後悔と真実の色

著者 :
  • 幻冬舎
3.60
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感想 : 169
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344017382

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物が多く、刑事で男でという共通項のせいで
    ややこしいが、読んでいくうちに個性がはっきりとでてくる。
    数人の人物の一人称で語られるのだが、どのキャラも
    個性があるので、みんな主役になりうる感じ。

    全体を通して言えるのは、言葉の大切さ怖さ。
    口に出した言葉は消えないし、口に出さなきゃ相手に届かない。

    貫井さんの本はミステリーとしても読みごたえあるんだけど
    それだけじゃなく、ヒューマン的なところもあるところもいい。
    ツッコミ何処ろがないほどに緻密なところもいい。
    しかし、この本で言えば、結末が好みでは無かった。

    『乱反射』を超える本は書けないのか。

    ( ・_ゝ・)<思っていても通じない。言葉の大切さを痛感。

  • んーー、ここ最近はずっと貫井作品を読んでいるのだけれど、一番しっくりこなかったかも。
    なぜだ?と考えたときに、やはりリアリティーのなさが1番の原因のような気がします。

    若い女性を狙った殺人事件が勃発。犯人は決まって被害者の指を切断して持ち帰ることから、「指蒐集家」と呼ばれるように。
    事件担当の捜査一課のエース・西條は犯人を捕まえることが出来るのか?!
    ってお話ですが、ま、ネタバレですけど、
    そんな西條がホームレスにまで落ちぶれます。これ、すごくないですか。
    人生の地位的な物差しで、てっぺんから一気に底辺まで堕ちてしまうって。それもスキャンダルで。
    ありえないでしょう。ホームレスになって、それで最後は犯人を捕まえるってどうよ。

    「指蒐集家」は今どきの快楽犯的なイメージと重なってそれなりにリアルでしたが、
    その怖さが強く伝わってきませんでした。なぜ殺人を犯すかの説明が説得力不足だと。
    突き詰めれば自分も人生の犠牲者なのだと言わんばかりの犯人が、
    実は操られていただけ、っていう展開には驚きましたが。

    「悪」=「不倫」ってこともちょっと違うと思う。
    ★★☆☆

  • 強い正義感によって刑事になり早く出世した西條。女性連続殺人事件を追う。捜査でコンビを組んだ警官のミスにより大物政治家の逆鱗に触れ謹慎処分となる。その間に自分の不倫が発覚し職を追われる。妻から完全に見放され離婚が決定し浮浪者のような生活を強いられた。事件を解決しようとその一心でやってきたことが同僚に誤解され自分勝手に映った自分の行為を憂う。自分だけで納得して物事に対峙していくのは周りの誤解を生む。

  •  リアルな設定、先を読ませないストーリー、意外な犯人、ミステリーとして申し分ない。じっくりと犯人の居場所を示唆するトピックがあるため、唐突という感じもない。きちんとエピローグで全ての問題が解決するだけに読了感は悪くない。ストーリーから、バッドエンドで終わるしかないとわかっているだけにそう思えるのかもしれないが。その辺りが作者の腕なのかな。

  • あの強固な呪縛から、いつか解き放たれたかった。若い女性を襲い、死体から人指し指を切り取る連続殺人魔「指蒐集家」が社会を震撼させている。警察は、ネットでの殺人予告、殺害の実況中継など犯人の不気味なパフォーマンスに翻弄され、足がかりさえ見えない。その状況下、捜査一課のエース、西條輝司はある出来事を機に窮地に立たされていた―。これは罠なのか?被害者たちにつながりはあるのか?犯人の狙いは何か?緻密な構成で不器用に生きる男たちを活写する傑作長編。

  • 2011/04/15 読了

    前半はなかなか読み進まなかったんですが、後半からラストまで一気に読んでしまいました。
    しかし読み終わった後は暗い気分に…汗

  • 登場人物が多いわりには混乱なく読める。
    ただ、登場人物に占める悪人率が異常に高い。まぁ実際、現実でもこんなもんなんだろうけど。

    (自業自得なのかもしれないけど)西條の人生が不憫すぎてツライ。

    救いのない展開でこの長さを読むのはしんどいかも。

  • 2010年版本格ミステリベスト9位。面白かった。警察もの。貫井徳郎をちょっと見直した。こういうのも書くのだね。大崎が犯人とは全く気づかなかった。警察にいるかな、とはちょっと思ったけど。しかし、不倫はそんなに悪いことなのか。ネットの気持ち悪さは分かる。けど、そんな情報でほんとに自分が襲われたらたまったものじゃない。まぁ狙われるほど美人じゃないけど。やっぱり美人の方が狙われるだろうな。村崎が思ったように。三井の相方がちょっと怪しいんじゃないかとおもったけど、違ったみたい。西條、村崎、三井、綿引、そして『指蒐集家』の語りで進む。

  • 面白かったです。

    犯人は予想通りだったけど、2人目からだったとは・・・
    見破れなかった・・・

    しかし、貫井作品は2作品目だけど・・・暗い・・疲れます。
    できたら読みたくない、でも読み出したらやめられない。
    妙にリアルな感じがいいのよね・・・

  • 若い女性を殺し人差し指だけ持ち帰る指収集家。
    犯人を捕まえるべく優秀な刑事が事件を追うも・・。

    この刑事さんがどんどん転落していく様が読んでて
    痛々しいというか、はがゆいと言うか。
    なんとなく途中で犯人わかっちゃうのが減点だったけど
    トータル面白く読めました。

    警察小説になるのかな。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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