- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167669089
感想・レビュー・書評
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2012/1
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重松清って、よくもまぁ小学生時代のことを覚えてるよなぁ~っていつも感心しちゃいます。
だけど、ほんとに読んだら似たようなことあったなぁ~っといつも思うから不思議。
小6の息子が教科書に載ってる「カレーライス」という題材。重松清で僕も読んだけどやられたなー、また。小学生目線で書かれた父と子のストーリーが僕には父目線で読んでしまってる。いい話だよ、機会があれば是非読んでください。
そんな息子にススメてしまった「小学5年生」これは小6にはまだ早かったかな?このいろいろと多感な時期を描いた話が小6にもあてはまり僕のような大人が読んで納得の内容だった。
どれもいい話じゃありませんか、重松さん。 -
久しぶりに重松氏の本を読んだ。
一時はたくさん読んでいたのだけれど、しばらく遠ざかっていた。
遠ざかっている間に、リズムが合わなくなってしまう作者もいるけれど、重松氏の本はとても読みやすかった。
どうして子供~思春期の若者の気持ちがこんなにリアルに解るのかなあ~?という感じで。
実際に、その年頃の子供の読後感を聞いたことがあったのだけれど、女の子の気持ちもリアルに表現されていたらしい。
私は“小学五年生”の気持ちは、今ももちろん、過去にも分かったためしがないけれど、これは、重松氏が永遠にその頃の気持ちを失なわないからこそ書けるお話なのだと思う。
またしばらく、重松氏の小説にはまってみようかな…と思いました。 -
幼いころの自分が抱えていた気持ちを懐かしく思い出しました。
子供のころの目線って今とは全然違うんだな。
全体的に切ない話が多かった。
子供のころ独特の喪失感。喪失感からちょっと立ち直る感覚。
自分の気持ちの出しどころがわからないし、恥ずかしくて騒ぎ立てたり。
もどかしい気持ちに、とても共感しました。
「カンダさん」「プラネタリウム」「バスに乗って」がお気に入り。
教科書で「タオル」という作品が採用されているけれど、他の話の方が子供の共感を呼ぶ気がするなあ。 -
小学五年生は、特別な存在である。
そう言っていいかもしれない。何しろ、時には送電線の鉄塔を辿って発電所を目指したり(銀林みのる『鉄塔武蔵野線』)、実の父親に「ユーカイ」されたり(角田光代『キッドナップ・ツアー』)、はたまた新興宗教を興した母親から離れて祖父と一緒に暮らしたり(椰月美智子『しずかな日々』)、遂には異世界に冒険に出かけたり(宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』)と大忙しです。※以上敬称略
第144回直木賞を受賞した道尾秀介氏は受賞作『月と蟹』の他、『向日葵の咲かない夏』でも小学五年生を主人公にしているのですが、受賞インタビューで、なぜ小学五年生を主人公としたかのかを尋ねられて、次のように答えています。
「やっぱり、こどもの少年の心の揺らぎを書きたいので。それを書くときに、たとえば3年生や4年生だと、なにか不幸、不運と対峙したときに、親を、大人を頼ってしまう。もう少し小学校5年生より上の小6や中1ぐらいになると、戦うすべをもっている。ゲームに没頭してみようとか、逃避の手段をもっている。5年生とか4年生って、まるっきり丸腰の状態なんで、そういうこどもたちが大きな不幸や不運に対峙したときに、どうやって戦うんだろうっていうのにすごく興味があるんですね。」
確かに、四年生は幼すぎ、六年生だと大人への一歩を踏み出してしまっている気がします。四年生で恋は早いように感じますし、六年生ではちょっと本気になってそうです。淡い子どもの恋は、やはり五年生になりそうです。そういう意味では、小学五年生というのは「絶妙に子ども」なのでしょう。
ベストセラー作家であり、中学入試・高校入試の最頻出作家でもある重松清にとっても、小学五年生は特別な存在のようです。
本書のあとがきで、重松氏は、「自分の幼さをさらすようで、ちょっと恥ずかしくはあるのだが、どうやら僕の中には小学五年生の少年がいるようだ。」と描いています。その「内なる小学五年生」の友だちとして描かれた十七人の「少年」の物語が、この『小学五年生』です。
弟をちょっと疎ましく、でも大事にも思う心情、学級委員選挙にかける心理、転校してしまった友だちとの友情の揺れ動き、家族の死に向き合う悲しみと雲間から差し込むような希望、心の中に小学五年生を隠している、嘗ての子どもたちなら、共感できるものばかりでしょう。そして、本物の子どもたちには、ぜひこの少年たちと「友だち」になって、その思いを共に味わって欲しいものです。 -
小学校5年生のいろんな男の子の、それぞれの物語。
甘酸っぱい気持ち、恥ずかしいけど意地を張りたい気持ち、でも甘えたい気持ち、いろんな気持ちにあふれてる。
重松清はこのぐらいの年齢や家族描写がすごくよいと思う。好き。 -
自分の中の小学五年生が
物語に激しく共感している。
重松先生の本は心のモヤモヤをいつもリセットしてくれる。 -
国語の教科書に出てくる重松清の短編集。小学校5年生である主人公「少年」の目線で話が展開されているところがおもしろい。読んでいると自分も5年生ぐらいのときにそんなことを考えていたなあと思い出せる、とても素敵な作品である。