マイノリティ・リポート: ディック作品集 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-13)

  • 早川書房
3.55
  • (32)
  • (57)
  • (114)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 696
感想 : 58
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150112783

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小説

  • マイノリティリポートとトータルリコールの原作を収録。
    もちろん短編なので映画のような肉付けがなく地味にじわじわくる感じ。SFだけどSFじゃない感じのディック作品好き。

  • フィリップ・K・ディックと言えば、SF界の大物の一人。しかし、どうも私は敬遠気味。以前有名な「アンドロイドは電気羊の・・・」を読み、どうも波長が合わないと言うか。。
    そんな訳で久しぶりに恐る恐るディックの本を読んだのですが、この短編集はなかなか楽しめました。
    表題作のマイノリティ・レポート。予言のトリックは安部公房の「第4間氷期」を思い出しました。1957年の作品ですから、第4間氷期より古く、こちらがオリジナルのようです。
    SFといってもハード的な似非理論に元づく科学小説では無いですね。安部公房やカート・ヴォネガットのように風刺文学の背景にSFを取り入れた作家もいますが、この短編を読む限り、ディックにもそんな傾向があるようです。

  • 映画の原作を2話含んだ短〜中編集のようだが、両方とも未鑑賞のお陰か先入観無くスルスルと読めた。SF作家は長編〜短編を問わず、手癖になってしまうネタがある印象だが、収められた話に、球体出てくる率高くね?と思ってしまった。

    収録されている話は、全て明確なオチがある訳ではなく、毒を含んだ、暗示的な終わり方が多いのがかなり印象的だ。どこかイギリスのユーモアに近い終わり方が多いので、ロアルド・ダールが好きな人には迷わず勧めたい一冊。

  • ディックの映画化された作品を含む短編集
    表紙   5点野中 昇  朝倉 久志他訳
    展開   6点1953-87年著作
    文章   6点
    内容 620点
    合計 637点

  • 直前に映画を見直したけど、あっちのほうが面白いな。SFとしてもスリラーとしても、傑作だった( ´ ▽ ` )ノ
    トーリコも、B級に徹しきった映画版のほうが上(12年版はくずだけど)( ´ ▽ ` )ノ

    この2作に限らず、羊も火星も、発想はいいし展開も悪くないんだけど、オチがなんだかゆるゆるな感じの作品が多いんだよなあ、ディックは……(´ェ`)ン-…
    だから、読む端から忘れてく……(´ェ`)ン-…
    映画の場合、そこんとこをキチッと〆てるから見終わってスッキリするんだけど(キチッとし過ぎで安っぽくなってもいる)……(´ェ`)ン-…

    あと、何というか編集が変な作品が多い……(´ェ`)ン-…
    (まるで筒井康隆みたいな)楽屋オチ「水蜘蛛作戦」を例に上げると、悪党の乗った宇宙船の描写がハンパに入るとことか……あれなら、書かないほうがいいんじゃないか?(´ェ`)ン-…

    まあ、年に80本?も書きまくってた頃の作品らしいから、粗いのも当然か……(´ェ`)ン-…

    しかし、解説でひとことも触れられていない「トータル・リコール」TVドラマ版(98)……(´;ω;`)
    この本、99年刊? まさに日本放送中の発行だったと思うのに……(´;ω;`)
    まあ、つまんないドラマだったけどね……トーリコよりブレランぽかったし……(´ェ`)ン-…

    2017/02/23

  • ということは、第三のプレコグの報告、つまり少数報告が重要らしい

  • down to earth : up to Marth? (get back to real:dreaming) as you know he, phillip K dick wrote total recall, brade runner and this. i think, total recall original amaging more than movie.

  • <結論は同じでも、一つ一つは少数報告。>


     トム・クルーズ主演の映画も記憶に新しい『マイノリティ・リポート』。随所が凝っているスタイリッシュすぎな映像加工に、「さすが~!」と唸った一方で、あのスリムな原作からこういう作品が生まれるのかと、少なからず驚かされもしました。ディックもびっくりの派手さ★

     原作はわりあい地味な短編小説です。アンダートンと来たら、冒頭から「おれは禿げてきた」とお疲れモード。一方、夢を抱いてやってきた新人ウイットワーは、現場入りしてショックを受けます。なぜなら、予知能力者が「ぶかっこう」だったから!
     ひゅるり、サラリーマンの哀愁。街路は暗く、アンダートンは疲れていて、逃走する姿もそんなに映えません。カッコ悪い犯罪予防システムも、当面使われるのでしょう……。

     小説でも映画でも、予知能力者は三人一組で未来を視ます。三人の予知が完全一致するのは稀なこと。二対一になると、少数報告が棄却されます。多数決、よくある手法ですね。予知とは関係のない生活を送っている人でも、学校でも職場でもしばしば迎えるこの局面。モヤモヤしますよね。「少数派を切り捨てるの?」「集団で間違いを犯す気か?」ってね★

     この一件では、少数報告も決して無視できない力を持っています。数が少なくても確かな報告だってある。でも、多いということの意味も強い。リサのセリフを引用します。「もし、この少数報告を本物として受けいれるつもりなら、多数報告のほうも受けいれなければ」

     私は、一つ一つはどれも少数報告なのかもしれないな~と思いました。少数報告が合流して、ある時点から多数報告を形成する。でも、さも同じ意見のようにしていても、その一つの結論は複数のストーリーから導き出されたものなのでしょう。そして、どのルートを使ってやってきたとしても、どれも未来なのです。
     ……意味不明でしたかね★ こういうことをごちゃごちゃ考えるの好きなんですが。

全58件中 21 - 30件を表示

フィリップ・K.ディックの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
フィリップ・K・...
フランツ・カフカ
グレッグ・イーガ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×