- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751036
感想・レビュー・書評
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この夏、ジェラール・フィリップの朗読CDを買って、真夜中にひとりで何度も聴いた。映画「リトルプリンス 星の王子様と私」を観る前にもう一度活字で読み返したかったので、特にお気に入りの野崎歓先生の新訳を選んだ。ちいさな王子さまが広大な砂漠に立ち尽くしている光景を何度も想像してしまい、何度読んでも胸が締め付けられて涙が出る。それも大人になるにつれて益々… 日常の些末なことを大切に生きようと思う。
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もちろん、映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』を観たために再読しようと思って買い求めた本です。
王子の語るエピソードの1つひとつが何かの象徴のように感じられるし、また読者にとっては気付きを得るような内容になっています。
ただ、これがあまりにも、明示的で不条理だという印象を受けました。つまり、メッセージは直接的で分かりやすいのだけれど、ストーリーとして釈然としない。
そういう読み方は、あるいは王子に言わせると、忌むべきなにかに分類されてしまうのかもしれませんが。
決して、好きでない、ということはありません。挿絵も含めて、とても優しくて素敵な小説世界だと思います。けれども、この本で強調される(ようにみえる)教訓めいたものを切り出して、それを額縁に入れて壁に飾るような読み方は、私にとって心地よいものではない、ということです。 -
【コメント】
子供だった大人たちにむけて描いた物語り。
こう書くとなんだかワクワクする。
主人公と男の子が出会い、交流を通して
本当に大切なものは何なのかに気づいていく。
優しくユーモアがあり、ちょっと切なくなる
お話し。
*** 作品の時代背景
この本は著者が実在の友人のレオン・ヴェルト
に向けて書いた物語り。レオンはユダヤ人で
大戦で迫害を受けていたのだ。著者自身も
フランスがドイツに敗れ自身はアメリカに亡命
している。
そういう背景を知って作品を見てみると、
これは単にファンタジーを描いただけの
作品ではないときづく。そこには風刺
(王子が様々な星で出会う奇妙な大人たち
に対する)があり、友人レオンと同じよう
につらく孤独な思いをしている大人たちへ
のメッセージがこめられている。
【内容】
著者は、独り砂漠に不時着し難儀する。
そんな時にであった小さな男の子との交流を
通して、人生で本当に大切なものは何なのか?
に気づいていく。
小さな男の子は星の王子さまなのでした。
王子さまは、大切なものを自分の星に残して
旅にでてしまう。様々な星を渡って冒険する。
そうして地球にやってきたのでした。 -
■「飛ぶ」ことの本質
当時最新のテクノロジーであった飛行機。それを操る人間の「現場」感覚を初めて表現した作家がサン=テグジュペリだった。つねに危険と背中合わせの任務をこなし、事故から幾度も生還した飛行士にしか描きえなかった世界。この作品は第二次大戦中、失意のアメリカ亡命時に書かれた。 -
バーナード嬢、曰く、つながり。あえて、御伽話色を排した、淡々とした原文に沿った、意欲的新訳、という紹介に引かれ。
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実はちゃんと読むのは初めてでした。
こんなに悲しい物語だったのかという意外さもありましたが、大人のための絵本といった感じで、失ってしまったものを思い出させてくれるような温かさも感じます。
他の翻訳版を知らないのでなんともですが、この訳はなかなか柔らかい感触だったので、うまく世界にあっていたと思います。 -
この訳者は『星の王子さま』の題名の反対派。タイトルの”petit”、つまり「小さい」という形容詞を重要視しているからだ。確かに、小さな星からやっていた、小さな王子の、小さな物語かもしれない。
また、訳者は、この話の中で語り手が「おとぎ話みたいにはじめてみたかった。」とあるように、この話は、おとぎ話調、童話調ではない点を指針とした、とあとがきで書いている。とはいえ、様々な訳を読んだ中では、印象としては、おとぎ話風の印象を持った。
もしかしたら、これが訳者のいう、第二の指針とした、この物語の「温かさ」、サン=テグジュペリという人物のぬくもりの現れなのかもしれないな。 -
表紙と挿絵が可愛いから読み始めた。
挿絵はどこかで見たことがある可愛らしい絵。
平仮名が多いからかスッと読めた。
すぐ読める中にもどこか深い。
小さな王子が自分の星で1輪の花に出会うが、嫌気が差し地球に来る。
地球が来るまでに様々な個性がある星の人に会うが、その人たちも何処か孤独。
見えない物の大切さが分かる本。