- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163903262
感想・レビュー・書評
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穂村さん久しぶりに読んだけど、やっぱり天才じゃないのか。
日記形式の短いエッセイ(?)が
短文なのに、あるいは短文ゆえに独特の世界を見せてくれる。
著者が歌人だからこそ、短い文の積み重ねが詩のように感じられるのだろうか。
フジモトマサルさんのイラストもいい味を添えている。
ところで、この著者の持ち味は「日常の中の異次元発見」ではないかと思っている。
そして日常の中の異次元は大抵笑いを伴う。
特にツボにはまってしまったのが「6月11日うきうき」だ。
全文引用する。
>若者と会話する。
>
>ほ「暖かくなって半袖を着るだけで、なんだか気分がうきうきしてくるね」
>若「お猿みたいですね」
>
>お猿?
>それは「うきうき」じゃなくて「ウキッウキッ」だろう。
だめだ。
どうしても「ウキッウキッ」の字面を見ていると笑いが止まらない。
このカタカナが笑いを誘うのか。
文章のリズムが笑いを誘うのか。
天才すぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何気ない日常の光景であったり
ふとした思い付きや疑問に
吹き出したり、にやにや笑いながら読んだ。
天使とのやりとりも好きだし
案外穂村さんの小市民的な感覚に
めちゃ共感もてる。 -
穂村さんは日常に対するセンサーが敏感で、言われてみれば確かに、と思うことは多々あれど、自分が同じ事象に出くわした時にそう多感になれないだろうことが残念に思えてくる。一番覚えていることは、元気の単位 1ハイジ=10クララ。
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『にょっ記』も読んでないのに、3冊目から読む。
日常の中の一コマを日記状でつづる。
ゆるゆるした内容ながら、油断してると爆笑ポイントがあるので、
半分あたりから家で読むことにした。
リカちゃんワールドの連作がワタシ好み。 -
面白い。
クスッとくる。
あっという間に読めた。
著者の穂村弘さんの目の付け所が面白く、
所々で 確かに、ふむふむ、ふふっ
となり
フジモトマサルさんの挿絵もまた可愛く、面白い。
是非お読みください。 -
三作立て続けに読み、穂村弘さんのオジさん心に共感。この作品だけ文庫ではなく、サイン入りで、シール付きで得した気分。
にょにょにょにょ記を期待したいところだが、フジモトマサルさんはもうおられない -
晴れたお休みの午後に、自宅のソファでコーヒーを飲みながらゆる〜く読んで、時々クスッとするための本だなと感じました。癒し効果あります。
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穂村が『別冊文藝春秋』に長期連載している、日記のようで日記ではない“ニセ日記形式”のコラム「にょっ記」。その単行本化第3弾である。
2009年に出た第2弾が『にょにょっ記』。本書は「にょ」がまた増えて、さらにわけがわからなくなっている。
私がいちばん最初に読んだ穂村の本が『にょっ記』であり、そのときはものすごく斬新なユーモア・コラム集だと感じたものだった。
しかし第3弾ともなると、私のほうが穂村流ユーモアに耐性がついてしまったのか、あまり面白くなかった。クオリティも、初期のころより落ちている気がする。
とはいえ、電車の中で読んでいて思わず吹き出した箇所もいくつかあるのだが……。
そのうちの一つを引用。
《仕事で京都を巡る。
電車の中でぼんやりしていると、アナウンスが流れてきた。
「神仏を見かけた方は駅係員までご連絡ください」
さすが京都。
さすが。》
これは当然「不審物」のことなわけだが、あえてそこまで書かずに寸止めするところが穂村流なのである。