謙信の軍配者

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  • 中央公論新社
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感想 : 104
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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120042591

感想・レビュー・書評

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  • 上杉・武田・北条に仕える軍配者たちのシリーズ最終巻。今回はほとんど上杉謙信の話がほとんど。軍事的天才の前では、軍配者たちも敵わない。でも、為政者としては無能。対する武田信玄は戦略家。実際はどうなのか解らないが、そのイメージはある。個人的な感想としては、最初の巻が一番面白かった。

  • 3部作の完結。
    軍配者シリーズにとても満足している。

    この三作目は合戦が一番激しい。
    長引く戦にずっと立ち会うようで辛く、晴れない気持ちであった。
    そして戦の無惨さや残酷さに心が重くなる。

    それでも、このシリーズの面白さは霞むことなく、人物がきっちり書かれていて読む楽しみは満載だ。私のように歴史にうとい人に是非おすすめしたい3冊だ。
    個人的に四郎左に気持ちが傾いてしまったので終盤は涙があふれて仕方がない。
    足利学校の学友たちの友情が一番心に残る。心の琴線にふれ、たまらない気持ちだが、終わり方もとても良かった。

  • 謙信=長尾景虎を主眼に置くから、必然的に川中島=対武田=山本勘助の登場比率が高いのは理解できる。
    しかし、それゆえ前ニ作に比べて『~の軍配者』の『~の』がかなり薄くなってしまっている。通読するとあえて三部作にする必然性が感じられず、面白いだけに残念だ。

  • 軍配者シリーズの最終.時代は下って若き日に共に足利学校で学んだ軍配者達も当時の感覚では既に老年の域に達している.今回の舞台は誰でも知ってる川中島.面白くないはずがない.長尾景虎の個性が強すぎるため軍配者の冬之助はかすんでしまっている.というかほとんど何もしていない.一方の武田晴信、山本勘助組は前回同様タッグを組んでがんばる.勘助の家庭のことにも触れられており、「信玄の軍配者」の完結編としてみた方が良いだろう.

  • 三部作完結。足利学校の友情がひょんなことから死ぬまで続き、敵でありながら最も近い所にいたその在り方が面白かったです。それにしても人間死んだらおしまい。3人とも生き抜いたからこその物語。個人的には風魔の小太郎、北条早雲の1巻目が好きです。こういう上杉謙信もいいかもしれないけれど、少し子どもっぽく書き過ぎでは?

  • 軍配者シリーズ第三作目。武田と上杉の川中島の合戦が中心。
    上杉謙信の描き方が新鮮で面白い。
    戦争の天才だが政治や人間関係の扱いは全然で、人が変わったように優柔不断になる。
    軍師三人の友情?も気持ちよく、嫌味なく読めるシリーズだった。
    終わってしまって残念。

  • 軍配者第三弾。足利学校で共に学んだ三人のうち、冬之助のその後を信玄の軍配者となった勘助と共に描く。それぞれ50間近になり、引退の葛藤を描きながら、戦闘の様子も分かりやすく、読みやすい。ラストが少しだけ悲しい。

  • 上杉謙信こと長尾景虎の軍配者となった浅野(冬之助 )を描いた軍配者シリーズの最終巻だが、武田との戦いを主軸に描いたせいか2巻(山本勘助)の続編のようだ。戦国武将は見方に寄って夫々の良さが有るが一番は義を重んじる上杉謙信が好きだな〜。謙信vs信玄の戦いが面白く一気読み出来た。

  • 三部作の完結。
    山本勘助、風魔小太郎、宇佐美が友情で結ばれているという設定で、今回は川中島の合戦が舞台。
    上杉謙信、武田信玄のキャラ設定も新しく楽しめた。

  •  『軍配者シリーズ』の完結編である。すでにこの本を読み終えたマイミクさんのKさんが、「なんだか、信玄の軍配者2といった感じ」とつぶやいていたが、ぼくも同じことを感じた。
     学生時代に、新田次郎さんの『武田信玄』を読んだことがある。それにも関わらず、山本勘助のことも、川中島の戦いのことも記憶に残っていない。長尾景虎(上杉謙信)の人となりについても、全然覚えていない。

     宮本昌孝さんの『剣豪将軍義輝』では、景虎は、何より筋目を重視し、将軍家に忠勤を誓う武将として描かれていた。

     この作品でも景虎は「義」の人として描かれている。彼は毘沙門天の化身と評されるほどの戦上手でありながら、政治や経済にはとんと疎い。しかも、自分の思い通りにならないと、すぐに機嫌を損ねて、挙げ句の果てに国を捨てて出家しようとする。

