にょにょにょっ記

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903262

感想・レビュー・書評

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  • 穂村さん久しぶりに読んだけど、やっぱり天才じゃないのか。
    日記形式の短いエッセイ(?)が
    短文なのに、あるいは短文ゆえに独特の世界を見せてくれる。
    著者が歌人だからこそ、短い文の積み重ねが詩のように感じられるのだろうか。
    フジモトマサルさんのイラストもいい味を添えている。

    ところで、この著者の持ち味は「日常の中の異次元発見」ではないかと思っている。
    そして日常の中の異次元は大抵笑いを伴う。

    特にツボにはまってしまったのが「6月11日うきうき」だ。

    全文引用する。

    >若者と会話する。
    >
    >ほ「暖かくなって半袖を着るだけで、なんだか気分がうきうきしてくるね」
    >若「お猿みたいですね」
    >
    >お猿?
    >それは「うきうき」じゃなくて「ウキッウキッ」だろう。

    だめだ。
    どうしても「ウキッウキッ」の字面を見ていると笑いが止まらない。

    このカタカナが笑いを誘うのか。
    文章のリズムが笑いを誘うのか。
    天才すぎる。

  • 何気ない日常の光景であったり
    ふとした思い付きや疑問に
    吹き出したり、にやにや笑いながら読んだ。

    天使とのやりとりも好きだし
    案外穂村さんの小市民的な感覚に
    めちゃ共感もてる。

  •  穂村さんは日常に対するセンサーが敏感で、言われてみれば確かに、と思うことは多々あれど、自分が同じ事象に出くわした時にそう多感になれないだろうことが残念に思えてくる。一番覚えていることは、元気の単位 1ハイジ=10クララ。

  • いやぁ、面白かったww今登録しようとして知ったけど、やっぱりこれ前作、前々作があったのね。「その日あったこと」ではない日記だなwwって感じだけど病院の待合で読んでて吹いたわー。あれの中身がカステラなら、ワタシもおまわりさんに職質受けたい…とか、世界各地に眠るみょんみょんやリカちゃんワールドの奥深さに爆笑ww元彼かぁ…ww「わけありのカニ」「わけありのタラコ」の妄想、テニス肘にラクロス肩、紅白に対抗した黒白歌合戦はワタシも見たいなぁ♪元球児のカラーボールも本命チョコの見分け方もww

  • 『にょっ記』も読んでないのに、3冊目から読む。
    日常の中の一コマを日記状でつづる。
    ゆるゆるした内容ながら、油断してると爆笑ポイントがあるので、
    半分あたりから家で読むことにした。
    リカちゃんワールドの連作がワタシ好み。

  • 面白い。
    クスッとくる。
    あっという間に読めた。

    著者の穂村弘さんの目の付け所が面白く、
    所々で 確かに、ふむふむ、ふふっ
    となり
    フジモトマサルさんの挿絵もまた可愛く、面白い。
    是非お読みください。

  • 「本当はちがうんだ日記」と同じ図書館で借りた本。この本もかわいかったので借りた。発行年が遅かったので後から読んだ。読んでる合間に検索してみたら、穂村さんと装幀の名久井直子さんの記事があり、フジモトマサルさんが2015年に亡くなっていることを知る。最後のにょっ記シリーズだったのだ。その記事の中に穂村さんが話していた「日記と言っても異化された嘘日記なんだけど、でも、実際に僕が見たものを書いてることが多い。」を読んで、ああ嘘も入っていたんだ、そうかもしれないとは思っていたし、本当じゃないこともたまにあるのかなと思ってもいたけれど、やっぱりそうだったんだ、と、別に気落ちしたわけではないけど、心に留めて読み進めた。
    私が好きなのは、4月7日テスト。実家の押し入れにあった小学校の国語のテスト。ひらがなだけの文章、選択肢、にせの選択肢もかわいくやわらかい。9日のテスト・その2の問題文もかわいい。たいへんです。こりすが、ふわふわ そらに あがっていきます。私は、子どもが1年生で初めて習うひらがなプリントの例文が好きで取ってあり、「のんびり のりまき のどかなひ」「ねこと ねずみの ねがいごと」などなどかわいい。
    5月12日音楽室の謎も面白い。音楽室にだけ、肖像画が貼ってあるのはなぜか。理科室、体育館、家庭科室、美術室に、その分野で功績を残した人たちの肖像画が飾られていないのはなぜか。家庭科室にはだれを貼ればいい?美術室に作品と作家の両方が貼られていたら見に行きたい。

  • 三作立て続けに読み、穂村弘さんのオジさん心に共感。この作品だけ文庫ではなく、サイン入りで、シール付きで得した気分。
    にょにょにょにょ記を期待したいところだが、フジモトマサルさんはもうおられない

  • 晴れたお休みの午後に、自宅のソファでコーヒーを飲みながらゆる〜く読んで、時々クスッとするための本だなと感じました。癒し効果あります。

  •  穂村が『別冊文藝春秋』に長期連載している、日記のようで日記ではない“ニセ日記形式”のコラム「にょっ記」。その単行本化第3弾である。
     2009年に出た第2弾が『にょにょっ記』。本書は「にょ」がまた増えて、さらにわけがわからなくなっている。

     私がいちばん最初に読んだ穂村の本が『にょっ記』であり、そのときはものすごく斬新なユーモア・コラム集だと感じたものだった。
     しかし第3弾ともなると、私のほうが穂村流ユーモアに耐性がついてしまったのか、あまり面白くなかった。クオリティも、初期のころより落ちている気がする。

     とはいえ、電車の中で読んでいて思わず吹き出した箇所もいくつかあるのだが……。
     そのうちの一つを引用。

    《仕事で京都を巡る。
    電車の中でぼんやりしていると、アナウンスが流れてきた。

    「神仏を見かけた方は駅係員までご連絡ください」

    さすが京都。
    さすが。》

     これは当然「不審物」のことなわけだが、あえてそこまで書かずに寸止めするところが穂村流なのである。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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