後悔と真実の色

著者 :
  • 幻冬舎
3.60
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本棚登録 : 791
感想 : 169
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344017382

感想・レビュー・書評

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  • 指蒐集家による連続女性殺人事件を題材にした
    男たちの物語。
    このミスにランクインしていたので
    所謂刑事小説かと思っていたら、それだけではない。
    登場する刑事たちの「後悔と真実」が多分に
    繰り広げられる。
    若干ドラマチックすぎる感はあるが
    ただひたすら誠実に職務を遂行する有能な主人公を
    含め、不器用に生きる人間模様に共感。
    山本周五郎賞受賞作品。

  • 救われない主人公がリアルなんだけど、生々しすぎる。医者の手術場面で患部映されちゃうとさすがに我々引いちゃいますけど?みたいな。弱い精神面と仕事能率、能力の高さのギャップがまたエグい。物語自体は中盤ですでに犯人が分かるというグダリっぷり。また、何のために登場するのかよく分からない真犯人候補とも言えないキャラが無駄に多く、読みにくくてイライラした。べつに真犯人候補じゃなくても、ストーリーに彩りを加えるならまだしも、邪魔しかしてないと思うなー。

  • 2012.3図書館で借りて読了。
    前半はなかなか読み進まず…途中からおもしろくなった。ちょっと残念なのは、私でさえ犯人が想定できたことと、綿引の西條に対する感情を最後にもう少し明確にしてほしかったこと。理由なくあれだけ憎悪して追い落とした相手に対して、突然変わりすぎじゃないのかと思う。

  • 指切り殺人犯を追う刑事のお話。
    前半のどろどろとした警察官達の心情がえらい長いけれど、その分人物像が理解しやすい。
    綿引刑事の人間くささがリアルだなあと思った。
    でもある意味素直なのがすごい。

    後半は謎解き、ネットを駆使する犯人とか気になって一気に読んでしまった。

  • 若い女性を狙った連続殺人事件。被害者はナイフでメッタ刺しのうえ、指を一本持ち去られている。警視庁捜査一課の若きエース西条警部補の視点を中心に事件の捜査は進んでいくのだが・・・。様々なタイプの捜査官もそれぞれキャラが立っておりとても面白い。前半の地道な捜査場面もそれはそれで興味深く読めるのだが、後半は予想外の事柄が次々と起こり事態は緊迫の度合いを増し、一気読みしたくなる。結末も意外感がある。これぞ今年一番のミステリ小説である。このミスでのランクは高くなかったのが残念。あとこの地味な装丁をもう少し工夫すればもっと売れるのではないかと思った。

  • 殺したお姉ちゃんたちの指を切り取る連続殺人犯の名前が「指蒐集家」って言うんだけど、らじなら「アングリマーラ」って名づけるけどなぁ…。
    それと、警部補さんが訳あって退職してすぐに路上生活者になるんだけど、マンションを奥さんにあげて、ローンと子供の養育費も支払わなくっちゃってことですぐにそういう生活になるかな?
    考えるのがイヤになっちゃったのかもしれないけど、妻や不倫相手に対して無責任。
    犯人がけっこう早い段階で目星がついて、だからこそ読後感が悪そうだな…と思ったら、やっぱりでした。
    こういうのって情状酌量されちゃうんだろうね。
    なんだか、全体的に中途半端なお話でした。

  • 最後の怒濤の展開といい、意外性といい、申し分のない面白さだった。主人公にとっては辛すぎる結末だったが。

  • 主人公を含めた個性的な刑事達と、他の登場人物。中々分からない犯人。次次に起こる事件。焦る警察。たっぷり楽しめました。

  • 前半では話の展開が遅すぎて、少々イライラ。後半に入って一気に転がっていく感じ。主人公の行動パターンが警察として、エリートなのか叩き上げなのか中途半端な設定になっていて、現実味がない上、性格も独善的で共感できなかった。警察組織の描き方自体がテレビドラマのような非現実的なところと、中途半端に現実味を織り交ぜる部分があって、設定自体が分かりにくくて、純粋にストーリーや謎に集中できなかった。一人称でもないのに、主人公の心情しか描かれていないので、多少反則気味な解決とも言えるかも。

  • 指を切断する連続猟奇殺人犯を複数の視点で警察が追うお話です。
    一応ミステリーとカテゴライズされていますが、犯人探しよりも警察内部の人間関係から生じる悲劇模様に比重が置かれています。刑事同士のしがらみや、それぞれが持つ正義感や出世欲がとてもリアルです。
    伏線の張り方や回収はよく出来ていると思いますが、著者の作品を幾つか読んでいる読者なら途中で判ってしまう犯人設定なので、もうひと捻り欲しかったです。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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