どれくらいの愛情 (文春文庫 し 48-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167772017

感想・レビュー・書評

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  • 最後の表題作がイマイチだったため、印象が悪くなったかな。
    というか収録順に段々出来が悪くなっている感あり、最後は読むのに一杯一杯。
    恋愛小説と銘打つものの、生き方の模索に主題があってそこに恋愛を絡めている(生き方=恋愛なのかもしれないが)。
    が、全体的に印象が薄くてこれと言った感想も特にないというのが本音。

  • 大人の恋愛を描いた中編集。
    30~40代が主人公だからか離婚、不倫、過去の傷など、みんな「いわくつき」ばかりで純粋な関係が出てこない。
    白石氏の年齢による価値観がこうさせるのか、今や初婚年齢が30代を超える時代なので,つまらない作品とは思わないがちょっと時代に合わない気がする。

  • 大人の愛にはいろいろな形があるけれど、目の前の相手を幸せにしようとしたり、離れていても相手の幸せを願うことが大切。そんな気がする。

    4作ともよかったのですが、ラストの表題作「どれくらいの愛情」が一番しっくりきた。導入部分の『解夏』の松村達雄のセリフ(あなたは本当に失明した瞬間に、その失明の恐怖から解放されるのです)が最後まで効いている。

  • まだまだこどもだからわからないこともあるけれど、きっとずっとすき

  • 初期の作品よりも小説の質が上がったな、というのが第一印象。

    どの作品も、根源的な心の動きについて、問いかけてくるものが多かった。
    特に表題作で、主人公と晶についての関係について先生が言ったことが、心の中に染みた。
    喪失の恐怖は、喪失するかもしれない状態で起こるもの。喪失した瞬間に恐怖は消えて、心の中に永遠に残る、といった内容だったと思う。
    また、「20年後の君へ」で出てくる安西くんの優しさと強さに心打たれた。読み終わってから和んだ。

  • 直感冴え渡り。
    まさに、今読むべきモノだった。とゆー感じ。
    ダーウィンの法則の最後のページでは、うん、そうだよね。と思ったりしないでもなかったかな。。

    大切な人の手は離してはいけない。
    目に見えるモノがすべてではないよ。
    例え離れ離れになっても、出会うべくして出会った人には縁があればまた巡り会えるんじゃないかな。

  • 久しぶりの白石一文。
    人の心情を映し出したり人間関係を描く文章は物凄く上手いと感じる反面、内容に偏りがあったりで、私的には読むには博打的なトライがないと出来ない作家さん。

    今回の短編集は、4編とも読み終わりが少し前向きで救われた感じ。

    表題作よりも、最初に掲載されている『20年後の私へ』が、温かくて素敵です。

  • 短編集。不倫の話ばかりなのが嫌なんだけど、はっとさせられる台詞が多い。舞台が福岡だから、色々想像できていい。何度も読み返してしまう本。

  • どの作品も愛情に溢れていて好き。少しずつ報われない、すれ違いもあるけれど、それを優しく包んでいるかんじ。表題作と20年後の私へは中でもイチオシ。

  • 初めの短編と表題作はとても爽やかな読後感が得られるお話で、間の2作はドロドロとした恋愛が書かれたお話。同じ文庫の中でなかなか毛色が違うなあという印象。とはいっても全て綺麗に昇華されていて、あまり不快感はなかった。

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著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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