坂の上の雲 四 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1999年1月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784167105792

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計2000万部、司馬遼太郎記念財団によるアンケート〈好きな司馬作品〉第1位にも輝いた、不滅の青春文学。全8巻。

明治37年2月、日露は戦端を開いた。
豊富な兵力を持つ大国に挑んだ戦費もろくに調達できぬ小国……。

秋山好古陸軍少将の属する第二軍は遼東半島に上陸した直後から、苦戦の連続であった。また、連合艦隊の参謀・秋山真之少佐も、堅い砲台群でよろわれた旅順港に潜む敵艦隊に苦慮を重ねる。

緒戦から予断を許さない状況が現出した。

スペシャルドラマ〈坂の上の雲〉がNHK総合テレビにて放送!
(2024年9月8日より 毎週日曜 午後11時~/全26回)
出演:本木雅弘 阿部寛 香川照之 菅野美穂

みんなの感想まとめ

戦争という厳しい現実を背景に、リーダーシップや国民性が戦況に与える影響が描かれています。特に日露戦争の序盤を舞台に、両国の思惑や官僚体質の滑稽さが浮き彫りにされ、歴史の特異性が深く理解できる内容になっ...

感想・レビュー・書評

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  • ロシアと日本、双方の思惑が理解でき、リーダーの性格のあり様が戦況に影響を及ぼしていること等、興味深かった。ロシア人の国民性も分かった。

    恩田陸さんが、「坂の上の雲」全8巻を丸2日間かけて読破されたことをネット上で知り、作家になる人の意欲はすごいなあと思った。私もゆっくりだけど頑張るゾ!司馬遼太郎さんの文章のリズム感がよく、歴史に疎い私もここまで読めた。途中途中に入る、「余談」も良かった。

  • 日露戦争の序盤、黄海海戦から遼陽会戦を経て旅順攻撃まで。

    旅順攻撃は死傷6万人という未曾有の惨事。著者は執拗に乃木、伊知地司令部の無能さを強調。一方、ロシア側の官僚体質の滑稽さも描き、日露戦争の特異性を概観できる。

    非常に面白い歴史小説

  • 戦争禍において無能な上司の下に配属されることほど悔やまれる事はないとわかる。また派閥に基づく人事も碌でもない。令和の今となってもその悪しき習慣はある。残念すぎる。

    無能無策な上に頑迷で、多くの日本兵を殺すことになった乃木という人間の描写が耐えられなかった。が、どうにか読み切った。次号に期待。

  • ▼日露戦争開戦。司馬さんは戦争が好きだ。ちょっと言い方が雑だけれど、司馬さんは戦争の細部や人間臭さが好きであろう。司馬さんは人間の明るさとか賢さとか合理性とか機能性とか合目的性とかが好きだし、そういうリーダーに率いられる人間の集団について、汲めども尽きない興味を持っておられる。▼そういうわけで、機械好きの子供がラジオを解体して仕組みを発見して喜び、そしてまた組み立てるように、司馬さんなりに明治日本と日露戦争を解体して検証しておられる。そして、司馬さんのような意では多くの人が戦争が好きであろう。「ガンダム」だって「銀河英雄伝説」だって「大河ドラマ」だって同じくでしょう。戦争が好きなのは男子が多いと思われる。自分もその意では、好きである。

  • ・3巻の終わり方からして、本巻のメインになると思った東郷平八郎が全然出てこない。

    ・その代わり、本巻のメインとなっているのは旅順の乃木軍、とりわけ参謀長伊地知幸介の無能さと頑迷さ。何度焦ったく思ったかわからない。とてももどかしく、やるせない。
    cf. 「事実、旅順攻略の乃木軍の様子がこれ以上悪化すれば、日本の陸海軍作戦は総崩れになり、日本国そのものがほろびるであろう。日本の存亡のかぎが、もっとも愚劣でもっとも頑迷な二人の頭脳ににぎられているというのが、この状況下での実情であった。」(p. 405)

