きみのために棘を生やすの

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 316
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309022963

感想・レビュー・書評

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  • 戦地に行った許嫁を裏切って、空襲の襲うなか他の男との関係を持った若き記憶。―窪美澄
    女たらしと周りに言われながも飄々とするなかで唯一嫌いだと言ってきた女。―千早茜

    発情して無精卵を生む文鳥とうまくいかない恋愛の連続。―彩瀬まる

    奪われることだけに快楽を得るから、過ちを繰り返す日々。―花房観音
    芸能界で、光り輝く前のたまごたちをついばむ衣装さんの欲望。―宮木あや子

    お、おうって感じ。
    棘を生やして、盾にして時にしたたかに強く、生きる女。

    千早さんのが一番きみのために棘を生やすって感じだった。)^o^(

  • 女性作家が女性の為に書き下ろした、匂いたつ珠玉の恋愛官能アンソロジー。
    窪美澄、千早茜、彩瀬まる、宮木あや子、花房観音、みんな好きな作家だった。

    テーマが「略奪愛」ということで、横恋慕や心変わりなど、ほんの少し脇道にそれた恋愛が描かれています。
    なかでも印象的だったのは彩瀬まるさんの「かわいいごっこ」。
    ぬいぐるみみたいにかわいい小鳥が、うさぎが、生き物(寧ろナマモノ)だと気づいた時の、あの生々しさよ!
    それは女の子にもあてはまるんだよなぁ…。色んな意味で揺さぶられる内容でした。

  • 窪さんの名前とタイトルに惹かれて。読後に後からテーマが略奪愛だったと知る。どの作品も見事に痛々しくて文体も揺れなくて、短編集なのにじっくりと一作一作読めた。特にかわいいごっこ、卵を産む鳥と孤独感を混ぜるとは思わなかったし、結局は何も手に入らないことに気づくあたりが何故かリアル。

  • 女性作家5人による略奪愛を描いたアンソロジー。タイトルにある女の棘に男達が翻弄される様が生々しくたまりません。この作品に登場するどの男にも共感しながら読了。毒や棘のある作家さんばかりのお話は面白かった。

  • もっと厭らしい感じの作品ばかりかと思っていましたが、下品さはなかった。
    二作がなかでも突出してよかった。

    「朧月夜のスーヴェニア」窪美澄
    どんな意地の悪いばあさんの話かと思いきや、読み終わった頃にはすっかりしんみりしてしまった。戦時中は実際にこんな叶わぬ恋や愛する人との死別も沢山あったのだろうなぁと思い、ノンフィクションのように感じた。本作が一番ドキドキした。

    「かわいいごっこ」綾瀬まる
    弘樹とこのまま上手くいくのかと思いきや、、すれ違い、あっけない別れをした時は自分が若菜に感情移入していることに気づいた。
    男性の自分では決断ができない、人任せな感じ、すごく経験がある。それ故でもあります。
    ラストの文鳥のツンデレっぷりにもっていかれました。

  • 帯によると略奪をテーマにした官能アンソロジー。
    今話題の豪華なメンバーによるものです。略奪と聞くと「奪い取る」イメージが強かったのですが、この作品は、自分が生きていくために、生きる上に、本能のまま行動しているという感じでした。窪美登さんと花房観音さんの作品はぞくぞくっときました。
    女性のための官能といえばいいのか、そこまできわどくあるわけではなかったので、読みやすかったです。

  • 千早さん目当てでしたが、「略奪愛」がテーマのアンソロジー、しかも5人中3人がR-18文学賞受賞、他の2人も泉鏡花賞や団鬼六賞受賞者…ツワモノぞろいですがなー(^^;;
    結論から言うと、文章も内容も非常に芳醇&濃厚で、とてもよかったです(*^_^*)
    恋愛モノも女同士のドロドロも苦手だけれど、このアンソロジーにはそれらの要素はほとんどなく、正々堂々いっそ清々しいまでの官能さがあるのみ!
    一歩間違えば「アブナイ女」ばかり?いえいえ、これぞ女の生きる道。なんかもう、すごい爽快な読了感でした(*^-゜)b
    文庫化したら購入したい。
    お気に入りの千早さん、宮木さんはもちろん、初読みの窪美澄さん、彩瀬まるさん、花房観音さん、全ての作品が良質でした。
    甲乙つけがたいけれど、「それからのこと」がベストかな。「かわいいごっこ」「蛇瓜とルチル」もいい。
    朧月夜のスーヴェニア/窪美澄
    おばあちゃんだって女なんです
    夏のうらはら/千早茜
    狭い町での不倫ごっこ。嫌いは嫌いじゃないんです。
    かわいいごっこ/彩瀬まる
    文鳥なんかに負けないぞ。
    それからのこと/花房観音
    その瞬間だけのために女は生きているのです。
    蛇瓜とルチル/宮木あや子
    出ました鉄板アイドルもの!すっかり市民権。

  • 略奪愛をテーマに人気女性作家さん達5名の恋愛官能小説。お気に入り作家さんばかりの夢の共演に発売前から楽しみにしていました!R-18文学賞受賞者も多いので性描写も結構あります。生々しく熱を帯びた感じでドキドキしちゃうところもあるのですが読みやすく一気読みでした(´▽`*)花房さんのみ初読みでした。特に印象に残ったのは窪美澄さん『朧月夜のスーヴェニア』千早茜さん『夏のうらはら』。彩瀬まるさんはこの5編の中では可愛い感じでした!それぞれの作家さんの個性が発揮されてとても楽しめました☆シリーズ化してほしいです♪

  • 今、人気の女性作家陣5人による恋愛と官能を織り交ぜたアンソロジー。窪美澄の『朧月夜のスーヴェニア』は時代が違えど、私自身も同じような恋愛をしていたので感情移入をしてしまい、読みながら辛くなってしまった。いろいろな事情で愛する人とずっと一緒に過ごす事が出来ない苦しみというのは計り知れない。その人が良いわけで他人では埋める事が出来ない。とても切ない。窪美澄の作品ってやっぱりいいなと思った。他の作家の作品も良かったのだが窪美澄を読んだ後という事もあり、他作品があまり心に響かず。

  • ああ、わかるなあ~。
    登場人物のこころの揺れがよくわかる。
    自分に重ねてじっくり味わうように読み進めた。
    こういう話、好きだなあ・・・。

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著者プロフィール

窪美澄(くぼ・みすみ)
1965年東京都稲城市生まれ。カリタス女子高等学校卒業。短大中退後、広告制作会社勤務を経て、出産後フリーランスの編集ライターとして働く。2009年「ミクマリ」で第8回R-18文学賞大賞を受賞し小説家デビュー。2011年、受賞作収録の『ふがいない僕は空を見た』(新潮社)で第24回山本周五郎賞受賞、第8回本屋大賞第2位。同作はタナダユキ監督により映画化され、第37回トロント国際映画祭に出品。2012年、『晴天の迷いクジラ』で第3回山田風太郎賞受賞。2018年『じっと手を見る』で直木賞初のノミネート。2019年『トリニティ』で第161回直木賞、二度目のノミネート。

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