- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106107030
作品紹介・あらすじ
安全保障政策に「完璧な解」はない。日本外交は「対米追従」なのか。「トランプ時代」の日本の選択とは。安全保障論議をリードしてきた自民党外交族の重鎮に気鋭の政治学者が迫った異色対談。
感想・レビュー・書評
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対話でわかりやすった。
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●政策というものは、白黒どちらかに近いものはあるものの、常にグレーです。全員が納得するような解はそもそも望めない。空想的平和主義と現実的平和主義の対立。
●日本の敗戦を1つの「原罪」として捉える発想。アメリカのロジックに従えば、そちらから先制攻撃を仕掛けてきて総動員の戦争やっているのだから、こちらが持っている武器を全部使うのは当然だろう、となるはずです。だから敗戦を「日本の原罪」として論じる必要なんてないし、日本人は「それはそういう不幸な時代だったね」と解釈しておけばいいと思います。
●安全保障。憲法上、法律上出来るかどうかという議論ばかり。コストや正義の観点から政策としてやるべきでない、という判断もある。
●集団的自衛権は国連憲章で認められた権利で定義がはっきりしている。集団的自衛権と言うと国民が嫌がるから、「個別的自衛権の拡大解釈でいい」などは単なる感情論。
●冷戦末期。アメリカにとって、安保にただ乗りして繁栄している日本が脅威だと言う議論。アメリカの軍人は健全で「独立国の中で基地を置くと言うことがどれだけ大変なことか」と言っていた。
●SEALDsの学生。非常に真面目で、世の中についても考えたいと思っている。でも日常忙しいので、割と軽めの本しか読んでいないし、突き詰めて物事を考えるほどの厳しさを経ていない。
●抑止力の罠。こっちがガードを固めているつもりだけど、そんなにガードを固めたら向こうが気を悪くする。ほら実際に中国も韓国もあんなに怒っているじゃないか。と言う議論。
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東2法経図・6F開架:392.1A/Ko68k//K
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賞味期限が切れそうになってたので急いで読んだ。集団的自衛権とか懐かしい話であった。
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大臣を歴任した高村正彦と三浦瑠璃の対談本。
高村のちょくちょく入る自慢は鼻に付くが、彼がリアリストで、同じくリアリストの政治評論家の三浦瑠璃との対談は噛み合ってた。 -
平和安全法制の文言がどうしてあのようになったのかについて、自民党内において27回、そして公明党の北側氏と直接25回協議した高村副総裁の貴重な証言を中心とした、「安全保障の矛盾」だけでも充分すぎる貴重な対談である。
どうしてあのようなややこしい文言が必要となったのかについて、まともに報道されていない気がするのだが、『砂川判決』の法理に基づいている法律だから、『砂川判決』の文言をなぞっている。ただそれだけだというのがとても良くわかる。(というか、ようやく文言について腑に落ちた)
そして、『外交の矛盾』『政治の矛盾』においても、高村氏の経験に基づく常識論が良く伝わる。三浦氏が大きく叩いているからこそ、高村氏の回答が良く響いている様に感じる。
それにしても、高村氏の安倍総理評はとても興味深い。
理念先行型のロマンチストでは無く、理念は理念として切り離せるリアリストタイプ
『自分は国民に対して自分の新城を率直に訴えさせて貰います。そして、しかるべき地位を得た時には、現実をよく見て国益を考えて行動します』という安倍総理が新人議員当時の発言を紹介しているが、それに対する高村氏の『こいつ凄いこと言うな。単なる国会議員じゃしかるべき地位じゃ無いと思ってるんだ』には吹いた(^^; -
高村さんの聡明さが光っています。政治の世界にこんなリアリストがいてくれると心強い。でも、近くにいると、「ダメだよ、そんな地に足がついてないこと言ってちゃ。今できる最善を考えましょう。」とか、たしなめられそう。
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これだけのリアリストが自民党にいたら、野党がかなうわけがない