    ・日本が経験した対外戦争4つのうち3つは知らないけれど、少なくとも日露戦争においては日本の存亡がかかっていた。
    戦争や平和関連の本だと、教育上の目的から、戦争の悲惨さを伝えたり「二度と戦争はしたくない」という感想を導き出すような、「使われた側の兵士」や市民の目線で書かれた話が多いと思う。だが、このような「戦争を考えて動かしていた側」の止むに止まれぬ事情を知るのもとても重要なことだと実感した。私は平和を追求したいし戦争はしたくないが、なぜ戦争をせねばならなかったのか、するしかないという状況になったのかを知らずに、今後どう戦争を防ぐというのか、平和を追求するのか、今までの自分の無知を知った。

    ・人物が多くて久々の登場シーンで記憶が朧げになってしまっているのが惜しかった。
    時系列や人物(活躍や性格など)や地名のまとめをしたら、膨大な量になりそうだがとても楽しそうだ。

    ・本巻は今までの4巻の中で最も切羽詰まっていて、先が気になってどんどん読み進めた。
    日本をギリギリのところで守ってくれた明治の先人に大変感謝している。
    私は自主的にロシア語を勉強しているけれど、先人の奮闘がなければ今頃ロシア語を強制されて日本語を話していなかったかもしれないと思う。

    ・ところどころで日露の比較、農耕と遊牧の比較、薩長と閥外の比較、陸軍と海軍の比較、そして明治(日露戦争)と昭和(太平洋戦争)の比較が含まれていて、洞察が深まった。

    ・ところで、「ロシア側の記録によれば…」というのは、司馬さんがまさかキリル文字から情報収集したということだろうか?
    (より想像しやすいのは、キリル文字の一次文献を日本語に書き下ろしたニ次文献が先にあって、それを司馬さんが参照したのだろうか)

    ・戦争は世界規模で動いていることを実感した。例えば、ロシアに侵されてきたユダヤ人が日本の財政を助けてくれたり、英国の漁船を誤って猛攻撃したバルチック艦隊が国際社会の批難を浴びたり。

  • 斜め読みになってしまったが、
    日露戦争が、進んでいくさまがよくわかる。薩長がまだ関連していたり、戦いの仕方として、桶狭間の戦いなど、出てくるがすごいと思う。

  • 感想は(八)へ

  • 日露戦争、旅順総攻撃まで。いや、本当に乃木大将、伊知地参謀長の二人が世界戦類を見ない糞司令部で、どうしようもないくらいバカだ。上の命令に従わずただ闇雲に数少ない貴重な兵士を犬死にさせただけ。作戦実行日もなんの根拠もなく毎回二十六日とか、ロシア側にもバレてて無能のことこの上ない。コイツらがもう少しまともだったらなぁと、只々呆れ果てました…。乃木のどこが軍神なんだよと、嗤っちまうよwww ただの人間どころかゴミカス以下だ!?(;−_−+
    (※後日知人に教えていただきましたが、司馬史観というもので史実とは異なるようです。乃木大将、申し訳ありません…。)

  • 巻全体を通して、組織の上に立ち、統率する立場にある人間の資質とは?について考えさせられる内容でした。

    司馬遼太郎がこき下ろす、乃木希典と伊地知幸介という人物。終始モヤモヤしながら読み進めましたが、本作だけでなく、他の書籍も読んで、多角的に二人のことをもっと知りたいと思いました(それでも結果的にモヤモヤで終わるかもしれないけど)。

  • 黄海海戦の緊迫感、遼陽会戦、沙河会戦での際どい戦い。バルチック艦隊のイギリス漁船攻撃。旅順攻略でのあまりに酷い乃木希典、伊佐知幸介の指揮による尋常ではない被害とそれを変えられなかった日本軍。色んなドラマが凝縮された4巻でした。

  • 日露戦争 中盤
    陸軍→遼陽、沙河、旅順要塞攻撃
    海軍→黄海海戦

    常にハラハラしながら読んでた。日露戦争って勝利した煌びやかな歴史のみ語られがちだが、そんなに簡単に言い表せるものでもない。
    また、組織統率者の重要性、部下に与える影響を教えられた一冊。

