ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 (光文社新書 297)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033972

感想・レビュー・書評

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  •  最近残念に思うのは、我が社の社員は、あまりにも経営リテラシーを持っていないこと。まともなエンジニアならば当然知っておくべきPL、BS、CFなどの内容を聞いたこともない始末。さらに言うと、事業管理系の社員もPLしかわからない人が堂々と仕事をしている。なんと嘆かわしいことか。このような人に、私は言いたい、「我々は、各分野の専門家である前に、ビジネスマンである」。 本書は、上記のような経営リテラシーが低い人にお勧めできる一冊である。後半で言及されているNPVや、IRR、WACCといったやや高度な内容はともかく、PL、BS、CF(前半で解説)をざっくりとわかるための良書である。

  • はじめに
    第1章 会計とファイナンスはどう違う?
    第2章 ファイナンス、基本のキ
    第3章 明日の1万円より今日の1万円~お金の時間価値
    第4章 会社の値段
    第5章 投資の判断基準
    第6章 お金の借り方・返し方
    さいごに

    ~ポスト会計時代の基本知識はコレだ!
     『ファイナンスの目的は企業価値の最大化』『リスクの本質は「将来の不確実性」』『経営者にとっては、株主資本コストの方が負債コストよりも負担が大きい』『投資家のリスク認識を下げるには、適切な情報を適切なタイミングでディスクローズ(公開)する』『負債の節税効果を考慮に入れる』

  • 日産自動車で財務部でリスクマネジメントの仕事を行い、財務を通じた経営管理に精通する著者がファイナンスについてわかりやすく解説した一冊。

    財務会計と管理会計の違いや財務諸表の見方といった基本的なことからリスクの概念や投資判断の手法など実践的な内容まで学ぶことができました。
    そして、WACCやCAPMなどの説明やそこから業績をどう考えるのかといったことを勉強することができました。

    そんな本社のなかでも借り入れなどの負債だけではなく資本についても同じようにコストを考えることは勉強になりました。
    情報公開のタイミングの大切さや資本と負債のバランスについても勉強することができました。

    ふだんあまり馴染みの薄い財務会計の基本から踏み込んだ内容までをわかりやすく学ぶことができ、企業価値を高めるための財務会計の入門書という位置付けの一冊だと感じました。

  • 負債コストと株主資本コスト

  • ファイナンスとは、一言で言うと、企業価値の最大化をはかるための意思決定に役立つツール。

  • わかりやすい。

  • ファイナンスとは株主、社債購入者、銀行等の投資家視点で語るものである。
    投資家としての企業価値は作り出すであろうフリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF ※財務CFは資本の調達結果なので含まない)+αを現在価値に直したものである。投資家としての期待収益率はWACCといって債権者(負債の金利)+株主(TOPIX連動型投信の期待収益率*β)の期待収益率から計算する。
    経営者はWACC以上に企業価値を高めなければならない。それが投資家の求める姿であるからである。



    ・会計とファイナンスの1番の違いは、会計は「利益」を扱い、ファイナンスは「キャッシュ」を扱う点
    ・会計とファイナンスの2番目の違いは、会計は「過去」を扱い、ファイナンスは「未来」を扱う点
    ・運転資金とは、キャッシュの支払いと回収のタイムラグを埋めるために必要なキャッシュ。
    サイトの長い顧客が増えると、より多くの運転資金が必要となる。
    ・フリーキャッシュフローとは、企業が事業活動を行った後に、企業への資金提供者である投資家(株主と債権者)に
    自由に分配する事ができるキャッシュフローの事。
    ・コーポレートファイナンスとは、「投資に関する意思決定(投資の決定)」と、その投資に必要な資金調達に関する
    意思決定(資金の調達)」と、「運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策)」を行い、
    「企業価値を最大化」させる事。
    ・ファイナンスにおける「企業価値」とは、投資家(株主と債権者)にとっての企業価値の事。
    ・リスクとは危機の事。つまり「危険」と「機会」の両方が存在している。
    ・リスクフリーレートとは、国債の利回りの事。ある企業の株式を購入する場合、投資家はリスクフリーレート以上の
    期待収益率を求める。これリスクプレミアムと呼ぶ。
    ・負債コストは、債権者が経営者に要求するリターン(期待収益率)。実務では便宜的に過去の有利子負債の調達コストを代用する。
    ・株主資本コストは、株主が経営者に要求するリターン。株主資本コストの計算式(CAPM)は、
    「株主資本コスト=リスクフリーレート(2%)+β×マーケットリスクプレミアム(日本ならTOPIX。5%を使うのが一般的)」で算出できる。
    ・βとは、株式市場全体の変動に対して、その会社の株式がどれだけ連動するかを表したもの。1だと市場と同等。ネットで検索可能
    ・資本コスト=負債コスト+株主資本コスト。株主資本コストのほうがリスクが多い分、負担が大きい。負債コストと株主資本コストを
    加重平均して算出したものがWACC(加重平均資本コスト)である。
    ・WACCは、企業が投資家(株主と債権者)からいくらかけて資金を調達しているかの指標
    ・企業の収入は、「税引き後の営業利益」で見る。算出方法は、「営業利益-(営業利益×実効税率)」である。
    ・ROICは「投下資本利益率」の事。計算式は、税引き後営業利益÷投下資本(=有利子負債+自己資本 or 運転資金+固定資産・
    無形固定資産・投資その他)である。
    ・経営者の使命は、EVAスプレット(=ROIC-WACC)をプラスにする事。20%増益するために2倍の投下資本を使っているようでは
    経営者失格。
    ・投資家のリスク認識を下げてWACCを下げる。若しくは、運用利回りであるROICを上げる事が重要

  • 確かにこれはざっくり分かるわ。
    ただ図の下に毎回©️ AllrightReservedって書いてあって鬱陶しい。権利発生するほど特別な感じもせんよ。

  • わかりやすい。終末は斜め読み。
    日本的会計と欧米的会計の違いを日産自動車に勤務していた著者が説明しているところが分かりやすかった。如何にしてもカルロス・ゴーンは日産を立て直したか。
    こうした考えが日本人に定着しないと日本は沈んでいくんだと思う。

  • ざっくりと。

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著者プロフィール

1991年上智大学理工学部卒業後、旧三菱銀行に入行。9年間勤務した後に退職後、米国インディアナ大学ケリースクール・オブ・ビジネス(MBA課程)修了。帰国後、日産自動車株式会社に入社。財務部にてキャッシュマネジメント、リスクマネジメント業務を担当。2007年より旧ブーズ・アレン・ハミルトン(現:PwCコンサルティング)にて企業戦略立案、実行支援等に携わる。2009年に同社を退職後、コンサルティング会社である株式会社オントラックを設立し、企業の投資判断基準、撤退ルールの策定支援、財務モデリングの構築、トレーニングを実施している。
著書に『道具としてのファイナンス』(日本実業出版社)、『ざっくり分かるファイナンス』(光文社新書)等がある。

「2021年 『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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