毎日を生きることだけで、人は充分にたいへんだし、きっと意味もあるのだろう。

  • 表題作、豪雨の日の人間模様がなんとも泥くさくて好き。

    ただうちに帰るという話ではあるんだけど、恋をするように帰りたくなるという気持ちが、切羽詰まった状況とともに染みてきて、何だか主人公を応援したくなった。

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著者プロフィール

1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞。2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞など。他著作に『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ワーカーズ・ダイジェスト』『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。

「2023年 『うどん陣営の受難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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