- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883952
感想・レビュー・書評
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▪音楽は言語能力を向上させる
▪自分で発見したことは記憶に残る
▪没頭時間は平和の証詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『銃・病原菌・鉄』で知られるジャレド・ダイアモンドや、世界的な言語学者のノーム・チョムスキー、DNA構造の発見者であるジェームズ・ワトソンなど、世界を代表する6人の知識人に、それぞれの研究や今後の社会についてインタビューした一冊。
非常に期待値が高かったのだが、実際のところ、そんなに面白いとは思えなかった。各個人はそれぞれの分野(人類学、言語学、コンピュータサイエンス等)での超一流の知識人であるが、質問内容は今後の社会に対する提言というような意味合いから、教育や宗教、政治など多岐に渡りすぎており、どうしても内容が薄いと感じる部分が多かった。
とはいえ、この6人の殆どが宗教的なバックグラウンドを保有しているにも関わらず、無神論、もしくは不可知論の立場を貫いているのは興味深かった。
あと、世界のインターネットのCDN(コンテンツ・デリバリ・ネットワーク)を一手に担うアカマイ・テクノロジーズの創業者でMIT教授であるトム・レイトンの話は、謎に満ちたこの会社の創業経緯などを聞ける点で貴重では。 -
面白さは人物による。
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第一人者達に未来がどうなるのかをインタビューワーが聞いていった一冊。
2012年に発売され、現在その未来がつくられつつある。
「ITの発達である程度予想が出来る未来になったが、その時間軸は予想できない。」
とホリエモンだか誰かが言っていたがその通りだと思う。
生物学的見地から人間を見る必要性を述べている人がいて、それはかなり刺さった。
個々人が深い思考から物事を見ているので、自分もそのような思考を持ちたいのでインプットを大切にしたい。 -
現代社会が抱えている様々な問題に関するオムニバスのような本。
良い点を挙げるとすれば登場する6人全てが独自のはっきりとした考えを持っていて、多岐にわたるテーマ(宗教、教育、人工知能、インターネットなど)について広く浅く見解を知ることができることです。
しかしいくらなんでも内容が浅すぎます。一人についてあまりに多くのテーマを質問しているので「どうしてそう考えるのか?」という最も知りたい部分が欠落してしまっています。深みは全くありません。おそらく著者は前もって各人の著書を読んでいて、下調べもして、聞きたいことが山ほどあったのでしょうが、どうもそれに対して取捨選択せずに全てインタビューしてしまったような印象を受けました。1人に対し1テーマに絞って深い洞察を掘り下げていればもっと魅力的な本になったと思うだけに非常に残念です。インタビューの最後に推薦図書のタイトルだけ載っていますが完全に蛇足です。なぜその本を薦めるのか聞かなくては意味がありません。
この本だけを読んでも全体を通して何かが得られるとは思えません。この本を読んで興味を持った分野について著作を読んでみるきっかけにするにはいい本なのかもしれません。 -
超豪華な偉人達に直接日本人である筆者がインタビューしている割りには各人に割かれているページが少なく非常にもったいない印象。もっと色々聞いて欲しかった。
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2012年に発行された本だが、2020年の今見ても新しいと思えるようなことや凄い考えが多くインタビューを通して出てきている。
印象に残ったフレーズは
ある有名な物理学者の教授が、受け持つ1年生の学生に「今期はどんな内容をカバーするのですか」と聞かれて「何をカバーするかは問題ではない。重要なのは君らが何をディスカバーするのかだ」と答えたという話。つまり自分から知りたいと思うように励ますのが教育だとノーム・チョムスキーはインタビューの中で語っているり -
この本は「学問の常識を逆転させた叡智6人」のインタビュー本です
ただ、専門外のことについても聞いていて、そのため、たしかに有意義なものも含んでいるが、頓珍漢な回答も多いように感じました
そんな感じで、読んでいて面白かったのは3分の1以下程度
【参考図書等】
・「ウォールデン—森の生活」(ヘンリー・フェイビッド・ソロー)
・「ペロポネソス戦争史」(トゥキディデス)
・「ヨハン・セバスチャン・バッハ」(アルベルト・シュバイツァー)
・「ビーグル号航海記」(チャールズ・ダーウィン)
・「短編集」(H・G・ウェルズ)
・「元素発見の歴史」(メアリ・E・ウィークス/ヘンリー・M・レスター)
・「二都物語」(チャールズ・ディケンズ)
・「数論入門」(ハーディー/ライト)
・「二重らせん」(ジェームズ・ワトソン)
・「種の起源」(チャールズ・ダーウィン)
【引用】
人口問題(人口爆発)は事前に解決されつつあるといえます。生活が豊かになるに連れ、出生率が下がるから。(P34)
(チンパンジーと人間の暴力性の)違いは、チンパンジーは手で殺すのに対し、人間は道具を使って殺すので、チンパンジーよりはるかに凶暴であることです。暴力性が遺伝子に組み込まれているかどうかはわかりませんが、暴力を使うかどうかの選択肢は我々の手中にある。遺伝子で決まっているからどうすることもできないというのは全くのナンセンスです。(P39)
