- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334766467
感想・レビュー・書評
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癌で余命宣告をされた後の日常を書いたエッセイ「死ぬ気まんまん」。主治医との対談。身体の痛みに耐えかねて入院したホスピスの体験を書いたエッセイ「知らなかった」。関川夏央が寄せた文章「旅先の人ー佐野洋子の思い出」の4編が収められている。
痛みこそ恐れたが、死を突きつけられても恬淡としているように見える著者であったが、無念な気持ちは抱えていたようではある。関川夏央が引用している「神も仏もありませぬ」の中に、住んでいた北軽井沢の山の春を、佐野さんは次のように書いている。
【引用】
ここの春はいっぺんにやってくる。山が笑いをこらえている様に少しづつふくらんで来て、茶色かった山が、うす紅がかった灰色になり、真っ白な部分と、ピンクのところとが、山一面にばらまいた様に現れる。こぶしと桜がいっぺんに咲くのだ。(中略)
私が死んでも、もやっている様な春の山はそのままむくむくと笑い続け、こぶしも桜も咲き続けると思うと無念である。
【引用終わり】
自分が死んでも、北軽井沢の山は春を迎えて綺麗に装うであろうことに無念さを感じるということ。
同じような気持ちを持ったことのある人は多いと思うが、それは、少なくとも私の場合には、自分がいなくても世の中はいつも通りなのだろうな、という無情感、無力感であり、無念さではない。このあたりに佐野さんの佐野さんたる所以があるような気もする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わたしには病院の売店では本を買う習慣があるのだけど、これはタイトルが気に入って買った。
余命を宣告され、死を受け入れる佐野さんの姿がかっこ良く見えた。
生きてると欲が出るけど、私も生物として、自然の摂理に従って生きる謙虚さを持ちたいなぁと思う。
主治医である脳外科医の先生との対談も読み応えがあって面白かった。
生死感が少し変わる一冊でした。 -
病気や痛みを抱えてる佐野洋子さん
すごく平常心で書いている
私ももうすぐ70なのに もっと上の時代の人の
なんか時代劇に出てくる武士のような
腹の座った 死の受け入れ方をしている。
病気の友だちが
すごくおとこまえな先生
と言って 頑張って行ってみたら ホスピスだった。
180センチもある男前のドクターは80歳だった。
でも ホスピスの看護師さんは 患者さんが死んだ時 泣いてもいいんだそうだ。
普通の病院では 泣いてはいけないらしい。
亭主はいないけど しっかりものの息子さんがいるのが 頼もしい。
わたしも親を4人看取って 去年は犬と猫を3匹看取って 自分の番も遠くない
と思って読みました。
佐野洋子さんみたいに 受け入れて死にたいものです。 -
死というものを非常にリアル正確に伝えてくれる貴重な本
佐野洋子さんの思想は今では過激な表現も多いが、私は好みで、特に死生観はその人の最後の最後生き様、人格全てを表してしまうものだと思う。
それは周りの家族も同然で。
死はタブーではないと、死にゆく過程を見せてもらい育ったことが私のアイデンティティでもあり、
今では非常に感謝している。
たとえ、見栄でも私もかっこよく潔く死にたい。 -
著者はもう10年以上前になくなっている。「100万回生きたねこ」の著者としても有名。しかし私は谷川俊太郎の元妻として少し興味があった。
快活な面白い人柄。こういう勢いで死ねたら楽かなと思った。 -
読み辛い、うるさい近所の婆さんのどうでも良い主張を聞いている気分でどうも心地よいものではないが、中にはなるほどと思う発言がある。
引続き死に興味があり、余命2年を宣告された著者の主張を読む。「脳卒中は大変、ガンはいい病気」はそうかなと思う。
どのような人かとググって見ると「100万回生きたねこ」の著者か、好きな本なので軽くショックを受けるが、この猫も少しひねくれていたので、なる程なとも少し思う。
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賛同できないことも多いし、素直に読めないところも多いけど、力強さが魅力的だった。
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「死を恐れない」にもほどがある。さっぱりしている。
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佐野洋子轻快又洒脱的文笔,说着妄想是老年人的特权啊这样的话实在是太可爱了。家训是比起钱生命更重要,但自己却是一个钱不重要命也不重要的人。可可爱爱的老太太,绘本们古灵精怪随笔集更有趣了。