シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと

著者 :
  • 河出書房新社
3.87
  • (38)
  • (54)
  • (33)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 582
感想 : 57
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309028705

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 花田さんはとても真面目な人だ。
    物事を自分がどう受け止めてどう考えるべきかということを考えて考えて、それを言語化することに長けた人だ。
    言葉に魂の重さがある。
    どうしたらこんなに、心にピッタリとはまる表現を紡ぎ出せるんだろう。
    考えるということ、言葉にするということの重みを知っている人の文章は読んでいてとても心地よい。

  • 2人の子供にとって、どのように接するのがいいのかすごく悩んでおられて、愛情が伝わってきました。
    こんなにも悩むのは、ご自身が親御さんから受けた教育に縛られていたからかもしれないけど、子供は教えられたことを無条件に正しいと信じるわけでもないから、母親じゃないからとか思わずにもっと花田さんの考えを聞かせてあげてもいいんじゃないかなと思いました。

  • 花田菜々子さんの二作目の作品です。

    花田菜々子さんとはヴィレッジヴァンガード、二子玉川蔦屋家電、パン屋の本屋、に勤めて日比谷コテージの本屋の店長を務めている方。

    わたしがこの人を知ったのはインスタのおすすめ本で「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」て本を読んでからです。
    これはほんと題名そのままの内容なんですけど、花田さんの考え方、が世の中の常識と微妙にずれていて面白くて興味を持ちました。

    二作目が出てるとは知らず見つけてテンション上がってすぐ読んだところ…


    二作目の方が面白い!
    というかわたしにハマる感じがしました。

    これまた題名そのままの話なのですが、相手の子供の心の機微を、部外者の目から見て考察されていて、勉強になります。
    特によく描写されてるな、と思ったのが相手の子供、ミナトが花火大会でなかなか花田さんと合流目できずにイラつくところ。
    ーーーーーーーーーーーー
    もう少し楽しい気持ちでいてくれればいいのに、そんなふうに怒らなくていいのに、と思う気持ちとともに、なんだかミナトの言葉にならない怒りがわかるような気がして、人が多くて進めないミナトがもどかしくもあった。少し前までは不満や不機嫌は父親に泣きつくことで表現していたのに、もう今はそれもできなくて、でも自分の感情をコントロールひたり自分の気持ちを伝えることもできず、行動も制限されて、思うように生きれない。結果的に走れない場所を走ろうとして前に進むこともできなくて。
    ーーーーーーーーーーーー

    なんだか自分の中学2年とかそれくらいの気持ちを思い出して不思議な感覚になりました。
    その他、結婚は必要なのか、とか、挨拶をしなさい、と強要することは親のエゴなのでは?とか、世の中で正しいとされていることを本当に?それってわたしの基準だと本当にそうなのか?ということを書かれていて、面白いです。
    題名やバックカバーからするとライトなエッセイな印象を受けますが、書いてあることは考えさせられるし深い、素敵な話です。

  • 自転車を走らせてくら寿司に向かう4人は家族に見える。見えるなら家族だー子供たちに向き合う姿がとても愛情深い。花田さんはミナトとマルちゃんの最強サポーターになったんだ。

  • おもしろくなかったわけじゃないけど、なんか「うわ、めんどくさい人だなぁ・・・」と思った。
    今ハヤリの「繊細さん」ってやつですね。「本好きである」ということが、自分にとって一番かつ最大のアイデンティティの人にこういうタイプが多い気がするなぁ。
    こういう人たちって、非常に面倒くさいこと考えている割に、それを人に伝えることは完全に放棄していたりして、さらに面倒くさいことになっている気がするんだけど、この人は割と伝えようとしているかなと思った。

    パン屋の本屋、って日暮里にある本屋のことかな?
    あの本屋はとてもいい本屋だと思ったけど、違うのかな。

  • 前作も超絶面白かったけど、こっちもこっちで、じんわり自分の輪郭が見えてくる、対話できる本でした。自分にとっての家族とはなんなのか、家族的存在を持とうとする気持ちの正体は、など、いろいろな問題・問いを自分にも投げかけられている。
    結婚子育てのあり方を再考したい人や「自分の子ども」に対して何かモヤモヤする人におすすめ。

