- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167174057
感想・レビュー・書評
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少年の孤独な闘いと成長。
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題材は主人公の弟が殺人をしてしまうという非常に暗いもの。
しかし、衣良さん作品独特のポジティブな印象を与えている。最初は読んでいて、テンポが遅かったが、徐々にストーリーが解明されていくにしたがって加速していった。
最近では多いが、殺人事件で加害者側の家族が直面する問題を改めて痛感した。マスコミや全国からの厳しい声は、誰もが耐えられるものではないだろう。しかし被害者の立場から見ると、それを同情することもできない・・・
しかし主人公は弟の罪を認めた上で、家族だからこそ弟を理解しようと動き出す。その姿は非常に好感を持てた。そして、その中で待ち受ける困難にも仲間とともに逃げずにぶつかり、それによって少年の成長が達成されるという青春小説の側面があるからこそすがすがしく読み終わることができた。
この小説に出てくる人物は2つの顔を持っている。そして、誰もが二重人格であると書いてあるところに印象が残った。たしかに誰もが見せることがない側面は持っているが、それがあまりに現代人は多すぎるような気がする。話の中で、主人公の仲間が隠していた事実を打ち明けてすっきりしていたように、自分を理解してくれる人をもまわりにいかに多く作ることができるのが大切だと主張しているように感じた。 -
こんな お兄ちゃんが いたらな。。。
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サスペンスとしても楽しめるし、社会小説としても楽しめるけど、でもやっぱりこれは中学生の友情物語だとわしは思います。ジャガはたった一人で事件を解決したのではなく、どんな逆境でも助けてくれる友達がいました。一人じゃ駄目なんだよなぁ。石田氏の小説は主人公のそばに必ず一緒に立ち向かってくれる友達がいます。
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11/9
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弟の中身が空っぽな感じが凄く理解できないようで、でも共感する部分もあって、何とも不思議な感覚になる本でした。
自分は少年犯罪が大きく取り上げられ始めた世代なので、その時その時の事件を思い出す事もしばしば。社会全体が歪んでいるのに、子供だけ歪んでるみたいに捉えられていた感じが凄く出てて何とも切ない。
でも、事件を追う中での友情や他人との関わり方(受け入れ方)が、主人公を成長させていくのがしっかり分かるのが良かった。ハッピーエンドではないかもしれない。でも、ちゃんと救われるので◎。 -
最後の解説も興味深かった。ブッククロッシング本。どこにリリースしようかな。
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結末が腑に落ちないって感想が結構ある作品。加害者家族の視点で書かれてはいるのだが、一つの事件にあって加害者も被害者もそれを取り巻く様々な人たちそれぞれに苦しみや哀しみがどっしりとのしかかるのです。皆わかっている事なのに毎日のように繰り返されるのはどうしてなのだろうか? 「大人になること。 正しさの基準を外側にではなく自分自身の中に据えること。」深く考えるべき一文である。正しさの基準を決して下げてはいけない。
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弟が殺人犯だと知った兄は。。。
家族とは何だろうと考えさせられる本。 -
5歳の妹と同じ年の女の子を殺した犯人は13歳の弟だった。
弟がなぜ、人殺しなんかしたのか、真相を探る14歳の兄の話。
14歳がここまで、冷静に行動できるとは思えなくてリアリティを感じられなかった。
殺人犯の家族に与えられた試練というには辛すぎるいじめのシーンは胸がつまったが、彼には素晴らしい友人がいたから乗り越えられたんだろう。
ただ、最後の方に真犯人というか、弟を誘導した人物がいて、結局その親が心中してしまったことで、なんとなく弟の犯した罪が軽くなったように錯覚するんだけど、殺人を犯した事実はかわらない。
著者がこの物語で伝えたかったことは一体何なのか、読み終わってすぐの今はまだわからないでいる。 -
中3
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勉強したい事がこういう系統のものも含まれてるので、すごく興味深かった。
まぁでも、彼らの最期はちょっと納得いかないかな…。 -
ニュータウンで起こった猟奇殺人事件の犯人は、13歳の少年だった。 家族が崩壊し、学校でも居場所が無くなった兄は、弟が事件を起こした動機を探ろうとする。 神戸の酒鬼薔薇事件に材を得て描かれた作品。 加害者の家族にスポットを当てるという、デリケートな問題に迫った点は、当時としてはとても新鮮だったと思う。 少し現実味に乏しいストーリー展開だなーと感じたが、時として現実は小説の斜め上を行くこともあるので(特に最近の少年犯罪は常識を凌駕した事件もあるし)、ある意味リアルかもしれない、と思った。 作者の願望なのかもしれないが、救いのあるラストが良い。
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刑法で裁かれない犯罪について感じることと、報道について感じること。いろいろ考えさせられるし、作者の伝えたいことに関しても気づかされた。読むのは二度目でしたが、再読してよかったな、とっておこうと思いました。
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もしかすると石田作品の中で一番好きかも。内容は重いんだけど、家族愛が身にしみます。
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図書館にて。
現代の物語だと思った。
でもちょっとご都合主義的?
