容疑者Xの献身 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 32386
レビュー : 2935
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110123

作品紹介・あらすじ

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。
ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 無償の愛・・・という言葉がある。
    はたして石神の花岡母娘に対する行為は無償の愛だったのだろうか。
    もちろん、石神は花岡に対して特別な思いは持っていたと思う。
    でも、それだけで犯行におよんだとは考えにくい。
    もっと強烈な、石神自身の問題だったように感じた。
    何も悪いことはしていないのに大学を追われ、教師としての情熱も持てずに、毎日を暮らしているだけの毎日。
    花岡母娘に起きた不幸な出来事は、表現は悪いが石神にとっては「またとない機会」だったのでは?と思う。
    誰かのために自分の知識を総動員して対応を練る。
    頼られているという実感、自分の存在意義をはっきりと意識させてくれる日々。
    死んだように過ぎていた時間が、再び動き出したような喜び。
    石神の中にはそんな思いがあったようにも感じた。
    湯川と石神の攻防が読み応え十分だった。
    先の先を読み、事件のシナリオを書いていく石神。
    そして湯川が解きほぐしていく石神のトリック。
    どうやら「純愛」というのが物語のキーワードとして宣伝媒体に使われていたようだが、個人的にはちょっとした違和感があった。
    石神の完璧な犯罪計画は、花岡母娘のためでもあったが、無意識だったとしても石神自身の存在価値というのが大きかったと思う。
    石神が沈黙することで得られるもの。
    それは、花岡母娘の脳裏から絶対に消えない自分の記憶・・・だった気がするから。
    穿った見方だな、と思う。
    もっと素直に「純愛」ってすごい!!という感想でもいいじゃないかと思う気持ちもあるけれど。
    「ガリレオ」シリーズの傑作は、いろいろな受け取り方ができる奥の深い作品だった。

  • 天才VS天才の頭脳対決!のような、ありがちな話ではなくて
    もっと深い話。上手く言えない自分がもどかしい。
    ここまで人が人を愛せるかなあ……。

    • sera007さん
      「上手く言えない自分がもどかしい」
      おっしゃるとおりです、その一言につきます。
      最高の本とめぐりあえました。
      「上手く言えない自分がもどかしい」
      おっしゃるとおりです、その一言につきます。
      最高の本とめぐりあえました。
      2012/09/20
    • 深雪美冬さん
      コメントありがとうございます!
      本当にこの作品は、最高の一冊だったことは
      確かなんですが、上手いこと感想が言えないと
      いうか、表現ができない...
      コメントありがとうございます!
      本当にこの作品は、最高の一冊だったことは
      確かなんですが、上手いこと感想が言えないと
      いうか、表現ができないですよね。
      こんな拙いレビューにコメント下さって本当に
      ありがとうございます。びっくりしました。
      フォローさせていただきました^^
      2012/09/20
  • ガリレオ
    ちょっと書き方が生々しくグロかった。
    まあまあ面白かった

    余談ですが2929こ目の感想でちょっと嬉しかった

  • ガリレオシリーズで長編の作品ですが、それまでのシリーズは短編だったので、サクサク読めて、長編はどうなるのだろうと期待して読みました。推理小説?と言えるのかと思うくらい奥深いストーリーでした。
    まさかガリレオシリーズで胸に刺さるとは、思いもしなかったことをよく覚えています。
    ストーリーとしては、「古畑任三郎」のように犯人はわかっていて、完全犯罪をどう崩していき、追い詰めるのかという展開ですが、どんどんページをめくるたびに「え?」と驚くところが多数ありました。読めば読むほど、改めて東野圭吾さんの凄さに感銘を受けたことを今でも記憶に残っています。
    謎解きを含めて完成度は高く、すべてを読んだ後に題名を改めてみると、切ないというか、儚いというか、純粋というか何とも一言では言い表せない愛の深さに惹きつけられました。
    東野作品の中では、必ず通ってほしい作品です。ぜひ一読してみては。

