ばくりや

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 113
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163809304

感想・レビュー・書評

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  • 能力と能力を交換する「ばくりや」
    うまく言えないが、藤子不二雄のかく話みたいな、うまい話には裏があるという内容だった。面白かった。落ちも分かりやすいし短編でも繋がったとこがあったのも面白かった。
    良いことであれ、悪いことであれ、なにか特殊な能力があると大変だ。生まれもった天性な能力もあったが、野球選手の話のあれは、あとから身に付いた能力だろう。この話は男がくずだったが因果応報で面白かった。動物園の話は気持ち悪かったし恐ろしかった。間が悪い女の話は話が繋がり感動した。読みやすく面白かった。

  • 自分の能力や特技を交換できる「ばくりや」によって人生の転機を迎える人々のお話です。
    昔の「世にも奇妙な物語」風な、ユニークなシチュエーションで、不可思議な設定とそれに翻弄される人の悲喜こもごもな人生模様がさまざまなパターンで描かれています。
    中には幸せをつかんだ人もいましたが、そうとはいえない結末のほうが多く、読み心地は実は残酷な童話、チック。そういう厭らしさがある意味作者らしいような気もします。掲載雑誌のせいかどうか、官能的というかそういう場面がけっこう多いのがなんだか新しいような気も…。
    印象に残ったのはギューションの話でしょうか。いちばん残酷な話かもしれません。
    最後のまとめ方がまた洒落がきいていて好きでした。まあ、人が悪いなあー、と苦笑いしながら思ってしまいましたが。
    たぶん後味がよくないのが多いので人を選ぶでしょうが、私には楽しめた短編集でした。

  • いらない能力を別の能力と引き換えてくれる“ばくりや“。面白かった。乾ルカさん4冊目だけど、どれもこれも面白い。ペンネームが少女漫画家みたいで手に取るのを最初は憚られたけど(笑)最後の話は怖かったなー。ギューションのラストは思わず涙目。自分に何か特殊な能力がなくてよかったと思う。2012/255

  • ひとつだけ混じった、結末の違う物語が、全編を通した最後ですっと腑に落ちた。
    突出した能力が、人を幸せにはしてくれないという、うら寂しい感じがひんやりと漂っていた。

  • 初めて読んだと思う作家さんでした。
    かなりおもしろく、一気に読み終わってしまいました。
    「きりの良い処で」と「さよなら、ギョーション」という話が良かった。
    結末はともかく、途中のところもよく描かれていてなんとも悲しかったりいろいろ・・・

  • 初めて読んだ乾ルカさん。
    けっこう強烈な話が多かったです。
    最後の落ちは好きでした。

  • 技能、能力、経験を交換してくれる”ばくりや”・・・
    発想は面白いのだけど、都合よすぎと言うか・・
    最後は気持ちのよいもので無かった。

  • 互いの突出を交換する物語。

    生まれつきの体質、身に付けた特技、長年の技能。己の特性を他のものに取り換えられるが、何が来るかはわからない。自分の個性を持て余した、あるいは満足していない人々の交換物語。

    乾さんの他の短編集と比較するとなんとなく後味の悪い話が多いように感じる。結末の幸不幸とは別として。自分のいらない特徴を他のものに入れ替えられるというのは魅力的だけど、その特徴によって支えられていたよいものも確かに存在するのだろう。

  • 「てふてふ荘へようこそ」、「メグル」と続けておもしろかったので、読んでみた。着想点はおもしろいと思うけど、登場人物の人間関係がどろどろしていて、読み終わってもあまりすっきりしなかった。

  • 個性的な登場人物にラストは上手く締めての恐怖感。それなりに楽しめた。

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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