- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103841050
作品紹介・あらすじ
鳥になりたいと祈る老女。彼女に何をしてあげられるだろうか…穏やかに暮らす"主役"の生活に忍びこむ、ミステリアスな"脇役"たち。騒音とともに消えた女、真夜中に廃屋でひとり眠る少女、前世を占えると告げる美女-すべての謎が解決したとき、あなたの胸に浮かび上がる"脇役"の本当の姿とは?いつもは主人公のあなたも、他人の人生では、脇役。傍らに立ち、手を差し伸べるか、あるいは-。再読必至の連作ミステリー。
感想・レビュー・書評
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もっとほのぼのした話かと思っていたのに
思っていた以上に、ミステリーやサスペンス要素の強いお話でした。
初っ端の「鳥類憧憬」がどうにも後味が悪くて、なんだかなーと思ったけど
お次のポリアンナの「幸せ探し」とジンメルの処世術、麻雀の師の「迷ったらツモ切り」の三つに支えられている花梨の「迷ったときは」
音でしか知らない二階の住人を助ける「聴覚の逆襲」
お節介で身を滅ぼしそうになっても、無視できないパズル作楢本の「裏土間」
「定年退職者再雇用制度」の対象者が殺害され、人事部的視点で調査をしてしまう飯田の「人事マン」
この4つはなかなかにおもしろかった。
それぞれの主人公が、直接被害者や加害者や事件そのものとは関わりのない脇役なんだけど、思いもよらぬ形で加担してたり謎に迫ってしまったり。
刑事脇田も徐々に存在感を増してきて、タイトルになるほどねーと感心しました。
最後の前世占いをする女性の手伝いをするうちに巻き込まれてしまう「前世の因縁」はちょっと雰囲気違うのですが、それにつづく最終話の「脇役の不在」になんだか拍子抜け。
いきなりファンタジーなオチいらなくない?
なんか急に変な話になってしまったなぁ。
話自体は面白かったので、エピローグが蛇足だったということで。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とある刑事を中心に、市民の姿が描かれる。
ラストを読んでもあまり爽快感が無いのは何故だろうか。 -
1話1話は勧善懲悪ですっきりします。
心情描写のしっかりした日常の謎(いや殺人事件ありますけど描写はソフトなので)
ファンタジー読みたいけど、こういうミステリーもおもしろいです。 -
第一印象は、ふりがなが多い。
第一話のタイトル「鳥類憧憬」からして、これに「しょうけい」とふりがなをつけた意図は何か。
ページをめくると最初のページから、「林檎」(りんご)、「頬」(ほお)、「喉」(のど)、「襞」(ひだ)、「布団」(ふとん)、「些細」(ささい)と、軒並みだ。
もつとすごいのもある。
「女房の田舎から送ってきた」の「女房」には(うちの)、「申告」(はくじょう)、「事情説明」(いいわけ)などなど、読みにくくてしやうがない。
作者は…あらら、儂より4つ年下で、鳥大農学部卒か。
設定といふかアイデアは面白いと思ふが、とにかくふりがながうるさい。読者をバカにしとんのか(笑)。 -
普段平和な町を中心とした、事件とは一歩離れた目線からのストーリー展開。各章、脇役(?)が主役で面白かった。
どの章でも最終的には事件(問題)解決に関わっている人物が同じで、「あぁここにも登場したな」と思いながら読みました。そして迎えた最終話には、驚かされました。なるほど映画「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とします。
少~し取ってつけた感は否めないのですが、その締めくくり方は爽やかでした。 -
連作ミステリ短編集。
小都市に住む小市民たちの事件。
最後にタイトルの意味がわかる。そういう意味では予想外の結末だった。
(図書館) -
オムニバス形式で進む話。世界は同じなので、とある「一人の刑事」がキーワードになっています。最終的に「それでいいんじゃないかな」って気軽に終わるのですが、私もそれでいいんじゃないかなって思います。読了したときのモヤモヤ感が生まれないっていうのはいいですよね。