     織田信長のエキセントリックな性格は有名であるが、この景虎も相当なものだ。彼に仕える家来たちの苦労も並大抵なものではなかっただろう。

     最初に書いたように、タイトルは『謙信の軍配者』でありながら、景虎・冬之助の視点よりも、信玄・勘助の視点から描かれることの方が多い。三部作全部を読み終えても、一番主従の絆が深いのは晴信・勘助で、次が氏康・小太郎。景虎・冬之助の関係が、一番絆が弱いような気がする。そもそも、足利学校で学んだ三人の中で、一番クールな考えの持ち主だと思えた冬之助が、景虎に見切りをつけないのが不思議に思えてくる。

     不正や貪欲さ憎む景虎に対して、冬之助が強く共感しているというのであれば、もう少し説得力が増すのだろうが、そうは思えないので、冬之助の立ち位置がひどく中途半端に感じられるのだ。

     一作目の『早雲の軍配者』の勢いからすると、ちょっと尻すぼみに終わった感があるが、面白いシリーズだったと思う。

  • 昨年の11月に一作目の「早雲の~」を読んでから約1年、この三部作がとうとう終わっちゃいました。歴史物をあまり読まない私を、ここまで虜にした読んでいて楽しい作品でした。しょうがないとはいえ、寂しい終わり方でしたね。

  • こんな謙信みたことない

  • 「早雲」「信玄」と続いてきた軍配者シリーズ完結編。
    冬之助と四郎左は「学友」と書いて「強敵」と読む関係なのだなあ、とシミジミ。
    このシリーズはやっぱり四郎左のためにあったんだなあ。

  • 軍配師ものの第三弾
    上杉謙信の軍師「宇佐美冬之助」がおそらく主人公。
    が、前二作と比較すると主君と軍師の交わりに加え、
    軍師のやる気も希薄な感じ。
    むしろ景虎の奔放さの方が前面に出ており、いったい誰の本?
    長尾?ひょっとして武田(勘助含む)?みたな中途半端な印象
    同時代であれば二作で十分だったのでは???

  • 三部作・完結編!!

    舞台は越後、そして最終決戦川中島へ。

    戦闘シーンの魅力より上杉謙信という人物についての魅力の方が優ってるかな\(^o^)/

    この三部作全てを通して言える事やろけど、どんな名将だろうとみんな人間臭くてそれが温かく描かれてる印象。

    少し読みづらいシーンも多いけど、是非手にとって読んでみて欲しい!

  • 前の2作と比べると、冬之助の軍配者として活躍ぶりが弱いけど、
    軍配者シリーズ三部作として連作で読むと面白い。
    戦国物は似たような人物名が出てきてどうにも苦手だったけど、このシリーズは読みやすくてすごく楽しめた。

  • 川中島の戦いがメイン。

    タイトルからは冬之助メインと思っていたが、勘助の方が軍配者としては目だって描かれている。
    前作までと比べると少し物足りない気もするが、シリーズとして楽しんで読めた。

  • 「軍配者」シリーズ三部作の完結編。

    敵味方に分かれても、足利学校の学友として、心がつながっている彼らの姿が良かったです。

    本書だけで見ますと、もっと冬之介の事を書いてほしかったというのがありますので、★は三冊通しての数ということで。

    • yuusan2さん
      ぷにょぼん です。
      まずは この本 読んでみます。
      ぷにょぼん です。
      まずは この本 読んでみます。
      2011/09/11
    • あやごぜさん
      ↓コメントありがとうございます。ただ、レビューにも書きましたが、「三部作の“完結編”」なので、“この本”から読むより、前々作からお読みになる...
      ↓コメントありがとうございます。ただ、レビューにも書きましたが、「三部作の“完結編”」なので、“この本”から読むより、前々作からお読みになるのをお勧めします。
      2011/09/13
  • これまでの軍配者シリーズと同様におもしろかった。

    題名は「謙信の軍配者」だけど、内容は信玄の軍配者である四郎左(山本勘助)のことが半分以上のような・・・。
    次は、この軍配者三人が学んだとされた足利学校のことを、もう少し知りたいと思った次第。

    あと、川中島の合戦のあたりがだいぶ端折られてるんで、その辺りを詳しく読みたいなら、海道龍一郎の「天佑我にあり」などをお勧めします。

  • 三人目の軍配者の物語のはずが、つかえた相手が摩利支天の加護を得てセオリー無視で戦場を縦横無尽に荒らしまくる謙信なので、主役の軍配師を喰ってしまって、謙信の軍配者ではなく謙信そのものの物語になってしまっている。戦国時代の武将としては、義を重んじ、お固いイメージのある謙信が、義を重んじるということは同じでありながら、純情で単純で、ここまで無茶苦茶な破天荒な活躍をするので、軍配者の出る幕はない。また、戦のあり方も、従来の古式な戦法から、火力の多さを競う時代へのターニングポイントであり、気象や吉兆を占う職能を持っていた軍配者が単なる軍師に変わっていく時代を描いているので、ますます、軍配者の活躍は少なくなっていくのだろう。最後に主人公は古巣の足利学校に戻っていくが、その後は描かれていない。足利学校も戦国時代の終わりに向け衰退していくことになるのだが。

