悲しき熱帯 (1) (中公クラシックス W 3)

  • 中央公論新社
3.67
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本棚登録 : 2024
感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121600042

感想・レビュー・書評

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  • 教養を高める書物。
    期待して読み進めていたが、訳の都合も大いにあるんだろうが、読みにくい。文中に注釈的な説明文が多用されており、スムーズに読み進めにくい。

    この本はどういうジャンルなのだろうか。
    哲学の要素も強い。
    文化人類学というよりも、同定学だろうか。

    読み進みやすい章もあれば、頭を文字でいっぱいになり絡まるような感覚を覚える章もある。

    これは時間を置いて、再読必須。

  • 途中見慣れない言葉過ぎで挫折しそうになりましたが、序盤から筆者の感じ方を交えながら書いており、楽しんで読めました。
    序盤の大学、政治などの話はどの時代も同じようなことはあるんだなと思いもしました。
    世界経済の影響から逃れられない土着の文明、民俗学者として筆者が感じたことが、得たかったものを得られなかったインディアンの話と重なり、何とも言えない気持ちになりました。
    この巻では現地文化については意外と後半しか出てこないので、次巻を楽しみにします。時代もあるのでしょうが、向かうまでで既に過酷なのは切に伝わってきます。

  • ブラジル奥地で暮らす原住民の記録。旅行記のようなもの。読んでいて面白いところもあれば、自分の理解力がないのか読みにくいところもある。下巻へ。

  • 出口治明先生のおススメにあったので。
    読みづらい~~がんばった…。
    最初のほうは自伝(というか自慢)だしポエムも長い。人類学の考察に入ってからの方が断然おもしろい。
    しかしえげつない冒険をしている…。

  • 著者名、著者名、構造主義という断片的な知識だけはあった本書。他の方のレビューか何かで、紀行文のような雰囲気の説明がなされていたので意を決して読み始めました。二章途中までの感想です。

    第一章「旅の終わり」という章題で私は著者の悲しみを感じずにはいられなかった。事実、本書は著者自身の過去の旅を綴った部分も多く(そうでない部分もあるにせよ)、「過去(終わった)の旅を書いた」という意味が込められたものと思いながら読み進めた。しかし、どちらかというとこの章題は「旅」がもはや(執筆当時においてさえ)、西洋文明によって単一化されてしまった後の、幻想上にしかない異界への、欺瞞に満ちたものになってしまっており、それは記録者である旅人も、それを物珍しさから待ち望む聴衆も同じなのであった…。


    …と、読みづらく下手な文章で第一章の感想(粗筋)を書きました。上記ほどではないですが、本文はなかなか読みづらく、精読にあたっては受験国語の様相を呈します。とはいえ軽く読み流すのは勿体ないので、時間をかけながらゆっくり読みたいと思います。

  • エバーグリーンだと思った。清々しさを伴った憂鬱な読後。

  • 2022.02.13
    この有名な古典をとうとう読むことができた。

    グローバル化した現在、地球にはフロンティアは存在しない。ほとんどの地域の情報は知れ渡ってしまっている。
    が、ほんの100年前まで、世界は繋がっておらず、フロンティアは無数にあったのだという事実は、私を驚かす。そのフロンティアで可能な最初で最後の考察はとても興味深かった。
    著者のアメリカ亡命の話、ブラジル赴任の描写、インド、ブラジル探索。特に、インドに行ったことのある身からすると、著者のインド人の考察はとても共感するところが強く、的確に言語化されていると感じた。
    カデュヴェオ族の絵画が、社会の理想系を書き表したものとする考察は面白かった。社会構造の理想を絵画に求めていたということは、芸術とは何かを考える上でとても重要な気がした。

    本の中盤の翻訳は、正直読める日本語ではなかったので辛かった。日本語という言語は難しいから、翻訳者にも日本語を扱う高い能力が求められる。

  • おれの師匠の 坂口恭平さんが 酋長 とか言ってる たぶんこれを読んでる?

  • こちらのバージョンも。
    ちょっと読みやすい。

  • 一つの文明が終わり、他の一つの文明が始まったということ、われわれの世界が、そこに住む人間にとって、恐らく狭くなり過ぎ始めているということの突然の自覚、それを私にありありと感じさせてくれたのは、沢山の数字や統計資料や変化ではなく、数週間前に電話で受け取った返事であった。

    裁判というものは、私の心の中では、その時も今も変わらず、疑いと不安と尊厳の気持ちに結び合わされている。人間が、こんなにも短い時間で、一人の人間をこれほど無造作に処分できるということは、私を唖然とさせた。

    西洋のこの偉大な文明は、われわれが享受している数々の素晴らしいものを創りだしはしたが、しかしその陰の部分を生むことなしにはそれに成功しなかった。西洋文明の生んだ最も高名な作品 —窺い知ることの出来ない複雑さで、さまざまな構造が入念に組み合わされている原子炉— の場合のように、西洋の秩序と調和は、今日地球上を汚している夥しい量にのぼる呪われた副産物の排泄を必要とするものなのである。旅よ、お前がわれわれに真っ先に見せてくれるものは、人類の顔に投げつけられたわれわれの汚物なのだ。

    人はそれぞれ自分自身のうちに、彼が見、そして愛したもののすべてから構成された一つの世界を持っている。彼は絶えずその世界に帰って行く。彼が異質の世界にさ迷い、そこに住みついているように見える時でさえも。

    われわれは十九世紀から受け継がれた学問の状況 — そこでは、思考の各領域がまだかなり限られたものであったために、フランス人の昔ながらの長所だった、広汎な教養とか明敏さとか論理的思考力とか文学的才能とかを兼ね備えた一人の人間が、様々な領域を全部抱え込み、独り籠もってこつこつやりながら自分の流儀でそれらを吟味し直し、まとめ直して人に提供することもできた— から抜けだせずにいるのだろうか?

    旧世界のミイラになった町であれ、新世界の胎児のような都市であれ、われわれはとかく物質上精神上の最も高い価値を都会生活に結び合わせがちである。

    人はそれぞれ自分自身のうちに、彼が見、そして愛したもののすべてから構成された一つの世界を持っている。彼は絶えずその世界に帰って行く。彼が異質の世界にさ迷い、そこに住みついているように見える時でさえも。

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