- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784253171328
感想・レビュー・書評
-
この書籍には16編の短編が収録されているが、いずれも(科学が含まれることもあるが)人間の愚かしさが描かれている漫画です。
基本的にはバッドエンド。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
連作的な短編集,バッドエンド多い。書かれた年代を見るとガロを意識していたのかも(「電話」という作品にはつげ義春を読む主人公がでてくる)。だが、つげ義春の絵のほうが、生に密着している。
つげ義春は好き好んで暗いマンガを描いたわけではない、自己を正直に表現したら暗かっただけなのだ。
手塚のこの作品には、本来明るい自分が嘘をついているような露悪さが出ている。
ついでに、手塚のことをいろいろネットで検索していると
http://meloss.sakura.ne.jp/koubo/talk_in/
で色々と面白い話が。藤子F不二雄の全集が出たときはさすがにおちこんでいたとか、諸星大二郎の絵は描けないだとか、編集の判断で不完全な原稿が載って、それに涙したとか。
すごく人間臭くていい。 -
崖下の話が凄すぎる
-
短編がいっぱい入っています。
-
16作品の短編集。1968年〜1970年にプレイコミックに掲載された作品。50年以上前の作品とは思えない、現在でも決して古さを感じさせないものばかり。当時は虫プロのCOMと青林堂のガロが全盛期で、成年向け週刊誌が発行され出した頃でしたね。
-
様々な人間のドラマ。ひとつひとつに謎が秘められていて、
「それってどういう意味?」
「ここの秘密は?どうなってるの」
という不思議な気分にさせつつ、何とも言えない深いお話を読んだという読後感。
一話完結もの集。かなりおすすめ。 -
読まずに本棚にあったが、久しぶりにマンガでもと思い読んだ。手塚治虫の短編を初めて読んだ。
それぞれ、なかなかドロドロしたストーリーで飽きずに読めた。
読み終わって、手塚作品はSFであることに気付いた。本書が短編のため余計にそう思ったのだろうが、星新一のショートショートを思い出した。
そういえば、鉄腕アトムも原子力の子。星新一も、科学の悪の側面に視点を置いたショートショートだ。
手塚治虫もマンガを通して、人間のエゴを描き、科学への盲信に対する警鐘を鳴らしていたのだ。 -
1968年から70年にかけて秋田書店の
「プレイコミック」で発表された作品を集めた短編集。
個人的には「ロバンナよ」が一番のお気に入り。
近親相姦とか獣姦などの設定は手塚作品では頻繁に登場する。
そういえば「奇子」も「MW」もそうだった。
女性が悲鳴などをあげながら、拷問で痛めつけられる描写が出てきたり、
他にも、レズビアンやゲイ、バイセクシュアルやトランスジェンダーなどの
今でいうところのLGBTと呼ばれるものだったり、
ロリータコンプレックスだの欠損人間だの白人至上主義だの、
いわゆる社会的な「タブー」のような存在を
手塚治虫はテーマとして好んだのだろう。
手塚治虫はとても厭世的な考えを持つ人だったんだろう。 -
2.1 ジョーを訪ねた男 2.2 野郎と断崖
2.3 グランドメサの決闘 2.4 うろこが崎
2.5 夜の声 2.6 そこに穴があった
2.7 カメレオン 2.8 猫の血
2.9 わが谷は未知なりき 2.10 暗い窓の女
2.11 カタストロフ・イン・ザ・ダーク
2.12 電話 2.13 ロバンナよ
2.14 二人は空気の底に
バットエンドが多い連作短編集。
ホラーやミステリも多い。
「夜の声」休日の夜は乞食の格好で街に出る社長が出会った女と恋に落ちるが…
「ジョーを訪ねた男」白人至上主義の差別男が、戦争によって黒人の臓器を多数移植され…
「野郎と断崖」
強盗犯が若い夫婦と赤ん坊を人質に断崖に立てこもるが、衰弱していく赤ん坊に男は…