負債というのは一種の幻想です。負債高は高いけれども耐えられないものではない。「経済成長」があれば克服できるものです。タカ派の負債論者の主張する提案は、むしろ負債を大きくする可能性が高い。彼らは支出を削減しろと言う。しかし政府の支出を削減すれば、失業が拡大して需要が落ち、経済成長を低下させてしまう。つまり唯一の負債克服の道を塞いでしまうことになるのです。(P75)
問題は、研究者が、ロボットに人間の真似をさせることに血道を上げているということ、つまり単に「それらしく見える」だけの表面的な真似をさせることに夢中になっている、というところにあります。(P173)
でもいまは、あまり役に立つ批評は返ってこない。つまらない考えを持った人たちがあまりにもたくさんいて、ネットはもうそれほど役に立つものではなくなってきているように思います。(P191)
いまでも、読むのはほとんどSFですね。少なくともこれらの中には、往々にして何らかの新しいアイディアが入っているから。人気小説と言われるものを読むと、いつも古いアイディアに新しい名前の人々を入れ替えただけですから。(P198)
テクノロジーの最先端のレベルでは、悪い奴らはずいぶんと先を行っていて、実際それで金を儲けている。ですからそれに対処するには、基本に立ち返って、おそらく政府レベルで動く必要があると思います。(P218)
「やるからには世界で五指に入る研究所にしなければ意味がない」「二流の研究に時間と労力を費やすくらいなら死んだほうがまし」(P260) -
サラッと表面を撫ぜるような感じのインタビュー集なので、インタビュイーの面々をすでに知っている人には物足りないだろう。それでもインタビュイーはもっともポピュラーな人々を集めてあるので、それぞれの仕事の紹介としては便利な一冊かも。
チョムスキーに話を聞くとやっぱりアメリカ帝国主義批判のほうがメインになるかね。生成文法のこと話されてもよくわからんから仕方がないか
ミンスキーは初めて読んだが、ここ数年のディープラーニングの発展で言っていることが急速に時代遅れになっているのではなかろうか
レイトンもアカマイ社の存在含めて初めて知ったが、始めはそんなつもりはなかったが誰も自分たちのアイデアを事業化してくれなかったので仕方がないから自分でやったという成功譚は愉快。アメリカらしい
ワトソンは、ちょうどいま読んでいる中井久夫『記憶の肖像』にシンクロする話があった。ワトソンが言う「学生だった利根川進をアメリカに行くよう薦めた」人物は渡辺格氏という京大ウイルス研究所の名プロデューサー。ノーベル賞を獲ったばかりのワトソンを渡辺が日本に招聘した逸話もあって、中井は「27か8歳でノーベル賞を貰うと後の人生は大変だろうな」ともうアタマの薄いひょろ長い姿を見て思った。帰国した彼の噂は「なかなか結婚できないでいる」であって、ノーベル賞を獲ってもフットボール選手ほどにももてないアメリカの現実だと。まあ御年80余歳のワトソンは非常にお元気そうである。
みなさん宗教には帰依していなくて(キリスト教の実践者ではあるが、信仰者ではないby フリーマン・ダイソン)、読書はSF推しが多いのが面白い -
質問の仕方がつまらないのか、答えがつまらないのか??⁇
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6人の知の巨人へのインタビューを著者が編集したもの。話が高度、専門的で置いてかれ気味だが、たまにはこう言うものに触れるのも大事だとも思う。
最近こじんまり纏まり、大きい人が居ないとの話を聞く。
・豊かな時代になりハングリー精神がない
・情報社会で知りたいことがすぐ知れ(もしくは知った気になれ)コピペでやっていける
等が影響しているのかとぼんやり思うが、登場する偉人のようになりたいとは思えない、私も小物の一人だなぁ。 -
一般にはあまり知られていないけど、インターネットを使っている時、多くの人がお世話になっているakamai社のパートがすごく面白い!
取締役のトム・レイトンさんが、ENIACを使ってコードを学んだりしたことが素晴らしい体験だったと言っていることに親近感を。 -
ジャレド・ダイアモンドとジェームズ・ワトソンの名前に惹かれて購入した一冊。
6人の科学者たちへの個別インタビューという形式なので、各人のつながりが薄く内容があまり頭に残らなかったのが残念。(各人の印象に残った部分はもちろんあるが)
なぜなら、本書のテーマが「いかに現代世界を生きるか」という曖昧月壮大なテーマのため、一冊を通してナラティブが描けていないためだと思われる。
ただ、6人の並べ方が面白かった。人文学から理学へと徐々に移っていくというわかりやすい構造。
自分は文系だけど、後半の理学関係のインタビューがすごく面白く読めた。
理系の学問への興味を持つきっかけとしては非常に役立った。
アカマイ社のことが知れたのも良かった。自分の持つアイディアに自信があったけど、実行してくれる人がいないから起業しようというメンタリティーはさすが。こういう人がビジネスで成功するんだろうなあ。
最後に、ワトソンって生きてたんだね(^^;;笑 -
インタビューの内容が「浅く広く」という感じであまり深みがない。短いので、これ読んで、気になった作者の本を読む、ってのがいいのかも。
あと、ミンスキーの「本はSFしか読まない」ってのが印象的。