民王 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167728069

感想・レビュー・書評

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  • 感情移入出来ず、淡々と読み終えた。

  • 池井戸さん、企業もの以外も面白い。
    政治って何なのか考えさせられた。

  • 「池井戸潤」の政治をテーマにしたエンターテイメント作品『民王(たみおう)』を読みました。

    『銀行総務特命』、『架空通貨』、『アキラとあきら』、『仇敵』、『オレたちバブル入行組』、『鉄の骨』に続き「池井戸潤」作品です。

    -----story-------------
    「遠藤憲一」×「菅田将暉」W主演でテレビ化されて大反響――

    『民王』伝説はまだまだ終わらない!

    夢かうつつか、新手のテロか?
    総理と息子の非常事態が発生――。

    「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。
    総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!?
    謎が謎をよぶ、痛快政治エンタメ!
    -----------------------

    先日読了した『鉄の骨』の後、2010年(平成22年)に刊行された作品で、2015年(平成27年)7月よりテレビ朝日系でテレビドラマ化されたらしいです。

     ■プロローグ
     ■第一章  御名御璽(ぎょめいぎょじ)
     ■第二章 親子漫才
     ■第三章 極秘捜査
     ■第四章 キャンパスライフ
     ■第五章 スキャンダル
     ■第六章 我らが民王
     ■エピローグ
     ■解説―有権者必読の書 村上貴史

    「この国には一億何千万人も人間がいるのに、何故漢字が読めないような人が首相になるのか」という「池井戸潤」の疑問が執筆動機になった作品とのこと、、、

    漢字が読めない首相を風刺するとともに、親子の中身が入れ替わるという荒唐無稽な展開で、大胆不敵かつユーモアたっぷりのエンターテイメント作品に仕上がっていましたね… 首相「武藤泰山」のモデルは「麻生太郎」らしいです。 


    首相の「田辺靖」がねじれ国会に音を上げて任期半ばで辞任してしまい、前任に続く辞任で与党の民政党の支持率はガタ落ち… そんな苦境の中、総理大臣となった「武藤泰山」が国会での質疑中に、ドラ息子で日夜に明け暮れている大学生「翔」と人格(心)が入れ替わってしまう、、、

    国政の混乱を避けるため、周囲には秘密のまま互いの仕事や生活を入れ替わった状態で過ごすことになるが、「翔」は政治に全く興味がなく、ろくに漢字も読めないため国会答弁も苦労する状況… せっかく用意された原稿も"未曾有"を"ミゾユー"と読み、"踏襲"を"フシュー"と読み、"所存"を"トコロアリ"と読んでしまう始末、、、

    そして、側近中の側近で内閣官房長官を務める「狩屋孝司」はスキャンダルが暴かれ大ピンチに陥る… 一方の「泰山」も、就職活動で面接官を偉そうに論破しては不採用になる等、苦闘することに。

    しかし、根は男前な「翔」は、真の政治家が大事にすべきこととは、社会で必要とされる大人とはどういう人物なのか、ストレートに問いかけることで周りを変えていく… 一方で、「翔」の就職面接を代わりに受ける「泰山」は、農業関係の企業アグリビジネスの面接官に逆説教したことが功を奏し、最終面談に進むことに、、、

    二人が入れ替わった立場で立ち回る姿を、ユーモアたっぷりに描くことで、笑いに包んでやんわりと社会批判をした風刺小説でもありますね… でも、入れ替わることにより、お互いに人間的に成長していく姿が頼もしく感じられるし、心地良く課題を解決していく姿に爽快感を感じるエンターテイメント作品でもありました。

    脇を固めるキャラも良い… 対立野党党首と入れ替わった美女「村野エリカ」、いつもピンチのときに現れる凄腕の公安刑事「新田」等の濃いキャラが満載で飽きさせないですね、、、

