- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122066878
感想・レビュー・書評
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読みながらつくづく思ったのは、私も夫のことをほんと知らないな、ということ。
ぼやかしておくのが優しさかと思っていたけれど、はっきりすべき時はズバッと聞くべきなのだろう。
だって、明日永遠のお別れになってしまうかもしれないのだし。
相手を責めず、自分を主語にして話すというのは、夫婦間はもちろん子どもに対しても言えると感じる。
家族だからわかるよね?ではなく、家族だからきちんと自分の気持ちを伝え、相手の気持ちに耳を傾けて受け止める努力をしていきたいと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
旦那の急死、義母の過干渉、義姉の面倒、旦那の愛人疑惑…
想像するだけでもうわーーーーとなる状況。
垣谷さんは嫌な身近の問題を描くのが上手。
最後は前向きになれてよかった。 -
夫が死んだのに、行きていた時以上に夫のことを思い出し、夫の親族に振り回される日々。嫁って大変!嫁であるま 前に1人の人間なんだけど!って声高に叫びたい気持ち。
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2019.04.27 #013
視点が面白く、登場人物がどの人も個性的!
人を描くのが上手いと思う。
後半で主人公の父の言葉がとても刺さった。
そして未亡人は「未だに亡くなっていない人」
なんかそう解釈されると...この言葉って、日本の特徴をよく反映してるなぁとも。
さて、夫の墓に入るかどうか、私も悩むところである。 -
「夫が亡くなった時点で、自分は誰の妻でもなくなり、晴れて自由の身だと思っていた。だがどうやら違うらしい。今もこれからも「高瀬家の嫁」なのだ。それも、夫が生きていた頃よりも、もっとずっと明確に。」(カバー帯「本文より」)
夫が死んでも「嫁」が残る不思議さ。小津安二郎の「東京物語」を彷彿させるところもあるが、もっとシャープで現代的だ。だのに古い。また、夫婦の物語でもある。結婚とは何か。ヒロイン嫁の高瀬夏葉子(かよこ)が東京は下町生まれ、舞台を九州は長崎にしたのが迫真。いかにして逆転させたのか。手に汗握るおもしろさ。これから結婚するひとも、してしまったひとも、してしまって歳取ってしまった女性にも必読書。
おまけ
夫はよく誉め言葉でとして「田舎でよく言うところの”いい嫁を貰った”だねぇ」と言うことがある。ま、わたしが日頃心地よい家庭を作っていることに対する感謝だと思うし、もちろん冗談で言っているのはわかるが、一度ならず何回も言うと、(この頃は一度言ったことを忘れて繰り返すようになったから)ものすごく嫌な気持ちになる。まったく「嫁」という言葉はおっかない。
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人の複雑な気持ちと、それを相手にはっきり言えない様子を描くのが実にリアルで上手い作家さんだなと思う。不愉快でドロドロな中身でも、ラストは救いがあるのも良い。主人公がこれからの人生を自由に謳歌してくれることを願う。
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「嫁をやめる日」の改題・文庫化でした(ーー;) 文庫の新刊は要注意の注意ですね(^-^) 単行本のタイトルの方が合ってる気がしますが・・・。