ラウィーニア (河出文庫 ル 2-5)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (468ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309467221

感想・レビュー・書評

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  • 下敷きの「アエネーイス」全然知らなくても楽しめるのか?と言えばYesなのだけど(生き生きした登場人物に引き込まれ、面白かった)、でも知っていたらもっと面白いのだろうな、とずっと感じさせられてしまう。世界史、古代イタリアに興味のない、SF作家ル=グウィンから入った自分にすら、「アエネーイス」に興味を持たせてくれる、という意味で、いい作品だとは思うのだけど、そこまで手を出せない自分にとっては、ちょっと悔しい思いをさせられる、残念な作品。

  • 古代イタリア、ラウィーニア姫の物語。そこかしこに神がいる世界、戦があり平和がある。儀式があり読み解くお告げがある。日常を営む多くの人が共に住む場所に。
    身体を脱ぎ捨てた彼女の意識は、どの時のどの場所でどんな人々を見ているのだろう

  • ウェルギリウスの叙事詩「アエネーイス」にほんの少しだけ触れられているアエネーアスの妻ラウィーニアを語り部として「アエネーイス」の物語を描く。
    といってもウェルギリウスの「アエネーイス」なんて、世界史の知識としてしか知らず、トロイの木馬で有名なあの戦争の負けた方の人の話というぼんやりとした知識のまま読み始めたが、これがまたとても面白い。
    ラウィーニアについてウェルギリウスがほんの一言程度しか触れなかったのを逆手に取り、ラウィーニアは自分の意思のまま語り、行動し、時空を超えてウェルギリウスと語る。自分の運命を知ってもただ流されるのではなく、それとは違う方向に(そして自分の望まない方向に)物事が流れそうな場合はいろいろ考えて自ら行動し運命を切り開く。
    「アエネーイス」の話を過ぎても当然ラウィーニアの人生は続くわけで、ここでもラウィーニアはしたたかにしなやかに自らの人生を歩んでいく。
    ラゥーニアの造形がまさにル=グィン好みの女性で一気に読み切ってしまった。

  • 「アエネーイス」の登場人物だが作中で言葉を持たぬラウィーニアを主人公に据え、運命に流されるのでなく地に足を付けて生きる女性として描く。感想はブログにて。

    https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2020/09/13/221304

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