現場に臨め: 日本ベストミステリー選集 (光文社文庫 に 6-41 日本ベストミステリー選集)
- 光文社 (2014年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (637ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334767334
感想・レビュー・書評
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2007~2009年に発表されたミステリのうち
「現場」に焦点を当てたものを選んだ全15作のアンソロジー
大人気シリーズの1編も結構あり
どれも外れなしの面白さ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろいろな作品ありで退屈しない。もちろん合わない作品も。
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2014/6/8 29読了
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2007年から2009年に発表された短編ミステリーのセレクト・アンソロジー。15人の作家による15作の傑作短編を収録した豪華な内容で、次に読む作家を決めるための良き参考になるのでは。
15作のうち7作は既読であったが、読み返してみても面白い。
蒼井上鷹『オウンゴール』。初読みの作家であるが、なかなか面白い。短編という限られた世界の中でミステリーとユーモアの両者を上手く描いている。
安東能明『撃てない警官』。評判の良い短編で、前から読みたいと思っていた。警察組織の内幕とミステリーを融合させた佳作。今野敏の『隠蔽捜査』のような作品。
池井戸潤『スジ読み』。池井戸潤のミステリーを読むのは初めて。やはり、ミステリーでも、小さな力が大きな力を打ち負かすという池井戸節は健在。
逢坂剛『おれたちの街』。ミステリー、冒険小説の名手が描く、警察短編小説。ユーモアもあり、非常に面白い。
大沢在昌『亡霊』。『鮫島の貌』に収録された短編。新宿鮫シリーズ。面白くない訳が無い。
今野敏『冤罪』。『隠蔽捜査 3.5』に収録された短編。レギュラー作品と違い、竜崎はあくまで脇役で、主役が伊丹というのが面白い。
佐野洋『爪占い』。名手による読後感の良いミステリー。
柴田哲孝『賢者のもてなし』。動物ミステリー『MAMONO』(『白い猫』の改題)に収録された短編。柴田哲孝は最近、お気に入りの作家の一人。
曽根圭介『天誅』。寡作作家であるが、ミステリーからホラーまでレベルの高い作品を書いている作家。なかなか面白い。
長岡弘樹『文字板』。『傍聞き』でブレイク、『教場』で一気に人気の出た作家の佳作。
新津きよみ『思い出を盗んだ女』。女性視点で描かれたミステリー。女は怖い。
誉田哲也『シンメトリー』。姫川シリーズの短編。面白くない訳が無い。
薬丸岳『償い』。夏目刑事シリーズの短編。これも言わずもがな。面白くない訳が無い。
横山秀夫『墓標』。臨場シリーズ。これも言わずもがな。大好きなシリーズ。
連城三紀彦『小さな異邦人』。非常に完成度の高いミステリー。