容疑者Xの献身 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
4.20
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  • レビュー :2848
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110123

作品紹介・あらすじ

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。
ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 天才VS天才の頭脳対決!のような、ありがちな話ではなくて
    もっと深い話。上手く言えない自分がもどかしい。
    ここまで人が人を愛せるかなあ……。

    • sera007さん
      「上手く言えない自分がもどかしい」
      おっしゃるとおりです、その一言につきます。
      最高の本とめぐりあえました。
      2012/09/20
    • 深雪美冬さん
      コメントありがとうございます!
      本当にこの作品は、最高の一冊だったことは
      確かなんですが、上手いこと感想が言えないと
      いうか、表現ができないですよね。
      こんな拙いレビューにコメント下さって本当に
      ありがとうございます。びっくりしました。
      フォローさせていただきました^^
      2012/09/20
  • 無償の愛・・・という言葉がある。
    はたして石神の花岡母娘に対する行為は無償の愛だったのだろうか。
    もちろん、石神は花岡に対して特別な思いは持っていたと思う。
    でも、それだけで犯行におよんだとは考えにくい。
    もっと強烈な、石神自身の問題だったように感じた。
    何も悪いことはしていないのに大学を追われ、教師としての情熱も持てずに、毎日を暮らしているだけの毎日。
    花岡母娘に起きた不幸な出来事は、表現は悪いが石神にとっては「またとない機会」だったのでは?と思う。
    誰かのために自分の知識を総動員して対応を練る。
    頼られているという実感、自分の存在意義をはっきりと意識させてくれる日々。
    死んだように過ぎていた時間が、再び動き出したような喜び。
    石神の中にはそんな思いがあったようにも感じた。
    湯川と石神の攻防が読み応え十分だった。
    先の先を読み、事件のシナリオを書いていく石神。
    そして湯川が解きほぐしていく石神のトリック。
    どうやら「純愛」というのが物語のキーワードとして宣伝媒体に使われていたようだが、個人的にはちょっとした違和感があった。
    石神の完璧な犯罪計画は、花岡母娘のためでもあったが、無意識だったとしても石神自身の存在価値というのが大きかったと思う。
    石神が沈黙することで得られるもの。
    それは、花岡母娘の脳裏から絶対に消えない自分の記憶・・・だった気がするから。
    穿った見方だな、と思う。
    もっと素直に「純愛」ってすごい!!という感想でもいいじゃないかと思う気持ちもあるけれど。
    「ガリレオ」シリーズの傑作は、いろいろな受け取り方ができる奥の深い作品だった。

  • 読み終わった後感動で胸が震えました。
    あやうく涙が出そうでした。

    容疑者Xの献身。
    タイトルからして一度見たら忘れないインパクトのあるタイトル。
    黒い表紙に赤いバラが一輪。
    その全てが感動に色を添えてると思いました。

    とにかく内容は何も語れません。
    下手なことを書いて少しでも小説の内容が分かるようなことはしたくないです。

    中盤から話の中に引き込まれて、小説の風景が見えてきました。
    登場人物の誰かになってこの本の中にいました。
    ここまで引き込まれるのは久しぶりです。

    実は私、東野圭吾さんの本の中でガリレオシリーズは好きじゃないんです。
    でもこれは別格だと思いました。
    まったく違う雰囲気だと思います。

    また、この作品は映画化されるようですが、作中の石神さんは私の中のイメージでは完璧に温水洋一です。

  • 説定としては、さほど珍しいモノでは無いものの、特によかったというか面白かったというところが二つある。

    一つは石神の靖子に対するひとえの愛情であり、読みながらも大したモンだと思ったものである。
    だがこれが、数学者でどこまでも物事を論理的に思考する石神だからこそなのだと思うし、それを人間臭いかどうかまでは分からないけれども、湯川よりも面白いと言えるのかもしれない。「個人的にはであるが」

    しかし湯川が一切事件に関わらないで、草薙達、警察だけであったら容易に迷宮入りになっていたであろうが、その時は眠りの小五郎に任せるほかなかっただろうな(笑)

    それだけに計画の周到さや、言葉巧みに警察の捜査を誤った方向に意図的に誘導するところなどがスゴイだけに、もう少し完全犯罪まで成しえたであろう。

    ただ盲点だったのが湯川という存在と、同じ大学の同期であり、石神のちょっとした言動や仕草からカンずいちゃうところである。

    二つ目は事件の一連の謎が解けた湯川が、石神本人にしか
    分からないように言うセリフがある。

    「この世に無駄な歯車なんかないし、その使い道を決めれるのは歯車自身だけだ」というものだが中々イカスこと言うじゃないかと思ったものである。

    だがいずれどちらに転んだにせよ、元夫を殺した靖子に罪悪感は死ぬまで消えないであろうことで、現に最後の方で娘の美里が自殺未遂をやらかすところからでもそう言えるだろう。

