時の渚 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 792
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167684013

感想・レビュー・書評

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  • 余命半年の老人から、35年前公園で見ず知らずの女性にあげてしまった実の子どもを捜してほしいと頼まれる元刑事の茜沢圭さん

    こんなにうまく話が繋がるわけないと思いながらも、面白く一気に読んでしまいました

    ワタシ的には、最後の告白は要らないかな…

  • 元刑事の探偵が、余命少ない老人の依頼で人探しを始めるが、自分の過去との接点が明らかになっていき…
    という感じだが、正直できすぎという気もする。いくつかプチどんでん返しはあるが、全く予兆がないか、読者が疑問に思う前に茜沢が疑問を提起してしまうので、ミステリ的な楽しみは少ない。

  • 刑事から探偵になって、自分の家族を殺した犯人を
    追う男の話…なんだけど、
    終盤、まさかの展開。
    なのに、それが空々しい効果音付きのような
    動的展開で語られるのではなく、
    極力抑え気味の静的リズムで語られる。
    そのために作品全体が持つドラマチック性が
    なくなっていることは否めないけれど、
    でも、たぶん案外思いもよらない事実が
    明かされるのってこんな風かも、と思う。
    そういう意味では、題材がまさかの展開を
    生むのに、全体の進行に写実的リズムを持たせている。

    華々しくないハードボイルド探偵小説。
    あ、ハードボイルドって華々しいのっておかしいですよね、じゃ、正統派ハードボイルド探偵小説なんじゃないかな、じつは。




    (余談&ネタバレだが…


    終盤の展開の本題も、少し前に賞をとった映画の
    主題と全く同じだけども、個人的にはこの本の決着
    の着け方がより現実的だと感じた)

  • 元刑事で、心に傷を抱えた探偵が、人探しと殺人犯の追求を並行して、ただひたすら聞き込み、調査していく。2度、3度の急展開、白地と黒地の反転あり。

  • 家族って良いものです。
    どんでん返しの連続で最後は。。。

  • 2014.3.11ー13
    余りに偶然が重なり過ぎている感は否めないものの、ストーリー展開.テンポ.人物描写とも良く一気読み。どんでん返しまで含めてよく纏まっている。

  • 暇だから……というわけでもないけれど、一気読み。

    笹本さんは久しぶり。PHSが登場したり、住基ネットが真新しいものだったり、時代を感じる一冊。

    主人公は“探偵”ではあるけれど、やってることは警察小説だな……と。


    さて、本題。

    二重に待ち受けられていた“真相”…

    …本筋の依頼完遂場面では、思わず涙。
    …主人公に関する真相で「なんだそりゃ?」と怒りが湧き…

    エピローグで、救われた(笑)。



    よって、1ポイント減で★4つ、8ポイント。
    2014.01.23.図。

  • 2014/1/24 Amazonより届く。
    2016/7/23〜7/26

    第18回サントリーミステリー大賞&読者賞受賞作。
    2年ぶりの笹本作品で2作目。
    映画にもなった山岳小説『春を背負って』で知った佐々本さん。いやいや、こんな上質なミステリを書かれていたとは知らなかった。ネタバレになるので詳しくは書かないが、次から次へと繰り広げられるどんでん返しにはやられたなぁ。また、登場人物のキャラクターも良く書き分けられていて、そのあたりは後作の春を背負ってを彷彿させる。次の作品を読むのが待ち遠しい。

  • 笹本稜平初期の作品。初期の笹本って冒険小説家のイメージがあるのでこういう地道な警察系探偵小説は珍しいのかな。

    都合の良い設定と、都合の良い謎がいっぱい詰まっていて「なんぼなんでも世の中そんなに自分中心には回らんやろう」と皮肉な目線を送ってしまいたくなるが、謎解きアリきのミステリーよりもなんとなく先が読めても、作者の意図通りに感動してしまうこういう小説のほうが読者には心地よいように思えた。

    ただし、小説の巧みさがあってこそのご都合小説である。これ他の小説家が安易に真似ると、多分視聴率一桁ドラマの脚本的イタい小説になってしまうと思う。そういう意味で笹本技量のすばらしさを味わえる小説。こっからさらに腕を上げていくのだから読ませる小説家の才能ってのはおそろしいもんである。

  • 偶然が重なり過ぎかな、
    最後は面白いが、やはりこの作者は冒険物の方が面白い

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著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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