BUTTER

著者 :
  • 新潮社
3.53
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感想 : 658
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103355328

感想・レビュー・書評

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  • 私はこの表紙の「絵」が嫌いだった。でも読み終えた今、しげしげと眺めて内容になんって相応しいんだろうと思える。
    バターは食べたくなるだろうな、と予想した通りで、スーパーでカルピスバターを手に取り、高いから四つ葉にした。
    でも、まさか七面鳥が食べたくなるとは思わなかった!おそらく、これからも、こんなに七面鳥料理の濃い描写には出会うまい。
    話が全く的を射ていないが、それだけ男の精神バランスを壊してしまう内容なのだ。最近、仕事がうまくいかず、かなりまずいレベルまで精神的ダメージを受けていた自分を救ってくれた本
    と言っても過言ではない。でも星5つは付けたくないが、最近読んだ本で間違いなくおすすめしたい一冊にあげたい名作だ。ダレニモカレニモ薦めるわけにはいかぬが。
    だめだ、少し読後感に浸ろう。

  • 「男の人をケアし、支え、温めることが神が女に与えた使命であり、それをまっとうすることで女はみんな美しくなれるのよ」
    独身男性の連続不審死事件の犯人は、ふくよかな女性。女性記者の主人公は、次第に彼女に魅入られていく。

    ミステリー小説だと思い読んだが、ちょっと違う。
    前半は、ダイエット中は読んではいけない。食べ物の記述が素晴らしいので、涎がでてくる。食後の表現も美しいので、文章に魅入られた。
    特にバター製品は秀逸!気づいたらスーパーでバター製品を探している自分がいた。

    後半は、内面をズブズブと抉られた。
    女は男に丁寧に料理を作る という構図を私は幼少期から見ており、それは可笑しいと思っていた。時間をかけて丁寧に料理を作るのが、この上なく苦痛に思う。思うような味や見た目にならないと、落胆する。時短家電で手間をかけずに作ればよいと思う自分と、苦痛に思う自分はダメ人間だと思う自分がいる。

    世の中の女に対する評価は、本当に厳しい。
    何をしても必ず悪口を言う人もいるし、逆に味方もいる。
    主人公のように、ボコボコにされても一歩ずつ前に這っていくような。そんな強い人間になりたいな。

  • とりあえず、エシレのバターを買ってみよう、と思った笑
    食べ物の描写がとにかく美味しそうで、前半はワクワクしながら展開を楽しんでたけど、後半は里佳と玲子に降りかかる困難にハラハラして、早くまた穏やかな日に戻って欲しいと祈るばかりだった。
    ルッキズムや男女の在り方の固定概念について考えさせられた。

  • 表紙とタイトルが気になってた本
    タイトルみたいに、濃厚な内容だった
    最初はバターって単語がたくさん出てきて、おいしそうな本だなと思った。
    現実にいそうな梶井が登場して、りかが面会に行く都度魅力的な女として表現されてるとこが面白かった。りかが取り憑かれたように梶井にのめり込んでいく様は怖さもあったけど、玲子みたいなすごい相棒がいて、篠井さんや会社の後輩に助けられながら生きてる様は羨ましいと感じた。
    そのまま梶井を負かせて終わりかと思いきや、りかが打ちのめされてしまい、被害者と同じ運命を辿るのか…と最後までどうなるかわからない展開だった。

  • ずーーーっとバターに浸かってるようなどろりとした作品。
    食事の描写も胸焼けしそう。
    ちらほらスッキリしない所はあったけど、あー…いるよね、あるよね、ってリアル過ぎて怖い。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00574571

    男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。(出版社HPより)

  • 婚活サイトを介して次々に男達から金を奪い、3人を殺した罪に問われ東京拘置所に勾留中の「カジマナ」梶井真奈子に取材するウチに受け入れられたと思った里佳でしたが、、、
    どんでん返しや、色々な人間関係でページを捲る手が止まらずあっと言う間に読んでしまいました
    様々な事がぎっしりと詰め込まれた様な感じの本
    最後は希望の持てる終わり方で、ほっとしました

  • タイトルからずっと気になってて、、まさに「バター」を軸とした物語だった。

    正直、急な展開がちょいちょいあったり、伏線回収が個人的に分かりづらく、登場人物の心情変化についていけない場面もあった。
    でもなぜだろう。バターというキーワードを軸に物語が展開しているから、急展開に見えて実はちゃんと纏まっている感じがする。
    先が気になってどんどん読んでしまった。読み応えがある本だった。

    食べものの描写がとてもリアルで、読んでいると、料理したくなる本。自分の欲望に忠実に、美味しいものを食べたくなる本。
    最後のホットケーキの描写を読んで、急にホットケーキ食べたくなって我慢できなくて駆け込みで食べ行ってしまった…!
    作者の策略にハマったかな(笑)

  • 誰もが身に覚えのありそうな負の感情、妬み嫉み恨み、内面の鬱々とした女性の感情表現がリアルで上手い。全体的に重めの話。料理や食事の描写が細かくうっとりした。最後のパーティーは、メインディッシュの準備から里佳の決意表明まで全て良かった。好き。篠井さんと伶子に何があったのかぼやかしていたけど、結局私には分からなかった。

  • 背景を知らずに、おいしそうなタイトルだなと思って読んだら、予想外に重くて長い話だった。濃厚なバター。

    主人公の里佳も気になるけれど、個人的には伶子の生き方が気になった。弱いようで強いようで。
    読んでいる間、なんだかこちらまで張りつめた気分があったけれど、最後のパーティーではほっとした。

    バターを使ったお菓子や料理はおいしいけど、夜中のラーメンにバターましましは、ちょっとこってり重すぎるかなぁ。ほどほどがよいです。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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