ツバキ文具店

著者 :
  • 幻冬舎
4.15
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本棚登録 : 9974
感想 : 1053
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344029279

感想・レビュー・書評

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  • 「ライオンのおやつ」以来、小川糸さんの作品はこれで2冊目ですが、心温まる優しい物語を描けることがすごくわかりました。

    ブクログのフォロー、フォロワーさんの評価も高く気になっていた本書、地区センターで見つけお借りして来ました。

    明日が返却日…もはや鉄板となったギリギリセーフ_( ˙꒳˙ )_(笑)
    でも実は明日の返却までにもう1冊を...^^;

    コホン(´ρ`*)
    本作の主人公は鎌倉で文具店と代書屋を営む鳩子。代書屋として様々な依頼人の手紙を書きます。
    恋文や絶縁状、天国からの手紙など、相手の心に寄り添う手紙を書くことで、鳩子自身も亡き祖母への想いに気づいていきます。
    鎌倉の風景や食べ物、人々の暮らしが描かれた心温まる物語。

    せっかく横浜にいるんだし、暖かくなったら今年こそ鎌倉散策に出かけよう。

    <あらすじ>
    鳩子は祖母の葬式のために8年ぶりに鎌倉に戻ります。祖母は文具店を営む傍ら、代書屋として手紙を書く仕事をしていました。鳩子は祖母に反発して家を出てしまい、そのまま音信不通になっていました。

    鳩子は祖母の文具店を継ぐことにします。依頼人は、友人への絶縁状や借金のお断り、元夫婦の挨拶文など、さまざまな人々でした。鳩子は依頼人の思いをすくいとり、文字にして相手に届けます。その過程で、鳩子は自分の心の中にある祖母への未練や感謝を認めていきます。

    鳩子は地元の人々とも親しくなります。隣に住むバーバラ婦人や男爵、パンティーというあだ名の小学校の先生、カフェを営む守景やその娘の陽菜など、鳩子は彼らの人生に関わりながら、自分の人生にも変化を感じます。
    鳩子は祖母に宛てた手紙を書き、自分の気持ちを伝えます。それは、鳩子から祖母への、長い長い手紙でした。



    言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。
    伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします。

    家族、親友、恋人⋯⋯。
    大切に想ってっているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。
    鎌倉の山のふもとにある、
    小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。
    店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。
    和食屋のお品書きから、祝儀袋の名前書き、
    離婚の報告、絶縁状、借金のお断りの手紙まで。
    文字に関すること、なんでも承り〼。

    ベストセラー『食堂かたつむり』の著者が描く、鎌倉を舞台した心温まる物語。

    著者について

    作家。著書に小説『食堂かたつむり』『喋々喃々』『つるかめ助産院』『あつあつを召し上がれ』『さようなら、私』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』、エッセイ『ペンギンと暮らす』、『こんな夜は』『たそがれビール』など多数。

    • なおなおさん
      こんにちは。
      こちらの本、絶賛積読中です^^;
      もっと早く読んでおけば良かった…となりそうなことは分かっております(* ˘꒳˘;)⁾⁾
      いつ...
      こんにちは。
      こちらの本、絶賛積読中です^^;
      もっと早く読んでおけば良かった…となりそうなことは分かっております(* ˘꒳˘;)⁾⁾
      いつか、きっと、そのうちに読まねば!
      2024/02/11
    • ヒボさん
      チーニャさん、こんにち▽^ェ^▽ ワン!
      皆さんの評価が高かったので、ずっと気になっていた1冊でした。
      素敵な作品ですよね(*´▽`*)
      チーニャさん、こんにち▽^ェ^▽ ワン!
      皆さんの評価が高かったので、ずっと気になっていた1冊でした。
      素敵な作品ですよね(*´▽`*)
      2024/02/11
    • ヒボさん
      なおなおさん、こんにちは(*ˊᵕˋ*)
      私も積読に埋もれそうな生活をしています^^;
      積読減らしたいのに、図書館や地区センター、電子書籍.....
      なおなおさん、こんにちは(*ˊᵕˋ*)
      私も積読に埋もれそうな生活をしています^^;
      積読減らしたいのに、図書館や地区センター、電子書籍...
      いろんなところから借りまくって返却期限におわれまくる日常を...(苦笑)
      なおなおさんのタイミングで!!
      いつか、きっと、そのうちに...ですよ♪
      2024/02/11
  • 心が洗われて、あったか~い気持ちになれた 物語…