あんなよくできた兄ちゃんはいないだろう。
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狭い学園都市(あってる?)で、自分の妹と同い年の女の子が殺され、犯人は自分の弟だった!・・・なんて・・暗い話になりそうなのに、石田さんの話はやっぱりどこか、救いというか、のんびりしたところがあって、あまり苦しくならずに読めます。これ、同じ題材を乃南アサさんや桐野夏生さんが書いたら、どんなふうになるだろう?って思います。きっと前者だと、どこかで弟の苦しみが描かれ、救われ、やりきれないせつなさが残り、後者だと、弟の暗い苦しみが本当にどす黒く描かれることだろうと、また家族の在り方なども描かれるだろうと想像します。石田さんのこの小説は、主人公(ジャガ)の素直でまっすぐな性格に沿って、物語も比較的おだやかに流れます。どれがいいというわけじゃないけど、石田さんのこの小説、大きなテーマ「弟を知りたい」というまっすぐな気持ちを中心に展開するところが、好きです。
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せんぱいに薦められて読んでみたもの。
はじめて読んだ石田衣良作品。
ミステリーチックで読みやすい。
ラストは少し腑に落ちず。 -
ニュータウンで9歳の少女が殺される。
犯人は主人公の弟だった。
いったい動機は何だったのか。
というあらすじ。
主人公の成長っぷりがすごい。
内容としてはすごく重いけど、読んでよかった本。 -
自分の弟が殺人犯として逮捕された中学生が主人公。
罪人の家族として、世間の冷たい風にさらされる日々。
被害者ではなく、加害者の家族という「弱者」に焦点を当てた作品。
ただラストは納得いかん。 -
はじめの方は頑張って読んでたんだけど、読み進めていくにつれて物語にがっつり引き込まれた。
やるせない。
石田衣良さんの小説はまだ2冊目だけど、この人の書く女のひとはかっこよくてすきだな。
すごく好みな本でした^^ -
思った以上に怖かった
ラストが衝撃的
いろんなところが面白い
弟…変わらないで弟… -
「ほんとうに大事な質問のこたえを出すのは頭じゃない、心なんだ」
「大人になること。正しさの基準を外側にではなく、自分自身の中心に据えること。」 -
石田衣良さんらしくない感じがした。
いや、面白かったんですけどね。 -
子供による子供の殺人が
そう珍しいことではなくなった昨今。
そういう事件の度に大人は好き勝手な見解を述べる。
大人が分析してわかるほど、
簡単じゃない。
子供の世界は。
自分も昔子供だったのに、
そういうのってわかんなくなってしまう。
読みやすい文章と、
緊張感のなか
あっという間に読み終わる。
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少年犯罪の話です。
正直、楽しい話ではないですが、
みんなに読んで欲しい一冊です。 -
結論忘れちゃって、何回も読み直したわー。
人間の思想とは?とか、親子のあり方とは?とか
いろいろ考えさせられる本でした。
また読むんだろなー -
石田氏の初期作品。
初の長編でミステリーらしいんですが,他の恋愛小説・恋愛短編に比べるとかなり見劣りします。
そこそこ面白いんですが,ミステリーは東野氏のほうがはるかに上手いと思う。 -
暗い気持ちになりますが
良かったです -
少年犯罪
子供の持つ独特の残酷さってかんじ