  • すごくよかった、一気読み。

    結婚、恋愛、そして子育てに関するあらゆる「当たり前」のフィルターを外して、目の前のパートナーや子どもたち、自分の心の動きをつぶさに観察する。まずは受け入れる。(作品中で微細な心の動きを「電流」と表現していて、まさに、という感じ)

    そんな花田さんの視点を通して、「自分は?」と問われているような感覚だった。

    それから印象的だったのは、花田さんに性教育や暴力構造の知識があり、子どもたちとの関係性の中で慎重になっていたこと。

    血の繋がった親子であっても(だからこそ?)このあたりの知識と自覚は、子どもの尊厳を守るためにとても大事だと思った。自分が家族を持つことになったら、もう一度読みたい。

    #花田菜々子
    #シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた家族とは何なのか問題のこと
    #読書 #読書記録

  • 花田さんの本、出会い系〜に続き2冊目。本のテーマにハマる問題を抱えているわけではないけれど、花田さんの体験を通してきっとまた新しい視界とそれに絡めて読みたい本との出会いがある気がして買うつもりでいた。去年RENT公演で観劇前にパンフを購入する際、日比谷コテージでの購入もできた為、初めて店を訪れ、この本もそのときに一緒に買った。花田さんが店内にいらっしゃるのではとそわそわ。
    結婚のかたち、血の繋がらない家族のかたち、家族となる人との関わり方について自分で自分を見つめる時にもしかしたらヒントになってくれそうな本が、状況に合わせてさりげなく散りばめられている。読んだことのある本の一節に力を貰う事があると思う。そういう本が持っている背中を押す力を誰より信じていらっしゃるのではないかと思う。なので、花田さんの本を信頼します。
    お付き合いしているトンさんの息子ミナトとマルちゃんの見逃していまいそうな変化を丁寧に綴っている様子は、世の中のお母さんが日々感じている子供の成長や変化を受け止める感覚と全く同じように映る。私は母親ではないのでそれは同じだと言い切れないけれど、子供の姿を見つめる眼差しそのもののように感じる。
    自分がどういう形をしているか知る事が一番の幸せ、というフレーズに全く同意です。知る為の実験の手助け、孤独な闘いにおける応援、それこそ本が与えてくれるチカラ。

    トンさんミナトマルちゃんと深く関わる前と後、冒頭と最後に花田さんと立ち位置的に同じタイプのN氏と語るシーンで挟んでいるのだけど、トンさん家族との距離感が現在地からどれだけ遠いか、近いかをわかりやすくみせてくれたように思う。現在地が、どこまでも誰かの◯◯ではなくて個なんだと思う。孤独だと思うけど、だから人と深く関わる時の喜びとか、理解し難い時の苦しさすら貴重に感じられるのかも。

  • 赤裸々すぎてこっちが心配になるくらい
    共感することばかりではないけど、
    描写が的確ですごくスッと入ってくる

  • 「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」は題名で勝負したと思われ、それが功を奏してヒットしましたが、内容自体も読んだ事が無い内容でとても興味深かったです。
    本作も、前作の題名の衝撃性を受け継ごうとした節がありますね。
    内容的にはちょっとふかし気味というか、普通に子供の居る男性とお付き合いして、子供と触れ合っているという状況なので、さらっと読めるしさほど何かが起こるわけではないです。格闘というほどでもないけれど、結構子供と触れ合っていて微笑ましいです。

    家族の定義という所を議論すると色々とナイーブな部分にも触れて行かなければいけないのですが、彼らは家族未満でこれからどうなっていくのかという所で、物語は閉じられていきます。「家族」という単位に一石を投じるには少々経験値の浅さを感じます。とりあえず面白い経験だし本にしちゃおうかな。という感じだと思います。
    これは一般人の感覚では物凄い商売っ気を感じますが、表現者としては有りなのかなあと思います。

    花田さんは見た目的にほんわか優しそうな雰囲気で結構好みなのですが、中身は結構尖っているんですね。人は見た目で判断できないものですなあ。

全57件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1979年、東京都生まれ。「ヴィレッジヴァンガード」、「二子玉川蔦屋家電」ブックコンシェルジュ、「パン屋の本屋」店長を経て、現在は「HMV & BOOKS HIBIYA COTTAGE」の店長。

「2020年 『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

花田菜々子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×