民王 (文春文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167728069

感想・レビュー・書評

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  • ある日突然、総理大臣の父親と漢字もろくに読めないバカ息子の意識が入れ替わった。
    何とも荒唐無稽な話だけれど、入れ替わってしまった後のふたりのようすが面白い。
    最初は戸惑ってばかりいた二人だけれど、世間に公表するわけにもいかず、それぞれ総理大臣や大学生として国会や就職試験に臨むことになる。
    いくらバカ息子とは言っても一応大学生。
    こんな漢字くらい読めるだろう!とつっこみを入れながらも、漢字なんか読めなくてもピュアでまっすぐな心を持ち続けている翔には好感が持てる。
    国家のことなんて二の次三の次、相手を蹴落とすことばかり考えている国会議員には翔が言っていることなんて耳に届かないだろうけれど。
    父である泰山も、就職試験のために書かれた志望動機を読んであらためて息子の思いを知る。
    表向きの企業理念と、内向きの理想なんて追い求めていたら経営なんか成り立たないと考えている実情。
    実際の企業にも当てはまるような話の展開に、ちょっと考え込んでしまった。
    綺麗事はいくらでも言える。
    でも、その通りにしていたら利益を求めるという企業の根幹が揺らいでしまう。
    その兼ね合いが難しいのだろうな、と。
    入れ替わったことで泰山は政治家としての初心を思い出し、翔はあらためて社会というものを考えるようになる。
    痛いところを突きながら、エンタメ性の高い物語にしているところが池井戸さんらしい。

  • あり得ない設定。
    いい意味で「ふざけて」?ます。面白いけど。

    漢字が読めない総理。酩酊会見した大臣。
    実在の人物を思わせるが、実は・・・(ネタばれになります)

    あり得ない。「?」で読み始めましたが、結局はまってしまいました。
    こういうのもたまにはありです。

  • 最初は失敗したかなぁ〜と思いながら惰性で読んでいましたが、徐々に引き込まれて結局後半はほぼ一気読みしてしまいました。

    入りが少しひきこまれずらかったかなぁ〜

  • Amazonオーディブルで聴いた。

    ちょっと笑えて楽しかった。
    狩屋がいいキャラだった。

    父親(首相)の周りの人(官房長官や秘書)が息子を「翔ちゃん」と呼ぶのが好き。

    ドラマは見てないけど、かなりキャラ設定が変わっているようだね。

    次は民王の続編に行くか、半沢直樹3に行くか。
    どうしよっかなー。

  • 政治家になってみようかな

  • ファンタジーなのかなと今まで寝かせ続けていました。
    確かにファンタジーなんですが、政治のこととかは現実あるあるで、その現実との寄せ方、見せ方がうまくあっという間に完読しました。
    このストーリーとしては完結していましたが
    続編もでているので、またこの世界観が楽しめるのではと期待しています。

  • 馬鹿馬鹿しいほどにおもしろい。とはいえ、おもしろくもない国会の質疑応答を聞くとこれもありだ。

  • 政界の問題点に池井戸作品らしくメスを入れた物語。

    総理大臣の父と遊び歩いている大学生の息子。
    お互いの生き方を軽蔑し合っていたが、中身が入れ替わることでそれぞれの立場を理解していく。

    まわりに忖度して政治をすることになってしまった父の体に息子が入り、頭は悪いが芯を持って発言することで父に変化が。

    息子は息子で遊んでばかりだったが、就職活動では息子なりに自分のことを考えていたことを父は知る。
    面接では会社を良くしようとしない面接官とぶつかってばかりだったが、息子の世の中を良くしたい気持ちに応えようと必死に話す。

    親子の体が入れ替わると言うあり得ない設定だけど、2人の気持ちが通じ合って芯の部分ではやっぱり親子なんだなと感じられる温かさが素敵です。

    2人を支える周りの登場人物たちにも優しさや個性が溢れていて読み応えのある作品でした。

  • 「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!? 一気読み間違いなしの政治エンタメ!
    (2010年)
    --- 目次 ---
    プロローグ
    第一章 御名御璽
    第二章 親子漫才
    第三章 極秘捜査
    第四章 キャンパスライフ
    第五章 スキャンダル
    第六章 我らが民王
    エピローグ
    解説ーー有権者必読の書/村上貴史(書評家)

  • ドラマ化されていて、そちらも面白かった。

    本のほうも面白かった。
    歯科治療がきっかけで入れ替わっていたり、政治家と娘息子が入れ替わって
    やり取りしているところが特に面白かった。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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