愛人 ラマン (河出文庫 509B)

  • 河出書房新社
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感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309460925

感想・レビュー・書評

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  •  たたみかけるように澱みなく言葉が迫ってくる文章が印象的。文の途中で主語が変わったり、時系列がばらばらだったり、地の文に直接話法の会話表現が用いられたりと、一見読みにくさを感じさせるような文法が目立つ(訳によるのかもしれない)。肌にまとわり付くように濃密な文章でありながら、肝心なことは何一つはっきりと語らないという点で淡々としている。好き嫌いは分かれそうだけれど、わたしは結構好き。言葉の本流に身を任せてほしいままに翻弄された。

  • 今更読みました。映画化されていたよなあと思って手に取ったがなんじゃこりゃ難解な純文学なのか?
    人称がころころかわるは時間軸がよくわからんはで私にはついていけませんでした。これたくさん売れたみたいだけれど…映画に興味を持ちました。
    全体に流れる退廃的な雰囲気だけ読み取れた、そんな感じ。

  • 二十数年ぶりに・・・。
    「嵐が通り過ぎた後の顔」を褒められたいものです。

  • 原文のクセか、訳文か読みにくい…サガンのあとだっただけに余計。小川洋子さんの「読書案内」評にもうなづきつつ。

  • 少女の美しさを、単なる早熟だと括ることはできない。

    暴力的な運命の前に力なく屈服する女は、いつも美しい。
    そういう女は、欲情を自らの思うままに内に宿らせることができる。

    少女の未熟な身体と、未だ愛を知らないからこそなせる完璧な諦観が、それを際立たせる。

    だからこそ少女は美しく、欲情を誘う。
    そもそも早熟なのではない。

    愛人という地位から逃れてようやく愛に目覚めた、
    あの時点から少女は熟し始めるのだと思う。


    でも彼が愛したのが、愛を知らない少女に宿った欲情だとしたら。
    少女の愛は絶対に届かない。
    最後の電話がこの愛の成就の形だったのかもしれない。


    時代背景に詳しくないとちょっとよくわからないところもあるし、
    描写が難解ではあるけど、いくつか出てくる鋭い表現が頭に残る。

  • 読書完了日2009年04月22日。海外文学を読もう!第一弾。

  • 映画は良かった。

  • デュラスの文書は詩的で本当に美しい。
    原文のフランス語で読んだら、どんな感じなのだろうか。

    この本は何度も読み返し、映画も観たが、映画もよかった。
    「男は女に言った、以前と同じように、自分はまだあなたを愛している、
    あなたを愛することをやめるなんて、けっして自分にはできないだろう、
    死ぬまであなたを愛するだろう。」

  • 唯一衝撃を受けた恋愛小説。どこか懐かしいのはなんでだろう。

  • 冒頭の文章から詩みたいで、すばらしいと思いました。
    衝撃的な「十八歳で私は年老いた。」から、イメージの奔流のような文章がとにかく好きで何度も読み返しました。

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著者プロフィール

仏領インドシナのサイゴン近郊で生まれる。『太平洋の防波堤』で作家としての地歩を築き、『愛人(ラマン)』はゴンクール賞を受賞、世界的ベストセラーになる。脚本・原作の映画『ヒロシマ・モナムール(24時間の情事)』、『モデラート・カンタービレ(雨のしのび逢い)』、『かくも長き不在』は世界的にヒット。小説・脚本を兼ねた自作を映画化し、『インディア・ソング』、『トラック』など20本近くを監督。つねに新しい小説、映画、演劇の最前線にたつ。
第2次大戦中、ナチス占領下のパリでミッテラン等とともにレジスタンスに身を投じ、戦後も五月革命、ヴェイユ法(妊娠中絶法改正)成立でも前線にたち、20世紀フランスを確実に目に見える形で変えた〈行動する作家〉。

「2022年 『マルグリット・デュラスの食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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