    雨宮鳩子(通称ポッポちゃん)は文具店兼、代筆屋を営み鎌倉に住む二十代後半の女性。亡き先代(祖母)に厳しく育てられ確執のあった過去を引きずり生きている。代筆屋というのは依頼された手紙を綺麗な文字で書く仕事なのかなと思いきや、読んでみたら違うと、わかった。それは依頼人の心に寄り添い筆跡、文面、紙の素材、筆記具や切手に至るまで細部にわたって、こだわり相手に想いがちゃんと届くように作成するというとても大変なお仕事だった!
    借金の断り状、絶縁状、離婚の報告の手紙、天国からの手紙、等々…どう書いて良いか悩ましいものばかりの依頼。それらが完成した手書きの手紙が所々に出てくる構成は楽しくて良かった。
    そんな中でもポッポちゃん自身が天国の祖母に宛てた手紙が私は、やっぱりいちばん心に刺さった。おばあちゃんと生前呼べずに先代としか呼べなかったポッポちゃんの固くなっていた心がほどけていく所。祖母の不器用な愛情に気づけた所。祖母自身も生きることや孫を育てることに必死だったんだというそんな想いを理解できた所。仲違いしたまま祖母が逝ってしまった…という後悔の気持ちと謝罪の気持ち、そして感謝の気持ち…。たくさんの想いを込めた手書きの手紙だった。読んでいて、熱いものが込み上げてきた……。
    天国でこの手紙を読んだらポッポちゃんのおばあちゃんだって泣いてしまってるだろうな。。。きっと!!

    頂くと手紙って凄く嬉しいもの。
    そう…わかっていてもなかなか書けないのだ……。
    手紙…書いてみよう。

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさんこんにちは(^^)
      かなさんのレビューで読もうと思った本ですー♪。いいですね~私も大好きなのは同じです!
      鎌倉も素敵だし、書道好きで...
      かなさんこんにちは(^^)
      かなさんのレビューで読もうと思った本ですー♪。いいですね~私も大好きなのは同じです!
      鎌倉も素敵だし、書道好きでもあるし、切手も(切手収集家のおじいちゃんから譲り受けたものが沢山)あるのです!!バーバラ婦人など素敵な人ばかり出てくる……大好きな人やものに溢れていている素敵な本でした-。
      筆記具もね。こだわりたくなりますね。特に【ガラスペン】が気になりましたネ。検索してみたらいろいろデザインもあって、心を奪われていますよ~。持ち手部分は、ねじられたようなデザインでペン先まで一体化されていて流れるような曲線の美しいフォルムで、ペン先まで繋がっているものだったりデザイン性も高く素敵なのです。ガラスの透明な感じがおしゃれで。
      インクの種類も沢山ある。インク壺に、ペン先をちょっと浸して手紙などしたためる姿を妄想してみてたりして……☆彡w
      他の筆記具とは違う書き心地だとも想像する。ガラスのペン先が紙面を滑る微かな音も……好きな人は好きなのでは。音フェチさんに、良いかも知れない。そしてきっと書く時間をゆったり持てる人に向いそう。ガラスペンと、インクと、ポストカードなどとセットになっているものもあったりもして、文具好きさんにプレゼントしても素敵かも~?などと知りました~(^ー^)
      2023/03/17
    • かなさん
      チーニャさん、こんばんは(^^)
      そうそう、鎌倉いいですよねぇ~♪
      チーニャさん、書道好きなんですねぇ…
      すごいなぁ~!!

      で、...
      チーニャさん、こんばんは(^^)
      そうそう、鎌倉いいですよねぇ~♪
      チーニャさん、書道好きなんですねぇ…
      すごいなぁ~!!