    とりあえず小説版は読んだことだし、機会があったら映画の見てみようと思う。

  • 今や有名になったガリレオシリーズの長編。2005年直木賞受賞作品。
    緻密に散りばめられた事象が、最後のまさかの展開で繋がっていく。
    殺人ありの推理小説ですが、東野さんらしく、優しく切ない人間を描写していて、とても読みやすい作品です。

  • 東野圭吾のガリレオシリーズが好きで記憶は定かではないですが映画を見てから小説を読みました。「献身」という二文字にふさわしい純愛推理小説でした。自分の身を犠牲にし一方的に愛する人に「献身」する。純粋な愛とゆがんだ愛が混ざった映画と小説でした。

  • 最後まで読んで辛くなった。
    誰かが救われてほしかった。
    「人殺し」をした人に幸せになってほしいと思ってしまうのもおかしいのだろうか。

  • またもや東野圭吾にしてやられた。
    今度は騙されまいと注意深く読み進めたつもりだったのに、始めっからまんまと術中にはまってた。

    この人の作品には全く無駄が無い。人物や情景の余計な描写を極力省き、文章の全てをプロットの構築とその補強に費やす。何気無いエピソードの一つ一つが後々明らかにされる仕掛けの伏線となっている。その騙しの手法はまるで手品のようだ。読者を巧みに錯覚や先入観に誘導し煙に巻く。
    そして仕掛けが明かされた途端、まるで騙し絵を読み解いた時のような快感が待ち受けている。
    この作品でも、冒頭で語られる石神の人間観察力を示すホームレス達の描写も、実は重要な伏線として用意されたものだった。
    また、物語の骨格に登場人物達の友情や愛情を盛り込み、泣かせ所も忘れない。今回もラストで石神が慟哭する場面では、ともに涙してしまった。

    この作家の魅力は、欲張りな小説家達が求めがちなリアリズムや社会問題などに走らず、エンターテイメントに徹しているところ。そして練り上げられた鉄壁のプロットにウェットな情感を交差させ読者を作中に引きずり込む。

    あぁ、また東野圭吾に騙されたい...

  • 超頭良いけど恋愛経験ゼロな厨二病童貞が頼まれてもないのに一目ぼれした母娘のためにヒーロー気取りで色々頑張っちゃってたのに、突然出てきた自称友人のKYで変態な天才物理学者に色々ひっかきまわされて誰も幸せにならずに終わる話。

    としか思えん。
    純愛。どこが純愛なんだろう…。
    「こんなに深い愛情には出会ったことがない」とか書かれてるのもえらい興が醒める。それはこっちが勝手に感じ取りたいです。マジやめて。

    トリックなんかの外枠は面白いのに、中で実際に動いてる登場人物たちがみんな自己陶酔してるだけで相手のことなんか考えてなくて嫌になっちまう。
    罪の意識に押しつぶされちゃうほど善良で弱い人はさっさと自首させてやるのが親切なんじゃないですかねえ。幸せでいてほしいってのは石神が自分の願望押しつけてるだけ。

    湯川も湯川で「靖子が真実を知らないんじゃ石神が報われない」的なことを言いつつしゃしゃり出てきちまってるけど、それは靖子が自首した後に言えば良い話であって(美里が手首切ったりしてたし、湯川が話さなくても自首は時間の問題だったと思われ)友達のためを思うならあのタイミングでは決して言ってはならなかったことだと思うのよね。
    結局靖子に自首させてすっきりしたのは湯川だけじゃないすか。何だそれ。

    しかしキャラ造形がこんな雑なのにそれでも話は面白いってのはある意味すごいのかもしれん。
    映画を補完したくて読んだけど、補完したかった箇所は原作でも書かれてなかったわ。ざーんねーん。

  • ミステリー小説のなかで、生まれて初めて泣けた作品。
    文庫で読んだのに、単行本を購入したいとおもった初めての作品だった。最後の種明かしのところで、だいどんでん返しがあって、読み進めればよい進めるほど、のめりこめた作品。
    ミステリーやサスペンス小説の中ではピカイチ!

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