  • 軍配者三部作完結編。謙信・信玄の存在感が強すぎて、これまでに比べると軍配者たちの存在感が薄かったのが残念。史実に基づいているから仕方ないとはいえ、小太郎の出番は少ないし。ただ、ラストはとても良かった。

  • 三部作の最終巻ですがどれも面白い。三人の軍配者がそれぞれフォーカスされていくんだけど、それぞれが交錯して最後はもう・・・ 歴史小説苦手な方にもおすすめです。一冊ずつでも読めますが、ぜひ一巻から。

  • 前の2作が良かっただけに、少々残念。
    流れからして今回は冬之介・宇佐美定行が中心の話しかと思ったが、四郎左・山本勘助の話しがかなり多くなっている。「謙信の軍配者」というよりも、「続・信玄の軍配者」というような感じがした。それでも謙信vs信玄のくだりは面白かった。

  • 2011/8/24読了。シリーズ第3作にして完結編、でなければ途中でやめてたかも。。前2作よりも勢いがなくなって、ラストにようやく前作の名残を感じたぐらい。

  • 読み終わってしまった。
    小太郎の幼少時代と足利学校での出会いを描いた一巻、
    小太郎という親友を得て、武田晴信、雪姫や千草と出会って優しい心を取り戻す勘助が中心の2巻、
    そして3巻は長尾景虎に仕官した冬之介の話で完結巻。

    終わり方も良かったのだけど、全体のリズムが素晴らしい。
    旧友との邂逅(仕事で会ってるんですが)や勘助家族のほのぼのから、一転軍略や政治の話になる、メリハリが効いてて、ゆっくり読みたいのに、ついついページを捲る指先が急いでしまった。

    成長過程の景虎と(ちょうど2巻の晴信位な)と、一転、将として落ち着いてきた晴信、完成された感おのある氏康。それぞれが仕える主君の描写も良し。

    帯にも痺れました。「友よ、次に合間見える時はその馘頂く」

    軍師好きとしては堪らないシリーズでした。

    最後の川中島の戦いは、なんとなく角川映画「天と地と」の場面を思い出してしまった。お金かけただけあってのスケールで良かった。そういえば謙信は渡辺謙さんが白血病で降板して、榎木さんでした。それが残念でした。

  • 「謙信の軍配者」の話にはなっていなかった。そもそもこの謙信には軍配者は要らない訳ですね。そして、半分は山本家のホームドラマ。知らず知らず期待していた話と甚だしい違いがあり、読むのが辛かった。足柄学校の話は新鮮だったので残念。

  • 残念。期待していただけに。2巻までの流れは、よかったのだが。キャラクターが活かされていない。前2作までは、主人公の心情と主君との関係、周囲のキャラクターとの交わりがうまく描けていてよかった。最終巻だから展開を焦ったのか、情報量を詰め込みすぎたのか、説明的描写が多すぎた印象。もう、1、2巻書いて、小太郎や勘助サイドの描写もいれつつ、冬之助のキャラクターをしっかり描いてほしかった。もったいない。

  • 謙信の若い頃の話が他の本にない人間味が出ており良かった。
    けど、早雲の方が面白かったな。
    史実と小説のキャラクターの共存は難しかったかも。
    3人の友情で閉められたので個人的には満足。

  • 三部作完結。ごちそうさまでした。

  • 軍配者シリーズの最終巻
    小太郎・勘助と来て、表題通り冬之助が活躍するのかと思ったら、景虎と信玄の戦いが軸となり、冬之助よりも勘助の方が書かれているような気がする
    最後に3人の軍配者たちの長きにわたる友情で締められているのが良かった

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著者プロフィール

1961年北海道生まれ。98年に『修羅の跫』で第4回歴史群像大賞を受賞しデビュー。以降、時代小説や警察小説を中心に活躍。本書はドラマ化もされた「生活安全課0係」シリーズの主人公・小早川冬彦が、警視庁本庁から日本各地へ活躍の場を広げていくシリーズ第2弾。著書に「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」「スカーフェイス」「警視庁SM班」などのシリーズ他多数。

「2023年 『スカイフライヤーズ 警視庁ゼロ係 小早川冬彦Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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