少年計数機 池袋ウエストゲートパークII (文春文庫 い 47-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174064

感想・レビュー・書評

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  • 読み慣れないむごさで、文章が目に入った瞬間思わず本を伏せる感じだった。しんどい。映像じゃないのに胸が気持ち悪くなるくらい。途中で読むのやめようかと思った。
    文章は詩のようにきれいなのにギャップがすごい。シリーズの続きを読む自信がなくなった。

    文章は全体的に表現豊かで、それを内から作り出せる作者は本当にセンスのある人なのだと思う。気持ちとか風景を表す言葉選びが新鮮でおもしろかった。
    描写の鋭さも作者の実力ゆえかもしれないけど、本当に酷いシーンがいくつかあって、読み終わった後にしばらくリセットタイムが必要だった。

  • 【2024年65冊目】
    池袋は今日も忙しい。画面の中の妖精に恋をして暴走する男、世界を数え続ける少年、ひったくり犯を追いかける2人の老人、そして、ひと夏の狂乱。真島誠と共に駆け抜ける池袋ウエストゲートパークでの物語。

    池袋ウエストゲートパークの第2作目は四つのお話で構成されています。一番好きなのが「銀十字」でした、人情にちょっぴりほろりとした気分になってからの「水のなかの目」との落差が地獄かと思いましたが。

    直感って結構大事にした方がいいのかもしれないな、と小説を読んでいても思うことがあります。なんだか腑に落ちない、すっきりしない、そんな時は必ず何かが隠されているもので、現実でもそうなのかもしれません。

    「水のなかの目」の彼は、現実にいると本当に一番嫌なタイプですね。できれば人生で関わりたくない、価値観がまるで異なるので、絶対に相容れない。けれど誠は「あの声が聞けないのは、今も残念だ」と形容していて、そうか、だから池袋で君臨できるのかと感心したりしました。

    酸いも甘いもある池袋ウエストゲートパーク。次作以降も楽しみです。

  • 全作品全部が面白かった。
    文体が独特だけど、粘っこくない爽快感があるから、回りくどさもあまり気にならないし、何より起きている事が重いけどファンキーで、やっぱり乾いている感じがするから、純粋にかっこいいと思える。

    表題作に登場するヒロキ君を始め、今回出てくる人物達もみんな魅力的でどっかおかしい。
    でも、根っこの部分に人間味をすごく抱えているから、ファンタジーでありながら身近に感じられるのがとても良かった。

    これからもシリーズを追って行こうと思いました。

  • 出てくる人がちゃんと生きていて良い。
    池袋が思い浮かぶ。

  • 1作目より心穏やかに読める作品。本作では主要メンバーの痛みが少なく前作よりは俯瞰して物語に没頭できる。それでも要所要所で惜しいキャラクターを失っていく。でもこれはあくまでも自身目線の感じ方。例えば老人が若者の公正を促した話は良かったと感じた。加害者は希望のある今後が予測される結末だったが、しかし被害者側はどうか。多角から物事を判断出来る様になりたい。

  • さらりと軽快な口調で語られていくのに、読後はガツンとくるものがあって、くせになりそう。前半の三話と最後の一話(水のなかの目)のギャップがまたよかった。

  • まぁ、タイトル読んだらすぐに気づくだろうに、もらった本で何気なく読んでいて、なんか人物が既にありきとして書かれているなぁと思っていたら、これの前作があったのね。若干の違和感はあるものの、前作を読んでいなくても冒頭の登場人物の紹介欄を見ると大体わかってくるので素直に読めた。
    ライトハードボイルドってどっちやねんって表現だけど、内容はハードボイルド、ストーリーはライト、そういう事だ。
    主人公の軽いニヒルな投げ言葉が文の終わりにちょろちょろと出てくるのがニヤッとなる。短編が何本か詰まっており、タイトルの「少年計数機」はふーんで終わり、あまり面白くないなぁ、やっぱり前作読んでないからか、前作で全部出し切ったのかなぁって思っていたが、後半の十字架の話と水の中の目の話は、ああ、これが作者の全力の姿だなってくらいに気迫が籠り、また、主人公然たらしめる本領発揮だなぁと夢中で読んだ。池袋ウエストゲートパーク、文中では西口公園。この公園を中心として悪ガキたちがのさばる新宿で人情とも任侠とも言えない果物屋の主人公の活躍はちょっと続けて読んでみたくなった。ああ、前作を読めってことかw

  • 振り返り読みです。

    改めて読み返すとこの頃の本シリーズはかなり刺激的な内容だったと思い返されました。

    1,2話はドラマの内容(登場人物に違いはあれど)とニアリーイコールです。
    3話目の銀十字は最近のストーリーに近い疾走感のある内容であっという間に読めました。

    そして締めの4話目。
    昨今ではあまりない、マコトの身近な人の命が失われるセンシティブな内容でした。

    登場人物それぞれに闇があるのもI.W.G.Pの特徴。

    それが色濃く表現されたストーリーに感じました。

  • 初めての石田作品でした。次のページへ進ませるお話でございました。

  • やっぱりこういう話(少年計数機)がIWGPっぽいよね…。人情物好きだ…。アニメでこういう話がなかったのは残念だったな…。
    ぼちぼちマコトのお母さんの存在感も出てきた気がする。
    四話目は危険度が高い盛り上がる話が定番なのかな。一貫と含めて八話分ちゃんと違う方向性の話になってるのがバランスがいいなあ。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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