- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167913649
感想・レビュー・書評
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主人公たちに友情が芽生えていく過程が微笑ましく、でも2人の置かれている現実が厳しすぎた。
周りの大人が気づいて何かしてあげられていたら結末は違ったかもしれない。 -
ミステリというより社会派的な作品だと思う。貧困や生活保護、なんて重い作品なんだろう。
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先の読めない展開でどんどん引き込まれていき、ラストは衝撃の連続。あっという間に読んでしまった。
貧困問題をテーマとしているが、そこにミステリーの要素もあり読み応えがすごかった。
大人に振り回され、必死に生きる子どもがいるのだ。もがいてもがいて行き着いた先が絶望・・・。二人を救えるタイミング、いくつかあったよね?彼女たちの周りにいる大人がダメすぎる。誰にも救われなかった二人の末路に胸が締め付けられる。
読み終えたあとにタイトルの意味が重くのしかかってくる。希望=ネガとのぞみ。深いな・・・ -
結末が只々切なかった。
中学生にこんな窮屈な思いをさせる貧困問題は自分が想像してるものよりもっと重く悲しいものだと感じた。 -
子どもの貧困について書かれている本で、両手にトカレフも良かったけれどこっちも良い。
こういうときの子どもって無力で、大人の被害者なんだなって。自分を取り巻く世界はとても小さいのに、子どもにとっての世界はその取り巻く世界が全てになる
のぞみとネガの、キラキラした青春が眩しく、だからこその絶望が深い
物語の後半、特に第4章は、もうずっと泣いてた
こんなにも絶望が深いのに、作者は希望を願ってる2人の名前を、希望に代えて -
日本のどこかにこういう世界があるのかな…いや流石にないかな…と思いを馳せずにはいられない重苦しいプロット。だけど推理や娯楽のためではない生々しさが刺激的で一気に読んでしまった。
結末が分かっているだけに、途中、希望が見えてもホッとできず、感情が振り回される。主人公達が皆、根は常識人であることが更に無力感を煽る。
ラストの真相に、大人の感情が入ってきてしまった点だけが残念。最後まで大人は端役(元凶ではあるが)でいてほしかった。
ありきたりの設定、舞台のミステリーに飽きた方におすすめ。
また再読したい一冊。 -
中学生の冬野ネガは同級生殺害を認めるものの、動機については黙秘した。一見自殺とも思える現場で頑なに少女は殺人を主張する。
十二月六日、冬の廃墟での夜、彼女たちに何があったのか。子供の貧困問題をテーマに少女たちの希望と破滅を描いた社会派小説。
創作の世界ぐらい希望を持ちたいと思うんですけどね。タイトル通りの内容です。
貧しい中学生の主張する希望のない未来を生きる価値。それに対して健全に子供時代を過ごしてきた大人たちに説き伏せるようなアンサーは出ない。きっと日々読書に時間を費やせるような読者自身も冬野ネガにかける言葉は見つからないだろう。そして冬野ネガすら至らなかった裏の真相、それぞれの当事者しか分からない複雑な思惑がラストにミステリーへと昇華した。