- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121600042
感想・レビュー・書評
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異なる文化について誠実に語ることの困難さ。構造主義の第一人者であり文化人類学者である著者の紀行文である本書を読み始めて最初に感じたのは、そんな印象であった。前半では南米へと向かう以前の回想が大半を占め、エッセイ調とも読めるその本文では逡巡を隠そうともしていない。そう、ここには耽美的口調はあれど自己陶酔は存在しないのだ。それは自らの文化が他より優れているという思い込みに対する批判であり、偏見というまなざしから完全に逃れることは出来ないと知りながら、それでもな向き合おうとする懸命な態度表明なのだと思う。
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悲しき熱帯=構造主義のエッセンス
どの文明も比較対象
→アジア文明も南アフリカ文明と欧米文明も同じ
(数式と似たようなもの) -
社会人類学の権威であり、構造主義というイデオロギーの中心人物に担ぎ上げられた、20世紀最大の知の巨人による一番有名な書籍であり、古典中の古典。ということで、今さらながら真面目に読んでみたけれど、何が面白いんだかさっぱり分からない(汗)。ユーモア(というよりアイロニー)のセンスは、さすがフランス人というか、抜群だと思うけど。20世紀最大の知の巨人に対して★1つとか2つを付けるのはあまりにも恐れ多いので、とりあえず3つ付けておきましょう(それはそれで、とても失礼な気がするが)。これ、全2巻なのでもう1冊残っているんだけど、読むのどうしようかな…。
同じレヴィ=ストロースの名作でも、私が読むのなら「親族の基本構造」の方が内容としてはきっと面白いのだろうと思う。でも、値段がとっても高いし(\14700ナリ)、そもそも内容はだいたい理解しているので、買ってまで読むこともないような気がする。こちらは、ある部族の親族構造が、代数学における「群」構造の特定のクラス(四元群)と厳密な同型を成すというお話し。四元群のような抽象代数が、複雑な現実社会に潜んでいる構造と同型なことを見出すなんて、やっぱりレヴィ=ストロースはありえない天才だと思うよ。 -
紀行文としては駄作
民俗学のためのスケッチとしては凡庸
滅びゆくであろう民族と、戦争の予兆だけが偶然にこの本に詩的な豊饒をもたらしている -
面白い。ガリア戦記かこっちが良いか難しい。哲学書なのか、民俗学書なのかそんなことどうでも良い。とにかく良い。
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ようやく読み終わりました。
3ヶ月くらいかかりました。
実は先週には読了していたのですが、
最後の最後まで何度も何度も読み返していたのでした。
読み終わりはしましたが、全く達成感がありません。
面白いのですが、私には難しすぎる読み物でした。
書いてあることの十分の一も理解できていないでしょうね。
ちょっとくやしい。
多分、書いたあることは、ヨーロッパの価値観だけでは
世界を測ることができないのだということを言いたかったのかなと思います。
この歳になるまでこういう民俗学?民族学?の世界を知らずに過ごしてきた自分にも驚いていますし、
新しい世界を垣間見たような満足感も感じてはいます。
この本の原書は50年以上前にフランスで出版され、
世界中で絶賛され、
日本語の翻訳作業も12年の長きを要したようです。
現代の古典とも言うべき名著のようです。
まあ、このさび付いた頭で3ヶ月で理解しようっていうのがおこがましいのかもしれません。
少し日を置いて、また最初から読み返してみようと思っています。
頭使ったなあ、久しぶりに。
「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」
東日本大震災も人類の歴史の中では、ひとつのエピソードでしかないのかもしれない。 -
アメリカ大陸の発展スピードの早さは移民たちの根底にあるヨーロッパの歴史への憧れだって視点はハッとさせられた。
だけど、満たされない思いがサウダージ、タンゴに込められていったのだろう。後編に期待。 -
原書が発売されたのは1955年。
内容は別として、文章が古くて読みづらい。
そして、要点を把握しずらい構成の本。
古い文体の回想録であるかのような印象。 -
なかなか熱帯にたどり着かないけど、それもまた滋味。船からの空の描出は美しい。