  • 自分は乃木さんに関する知識をまったく持っていないですが、地名になったり神社まである人が本当にこんなふうに無能だったのかなというのは疑問に思った。乃木さんの他の評価も知ってみたいという思いと、司馬さんの評価の背景(エビデンスが何かということではなく考え方とか感じ方のパーソナリティ)も興味深いなと思った。

  • 事実を見ようとしない軍人。
    国命を賭けて判断を下す軍人。
    自分の出世に気を取られて何も言えない軍人。
    リーダーの資質をもって落ち着いている軍人。

  • 日本史としてしか知り得ていなかった日露戦争。
    その結果と背景しか知らなかったが、そのプロセスにはここまでも凄惨な生々しい戦争が繰り広げられていたとは。また、その上に自分たちの生活があることをありありと感じさせられる。
    日本人として読むべき一冊。

  • 薩摩長州ばかりが、大日本帝国の中枢にいたんだなあ〜って読みながら腹が立ってきてしまう。
    陸の長州、海の薩摩だって!!

  • 「指揮する者の責務」これが、テーマだと思います。反面教師としたい内容でした。

  • バルチック艦隊が、日本艦隊を恐れるあまり英国の漁船を日本軍と見誤って襲撃してしまう事件はいたたまれない。
    一つの戦争には数えきれない事由、国家的事情や背景などが複雑に絡み合い、勝敗などと言う結果だけでは説明のつかないものなのであると痛感する。

  • 海軍による黄海での一大決戦から始まり、陸軍の遼陽・沙河・旅順大戦までが記されている。教科書ではほんの数行で説明されてしまう日露戦争の、悲劇的で薄氷を踏む戦いがありありと描かれており、怒り・悲しみと言ったあらゆる感情が胸の内から湧き上がってきた。

    司馬の偏見も入ってるとは思うが、それにしても乃木・伊知地コンビは酷い。

  • ユダヤ人と乃木希典を中心に描かれている。

    ユダヤ人は迫害された歴史から、迫害にあがらうべく、敵の敵を応援することで自らを守ろうとする。

    乃木希典は、優秀な参謀に恵まれないと、全て敗北することを教えてくれる。今の自分の仕事でも思うが、人材配置こそが勝ち戦のための重要なファクターだと思う。

    農牧民族の日本には、自然の摂理に従うことを生業としていたことから有能無能がないため、狩猟民族に劣るし、考え方も違うというのはそうだなあと思う。

    一小国のロシアが強いのは、軍を持っているからというのはなるほど。軍なくして、強国にはなれない。

  • 日露戦争開始。日本海軍はロシア海軍と対峙するが、ロシア海軍は要塞旅順に籠り、バルチック艦隊と合流し日本海軍を撃破する作戦を取る。しかし、本国からウラジオストックへ行け命令が出たり、陸軍からの批判があったりしたことでウィトゲトフは旅順を出ることとなる。そこで東郷率いる日本海軍と戦い日本側は全艦を沈没させることはできなかったもののロシア海軍に大きなダージを与えることとなる。一方陸軍は遼陽、沙河でロシア陸軍と対峙する。少ない砲弾や兵員の中苦戦しながら、またロシア陸軍を率いていたクロパトキンの安全を期し過ぎる性格もあってロシア軍を後退させることに成功する。一方旅順を攻める乃木希典率いる陸軍は無能な参謀伊地知などのせいで多くの兵士を無駄死にさせてしまう。この旅順の攻防は読んでいてイライラするところ。なぜ伊地知はあそこまで頑固になって海軍や児玉ら上層部の案を聞かず正面突破しようとしたのだろうか。彼がいなければあれほどの人数が死ぬことなどなかっただろう。海軍からした203高地を早めに取り相手の海軍にダメージを与えるだけでバルチック艦隊にたいての準備ができるだけなのに。
    バルチック艦隊の話も滑稽。ロジェストヴェンスキーがとてつもない臆病者で日本海軍が北海にいるはずもないのに、警戒してましてや一般の漁船を敵と見間違えて攻撃するなんて。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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