新装版 翔ぶが如く (1) (文春文庫) (文春文庫 し 1-94)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105945

感想・レビュー・書評

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  • 老後の楽しみに取っておこうと思ってたけど、つい読みはじめてしまった。司馬遼太郎の文章は文体はもちろん、脱線の仕方まで心地よい。

  • 何年か前、誕生日に父親が全巻送ってくれた時は びっくりしたものですが、全10冊。時間かかった。。。あしかけ、3年はかかったんじゃないでしょうか。9巻くらいはここ数か月で読んでしまったわけですが、とにかく長かった。。。

    西南戦争が勃発するのが、8巻。ここに至るまでが8巻で、これからまだまだある、のである。司馬遼太郎さんの歴史への愛情を感じる、細かい描写と、尽きることのない余談。英傑たちの生き生きとした姿に魅せられました。
    おそらく、ですが、二度と来ないであろう、この時代への郷愁がにじみ出ていたよう。200数十年の封建社会を打倒する革命を成し遂げ、諸外国に対抗しうる独立国を打ち立てる、という歴史に立ち会うことができた英傑たちへの憧れをして、この大小説を書くに至らしめたに違いない。(司馬風)

    当時の人たちは、西郷の姿を見たものはまれであった。彼の姿を知ることなく、戊辰戦争の奇跡的勝利や江戸城の無血開城をして、彼をほとんど神に近いほどの威光を与えしめたのである。しかしながら、彼と向かい合って、その魅力に触れたある士族の述懐。
    「一日かの人に接すれば一日の愛生ず。三日かの人に接すれば三日の愛生ず。しかれども予は接するの日をかさね、もはや去るべくもあらず。いまは善悪を超えて、この上はかの人と死生を共にするほかない 」

    布団の上で死ぬよりは、戦場で死にたい。今聞けば、冗談みたいな発想を、無邪気に信念として持っていたのが薩摩隼人だった。西郷を担ぎながら、その美学の昇華を願って、従軍した多くの薩摩隼人の純粋で、ひたむきな姿は、時に滑稽で笑えてきます。これがほんの百年前の同じ日本で起きたことだと思うと、感慨深いものがありますね。
    近くで、戦闘がおこっていることを聞いた薩摩軍のある小部隊は、とにかく、身近で戦闘がおこっていることへの興奮と、遅れまいという焦りに、、、

    「駆けんか。戦さ(ゆっさ)に遅るるぞ。」
    と、たがいに声をかけつつ走った。
    それも、ほとんど道なき道をとった。あぜ道を駆けたかと思うと、山に登っている。

    歴史小説の金字塔ですね。読了。

  • 全巻読みました。とりあえず、大河ドラマとは別物ですねえ。桐野利秋が好きなんですが、司馬さんの桐野描写にはいささか違和感があります。まあ主役ではないから仕方ないのですが。軍人としての桐野だけではなく、農人としての桐野にスポットの当たった作品も読みたいです。あと、余話多いです。それも味ですかねえ。

  • 10巻まで読了済み。小説というよりは教科書っぽい感じ。近代国家と前近代が交じる明治初期の偉人たちの思いの交錯。

  • 昔やってた大河ドラマのように、西郷さんの伝記物かと思っていたら、維新後の征韓論から西南戦争の話だった。
    読むのに時間かかるけど、頑張って読破します。

  • 明治という近代から現代への過渡期の話。時代を動かす英傑が沢山いる。

    明治維新を終え、一気に現代へひた走る日本の状況が良く分かる小説だ。

  •  明治維新が革命であったのだと認識を新たにする。政権を天皇に戻す大政奉還を果たした西郷どんは革命家なのだ。ならばなぜ、チェ・ゲバラのようなTシャツが売られていない。毛沢東語録本のようなものが売られていない。人の国のことよりはまず、自国の革命家をよく知るべきなのだ。義務教育で、そこのところを詳しく教えるべきなのである。

     ちなみに、西郷どんの顔がプリントしたTシャツを着て歩くには勇気がいる。西郷語録本はジュンク堂に行けば手に入るのかもしれない。10巻完読したら探してみたくなるのかな。

  • 1?5巻読了。西郷下野、私学校、台湾出兵あたりまで。西郷隆盛という人間像を描き出すために、彼の周囲の人物、出来事を深く掘り下げている。印刷したい面の周囲を掘る版画のような描き方が非常に新鮮だった!

  • 8巻までぐらいは人物紹介などがほとんどで痛快さを感じないが、明治維新から日清・日露戦争前までの歴史観を埋める意味では読んでおく必要があり、西南戦争やその他の士族の変や乱がなぜ起こったのか再認識させられた。熊本城、田原坂の戦役は地元出身者には位置関係が把握でき、激戦の様子が手に取るように伝わってくる。
    歴史の表舞台にあまり登場しない熊本協同隊(宮崎八郎)の奮戦が描かれており興味深い。
     西南の役最後の激戦の地、城山には翔ぶが如くを手に、何度か足を運んだことがあるが、桜島が目前にあり雄大でいつも勇気をもらう。そして西郷隆盛も最後にこの桜島を目にしたのかと思うと時代の流れを感じると同時に、先人たちの残した軌跡の上に今の平和な時代があることを痛感させられる。
    最後に司馬先生が4年数か月をかけて執筆された翔ぶが如くを史跡を訪ねながら読ませていただきましたが、最後まで西郷隆盛という人物のことが分かりませんでした。

  • 【MM198 mylibrary マイライブラリ・アウォード!2007 2008/1/30】

    【第8位】『翔ぶが如く(1)~(10)』(司馬遼太郎著、文芸春秋、1975年)
         http://tinyurl.com/3dt4ry

     (コメント)大河ドラマにもなった司馬遼太郎の長編歴史小説の代表作。メインテーマは征韓論と西南戦争ですが、明治政府の誕生後の苦悩など、官僚制度の出発点なども随所に紹介されています。昨年『竜馬がゆく』を読んで以来、幕末・維新ものにどっぷり浸かってしまいました。昨年読んだものは、この『竜馬がゆく』以外のこれらの作品です。


    参考:『竜馬がゆく』http://tinyurl.com/y66dce →マイライブラリ・アウォード!2006【第1位】
        『最後の将軍-徳川慶喜』http://tinyurl.com/2494yp
        『吉田松陰』http://tinyurl.com/2ylvz4
        『燃えよ剣』http://tinyurl.com/ys8dm5
        『世に棲む日日』http://tinyurl.com/2bk6v7
        『花神』http://tinyurl.com/253xnc

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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