    笑いあり、感動ありの爽快感に満ちた作品… 現実もこんな風にすっきり問題が解決できるとイイですね。




    以下、主な登場人物です。

    「武藤 泰山」
     内閣総理大臣。
     民政党代表で、前任の2人が途中で投げ出したため首相になったが、周囲からは解散までのつなぎとしか思われていない。
     当初は彼なりの理想があって政治家になったが、今は派閥抗争などに明け暮れ、すっかり忘れてしまっている状態。
     党内や家族からの信頼も低い。自分では顔立ちに自信を持っているが、周囲からは「ひょっとこ顔」と言われている。
     とある事情で、息子の翔と人格が入れ替わってしまう。
     息子に代わって就職活動をすることになるが、傲慢で偉そうな物言いが嫌われ、ことごとく落とされてしまう。

    「武藤 翔」
     泰山の息子。日夜遊びに明け暮れる、今どきの大学生。京成大学に在学中。就職活動中だが、内定はまだない。
     やや粗暴なヤンキーっぽい性格で、政治には全く興味がなく、勉強も苦手。
     但し、若さゆえの純粋さや正義感もそれなりに持ち合わせている。
     父親の泰山と入れ替わったことで首相として振舞うことになるが、
     「未曾有」を「ミゾユー」と読んでしまうなど漢字もろくに読めないことから、バッシングの対象となってしまう。

    「狩屋 孝司」
     内閣官房長官。
     泰山の側近中の側近で、女性関係にだらしないところがあり、
     愛人に「女性器にバナナを入れられた」と暴露され、「変態バナナ官房長官」のあだ名をつけられてしまう。

    「鶴田 洋輔」
     経済産業大臣。泰山と同様、とある事情で、息子の航と人格が入れ替わってしまう。

    「鶴田 航」
     洋輔の息子。翔と同じ京成大学に在学しているが、彼と同じくバカ学生扱いされている。
     フォーシーズンズというサークルに所属し、春秋テニスにゴルフ、夏はスキューバ、冬はスキーとスポーツに遊び明け暮れている。
     翔と同様、父親の洋輔と入れ替わったことで経済産業大臣として振る舞うことになるが、
     しどろもどろの記者会見を泥酔した状態と誤認されてしまい、マスコミなどから顰蹙を買う。

    「江見 芳信」
     国土交通大臣。
     講演会で「日教連が強い国は学力レベルが低い」という問題発言をするが開き直ったため、就任5日で更迭されることになってしまう。

    「真田 武彦」
     防衛大臣。泰山と翔、洋輔と航の精神入れ替わりの原因を調査する。

    「蔵本 志郎」
     野党第1党、憲民党の党首。泰山のライバルで、バツイチ。
     泰山、洋輔と同様、とある事情で、娘のエリカと人格が入れ替わってしまう。
     人格が入れ替わった泰山(外見が翔)に娘のマンションに誘い、エリカと入れ替わった事実を語る。

    「城山 和彦」
     民政党城山派の会長で、大物の道路族。
     泰山も城山派の所属で、つなぎである泰山に対し早期の衆議院解散を迫る。

    「冬島 一光」
     野党第2党、共和党の党首。

    「南 真衣」
     女子大生。
     翔の同級生で、学生起業家でもあり、アメリカの医薬品や健康食品の輸入販売を行なう学生ベンチャー企業を立ち上げている。

    「村野 エリカ」
     翔の同級生。
     志郎の娘で、政治家志望の優等生。首相の息子でありながら政治に疎い翔を馬鹿にしており、翔を論破してやり込める。
     翔、航と同様、父親の志郎と入れ替わったことで党首として振る舞うことになる。
     前述の通り、両親が離婚し、母親の旧姓を使用しているため、父親とは苗字が異なる。

  • ドラマが良かったので、原作を読んでみました。
    そんなかんじです。

  • 能力に関係無しの世襲政治家考えるね

  • 政治物 スッキリとする内容で好みだった

  • ドラマ見てたからかな。そのまんまだったので・・・

  • テンポが良く一気に読めて読み進めていくうちに親子の絆が深まっていくおもしろい一冊。
    バナナに関しては本当笑った。

  • 一気見をしてしまった作品

    どういう結末になるか予想しながら読んでいても、予想通りにいかないのがまた良かった。

    義理と人情なんて考えが無くてもそれを1番体現してしたのは翔だったのかなと思ったら
    読もうか迷っているなら読んで欲しい一冊

  • 2014/06読了

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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