辞書を編む (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334037383

感想・レビュー・書評

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  • 辞書編纂の裏側をウィットに富んで書かれていて面白かった。著者の辞書編纂という仕事に対する愛情、情熱が伝わってきた。

  • 20140628読了。
    一昨年大ヒットした『舟を編む』の現実版。
    辞書編纂にまつわるあれやこれやがわかりやすく書いてある。
    今まで国語辞書を選ぶ時、何で選んでいたかというと、特に基準はなく、なんとなく。大きさであったり、収録語数であったり。
    言葉を説明するとき、できるだけ簡単な言葉で言い換えるというのはできるようでなかなか難しい。難しい言葉を難しい言葉で説明するのは簡単なことなのだが、小学生にでもわかるような言葉で説明する難しさを痛感する。
    しかし、これを読んで辞書編纂にはたいへんな苦労があるということがわかったのはもちろん、どんなポリシーでその辞書が編纂されているのか、その辞書がターゲットにしているのはどんな年代なのか、それぞれに違うということが認識できたので、今後は内容を見比べて本当にじぶんにあっている辞書を選びたいとおもった。
    しかし、電子辞書、ネット辞書全盛のこの時代、紙の辞書をあえて選ぶ理由はなんだろうか。

  •  国語辞典の編纂に関しては①用語の発掘・用例採集調査、②加えるべき言葉の判定会議、③語釈の文章考案、④取捨選択など手を入れる行為などの局面から詳細に説明があり、三浦しおん「舟を編む」の世界が現実であることを示してくれる。それにしても辞書の編纂者がこんな苦労を抱えているとは夢にも思わなかった。例えばキャバクラという用語の意味を実体験するために実際に店に入るなど・・・。三省堂国語辞典:通称「三国」の特徴は何よりも「中学生にも分かる説明!6万語」、新明解の特徴その他辞書にはそれぞれの強みがあり、読み比べによってその思想の違いを実感してみると実に楽しそうである。新しい言葉でなくとも洩れている盲点のような言葉も確かにあるのかも知れない。「んーん」「あーあ」などは確かに有り得る!デジタル化の時代になり、新しい悩みが出てきていることも分かる!

  • 辞書引かないよなー。そもそも最近買ってないし・・・

    辞書作りの「戦い」が書かれています。
    言葉ってのは生き物なので、次々と新しい言葉が出てくる。
    辞書に載せるか、載せないか。
    どう説明するか。大変な作業です。

  • 勉強になりました。

  • 著者が辞書の世界から手招きしているイメージがありありと浮かぶ。ただ私が普段ひくことばと本文中に挙げられた収録語が殆ど被らない。惜しい。
    時期的に臨場感。今読んでよかった

  •  三省堂国語辞典の改訂に関わる著者による,辞書編纂の舞台裏。鏡を目指す実例主義・鑑を目指す規範主義という,辞書の特色を決める大方針から,用例採集,新規収録語の取捨選択,既存項目の手入れまで。電子辞書やオンラインのフリー辞書を見据えた辞書の未来も語る。
     本書のメインは中型辞書だけど,辞書を作るのは相当な手間と時間がかかってる。特に用例採集は,編纂者の常日頃からの蓄積に頼ってて,文献調査だけでなくフィールドワークも重要。そして苦労して集めた言葉がごっそり削られる悲喜こもごもの取捨選択。これだけコストをかけても,手軽なオンライン辞書に太刀打ちできるとは限らない。なかなか厳しいな…。

  • 三省堂国語辞典の編纂者が、辞書の制作の過程を分りやすく一から記した新書らしい新書。
    三国は、そのとき使われている言葉を平易に記すことをモットーとしているそうで、その精神で言葉を取捨選択し、語釈を書く。恋や愛も同性愛のへ認識がより一般的となった現在では、書き直して行くことになって行く。

  • これは是非『舟を編む』とセットで読んでもらいたい一冊。
    『舟を編む』で辞書編集とは何かを何となく分かったつもりでいたが、これを読んであっ本当にそういう風に辞書は編纂されているのねってことが分かった。そしてもちろん手に入れたくなったのが『三国』。やっぱり電子版じゃなくて紙辞書がいいよね。7版の出版が楽しみになった。
    『三国』の「右」の語釈を読めば、この辞書の目指すところがよく分かる。思わずうなずくところあり、笑ってしまうところあり。充実の読書体験。

  • 辞書の編纂については考えたこともなかったですが、
    かくも情熱的な思いで作られているんですね、、。
    ちょっと感動しました。

    第6章、ことばだけでできた世界に思いを馳せる部分が殊のほか印象的でした。

著者プロフィール

香川県生まれ。国語辞典編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。新聞・雑誌・書籍・インターネット・街の中など、あらゆる所から現代語の用例を採集する日々を送る。著書に『辞書を編む』(光文社)、『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『辞書には載らなかった不採用語辞典』(PHPエディターズ・グループ)、『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』(PHP研究所)、「日本語をつかまえろ!」シリーズ(金井真紀・絵 毎日新聞出版)など。

「2023年 『けいごって しってる?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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