  • 読書初心者っす。読破2冊目

    東野圭吾さんの名前は前々から聞いた事があるなぁー程度の私ですこんにちは。

    率直な感想。め、めちゃくちゃ面白かった。。もっと早く読書習慣始めれば良かったと思うレベルでした。
    情景や心理描写が読みやすく、夢中で読んでしまった。。

    そしてタイトル通り、人間ってここまで献身的になれるものなのかと。切ないとか言葉では表せれない感覚を味わいました。

    読書初心者の私が言うんだから間違いない。最初はページ数に怯むかもしれないけど、読み始めたら止められない。普段本を読まない人にも、とてもオススメ。

  • 読み終わった後感動で胸が震えました。
    あやうく涙が出そうでした。

    容疑者Xの献身。
    タイトルからして一度見たら忘れないインパクトのあるタイトル。
    黒い表紙に赤いバラが一輪。
    その全てが感動に色を添えてると思いました。

    とにかく内容は何も語れません。
    下手なことを書いて少しでも小説の内容が分かるようなことはしたくないです。

    中盤から話の中に引き込まれて、小説の風景が見えてきました。
    登場人物の誰かになってこの本の中にいました。
    ここまで引き込まれるのは久しぶりです。

    実は私、東野圭吾さんの本の中でガリレオシリーズは好きじゃないんです。
    でもこれは別格だと思いました。
    まったく違う雰囲気だと思います。

    また、この作品は映画化されるようですが、作中の石神さんは私の中のイメージでは完璧に温水洋一です。

  • いろんな所で評価がよかったから買ってみた小説

    どうゆうトリックかわからず、最後は予想外のトリックはびっくりした。

    最終的にはちょっと悲しい感じに終わったが、天才同士の対決はいい対決だった。

    刑事の人はちょっと博士に頼りすぎのような気もした。

    「思い込みの盲点をつく」これを学んだ小説でした。

    • きのPさん
      映画化作品の容疑者Xもオススメですよ!!
      映画化作品の容疑者Xもオススメですよ!!
      2019/08/20
  • 今更ながら読んでみた。
    言わずと知れた東野圭吾のガリレオシリーズ
    めっちゃ有名すぎるものを避けて通る癖(悪い癖?)があるけど、ついに手を出した。
    「容疑者xの献身」
    評判通りの傑作!!!
    ミステリー小説ってトリックの出来栄えとかに固執しすぎてる感があり、事件に至るまでのヒューマンドラマ(ここ非常に重要

  • 映画『容疑者xの献身』はこれでもかというくらい放送されているのでネタバレを含んだレビューを掲載。

    『オール讀物』連載のときの作品名は『容疑者x』で、殺人事件=容疑者x+アリバイというxへの代入が要諦であるわけだが、では単行本化にあたっての「献身」とは何であったか。数学的要素と非論理的で情緒的な「献身」を組み合わせたのはなぜか。読み解く鍵は最後の石神の咆哮だ。

    石神は天才として穢れぬ純粋数学の世界に生き、穢れた現実社会に絶望し生きる意味を見失い自殺を図った。そのとき彼を救ったのは、彼が成し遂げられなかった現実社会で、純真に健気に生きる花岡親子の姿であった。石神が感じたのは恋や愛よりむしろ純粋数学と同じ神々しさであったのではないか。自分の絶望を超越した存在となった花岡靖子への畏怖。その瞬間から石神が選んだ役回りは靖子が永久にそう在り続けるよう尽くすことであった。

    石神の「容疑者x」の問題は、石神の問題であり、靖子の問題ではなかった。ゆえに花岡親子の完全性を担保できるはずであった、少なくとも石神の脳内では。しかし現実は常に出鱈目で矛盾に満ちた世界だ。不合理なことも起こる。石神の「献身」に神が答えた。自責の念の駆られた靖子の行動は、石神が神格化した靖子を汚し壊崩させてしまった、ひいては同位の純粋数学の神格性をも脅かす出来事であった。石神が最後の吐いた咆哮、それは絶望であり哀しみであり怒りであり、そして人間らしさを取り戻す希望的脱皮の雄叫びであった。このラストがなければ刑務所のなかで純粋数学の世界に生きたであろう石神、靖子の非論理性に触れることで現実社会に再び戻った。これは終わりではなく始まりであろう。

    というわけで直木賞受賞作品だけあって非常に面白いエンターテイメント作品であった。

  • 愛でできたミステリー。

    ミステリー作品自体を私があまり読まないため、謎が解ける部分は圧巻だった。

    読み終わってからは容疑者xの献身というタイトルのハマり具合が気持ち良かった。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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