希望が死んだ夜に (文春文庫 あ 78-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167913649

感想・レビュー・書評

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  • 『女子中学生が同級生を殺害した容疑で逮捕。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない』
    読んでいて、心が痛くなりました。
    最後の最後まで予想外の展開で止まらなかったです。

  • 読了後に目に入るタイトルが秀逸です

  • とても残酷な物語。

    結末がとても悲しすぎた。

  • こういう家庭がたくさんあるのかと思うと胸が苦しい

    文体があまり好きじゃなかったので星3つ

  • 面白かった。
    一気にすらすら読める作品。
    貧困と生活保護がテーマのフィクションやけど
    ノンフィクションでもあり得そうな話。
    ミステリー要素もあって面白い。
    ネガ(希)とのぞみだけじゃなく刑事の真壁の言葉にも注目。(p167)
    希望が死んだ夜みたいに真っ暗なこの国 って言葉も印象的。

  • フィクションだけどノンフィクションと言われても納得しそうな今の日本で起こりえる事件。お金がないと教育も満足に受けられない。夢も希望も持つことができない。貧しい生活が子どもたちを苦しめる。
    なんともやりきれない。

  • あまりに強烈な内容にページを捲る手が止まらず、一日で読み終えてしまった。しかし読んだのが一瞬であるにもかかわらず、この物語は今後の私の社会の見方を大きく変えてしまった。

    この小説のカテゴリーはミステリーであるが、それ以上に強いメッセージ性をもっている。それは、日本の貧困層の現状の残酷なまでの悲惨さである。

    「わかんないよ。あんたたちにはわかんない。なにがわかんないのかも、わかんない。」

    今日の日本社会において、貧困でないものはそうであるものの状況、心情を理解することはできない。理解したいと思っている者、手助けしたいと考えている者も、真の意味では理解することはできないのである。

    さらには、金を持つ者は持たない者を、意識的にも無意識的も蔑んでいる。例え、かつて持たざる側であった者でも、持つ側になってしまえば例外はない。

    「私より、貧乏人どもの言うことを信じるの?!」

    長谷部翼のこの台詞が全てを物語っているように感じられた。

    「希望が死んだ夜みたいに真っ暗ならこの国」で、我々ができることは何かを考えさせられ、そしてまた、まずそう思うことが自分の中に無意識的にも貧困層への蔑視が存在しているような気がして、心が苦しくなる。

    「わかんないよ」

    ネガのこの言葉が、いつまでも頭のなかで響き渡っているのである。

  • ミステリーというにはあまりにも胸が痛い、苦しい。


  • 希望が死んだ 夜みたいに真っ暗な この国で
    この一フレーズが物語の根幹

    貧困世帯の中にある更に過酷な貧困世帯の存在

    一部の富裕層、一般と呼ばれる世帯、
    貧困の中の更なる貧困と階層
    階層から転げ落ちてもなお仮面を被る事から
    目を逸らせない

    希望も持てない状況なのに、それを場違いな
    環境の比較する教師

    気遣いても、知らないふりをして
    自らを守る人たち

    生活保護への水際対応から生まれる救済されない現実

    過酷な生活の中、希望や夢をあきらめず
    前向きに生きる姿に勇気づけられ変わる心

    其々の抗えない立場の中、
    目を逸らさず向き合う存在が希望になる


  • 例のごとく、初めての作家さん。
    それも名前すら存じませんでした。故にどのようなジャンルを書いているかすら知りませんでした。
    フォローしてるYouTuberさんが帯にコメントを寄せていたから買ったというミーハーさ。
    しかも、表紙が表紙だけに、これを50超えたおっさんが読んでいいのか?
    その程度で読み始めた次第。
    この前に読んでいたのが、川上未映子氏の『ウィステリアと三人の女たち』だったこともあって、まあ気楽に読み始めることができたのは有り難かった。

    読み始めて早々に、この作品はミステリー系なんだと気づきつつも、なんとなくライトミステリーっぽいのかと思っていたら、いやいやとんでもない面白さにどんどん引き込まれていった。
    読後改めて背表紙のあらすじを読んで、”社会派青春ミステリー”との紹介に怒りに近い違和感を覚えた。
    この話のどこに青春という要素があったのか?
    中学生が主人公だから?
    もうなんかあっけにとられてしまう安易さが情けない。

    ミステリーなんで、ネタバレ的なことは書きません。
    読後爽やかにはなりません。かといって嫌悪感を抱く類でもない。
    『悲しい』という漢字ではなく『哀しい』を選ぶほうがしっくりくる気持ちになります。
    冒頭に書いた、帯に、「彼女を死に至らしめたのは社会なのではないか?」とありますが、
    そこは納得できないかなあ。
    社会じゃなく、「大人」だよ。
    「大人」が殺したんだ。それもひとりじゃなくふたりも。

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著者プロフィール

1978年生まれ。メフィスト賞を受賞し、2010年『キョウカンカク』で講談社ノベルスからデビュー。近年は『希望が死んだ夜に』(文春文庫)、『あの子の殺人計画』(文藝春秋)と本格ミステリ的なトリックを駆使し社会的なテーマに取り組む作品を繰り出し、活躍の幅を広げている。

「2021年 『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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