      で、そう、ガラスペン!!
      これ、私も使ってみたいって思いましたよ(^^)/
      なんか、嬉しいですよ!
      私もついつい使ってみる妄想をっ(^^;)
      2023/03/17
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      かなさん(^^)
      やっぱりガラスペンて素敵ですよね。使ってみてる所を妄想してみるだけでも…なんか素敵な気持ちがするように感じますよね~。かな...
      かなさん(^^)
      やっぱりガラスペンて素敵ですよね。使ってみてる所を妄想してみるだけでも…なんか素敵な気持ちがするように感じますよね~。かなさんなら、同じようなこの気持ちわかって下さると思いました~
      (*´▽`*)
      2023/03/17
  • 文章が大変に優雅かつ穏やかだと思います。
    代筆している地元の文房具屋さんに訪ねている、
    うまく自分の思いを表現できない人々のお話しで、
    読んでいるうちにあたたかい気持ちになり
    古き良き手紙でのコミュニケーションで
    特有の繊細さと、切なさに恋しい。

    • yuukichimaruさん
      私はこちらの本を読んで、この本とガラスペンをプレゼントしてしまいました。ほっとする本ですね。
      私はこちらの本を読んで、この本とガラスペンをプレゼントしてしまいました。ほっとする本ですね。
      2021/06/08
    • yuukichimaruさん
      はい。キラキラ共和国も、作者からのお返事のようで、いいなあと。コロナ禍が落ち着いたらぜひ、小説を持って、鎌倉に行きたいです。
      はい。キラキラ共和国も、作者からのお返事のようで、いいなあと。コロナ禍が落ち着いたらぜひ、小説を持って、鎌倉に行きたいです。
      2021/08/11
  • また大好きな一冊に巡り会えました。
    実の祖母を「おばあちゃん」ではなく「先代」としか呼べない関係。苦しんでいたのは自分だけだと思っていたのに、祖母もまたその関係に悩んでいたことを知る。
    主人公の鳩子の周りには、鳩子を優しく見守ってくれる人たちがいる。特にお隣のバーバラ婦人はとっても素敵な人!
    「バーバラ婦人は、今までの人生でもっとも幸せだったのって、いつですか?」
    「今に決まってるじゃない!」
    あー!素敵だなぁ。こんなおばあちゃんになるの、理想ですよね。
    バーバラ婦人と付き合っていくうちに、鳩子も「縁のある者同士が、助け合って補い合っていれば、たとえ血の繋がった家族とはうまくいかなくても、誰かがどこかでサポートしてくれているのかもしれない」と思えるようになってくる。
    後半の主要人物のモリカゲさんの言葉にもグッときました。「後悔しないなんてありえないんです。失くしたものを追い求めるより、今、手のひらに残っているものを大事にすればいい。誰かにおんぶしてもらったなら、今度は誰かをおんぶしてあげればいい」

    全編を通して、舞台である鎌倉らしい優しくてふんわりした、だけどその中に凛とした雰囲気が漂っていて、ずっとこの物語の中にいたい!物語が終わらないでほしい!って思える作品でした。

  • 鎌倉を舞台に、文具店を継いで代書屋となる若い女性。
    書くことが難しい手紙を、よく話を聞いて代わりに書いて出すという。
    あたたかい気持ちになれる優しい物語です。

    雨宮鳩子は厳しい祖母に育てられ、しつけというより修行のような独特な教育に反発して、家を出ていました。
    祖母が亡くなり、なりゆきで文具店と代書屋を継ぐことに。
    たいてい「ポッポちゃん」とかわいく呼ばれていますが、高校の頃は反抗期でガングロだったという激しいものも秘めています。
    隣の洋館で暮らす女性は皆に「バーバラ婦人」と呼ばれていたり、近所に住む初老の堂々とした男性は「男爵」、ポッポちゃんになつく女の子は「QPちゃん」など、可愛らしいネーミングで柔らかな雰囲気が溢れ、癒やされます。

    依頼される手紙の内容はじつに様々で、お悔やみの手紙や、離婚の報告をする手紙、結ばれなかった初恋の人に元気だということだけを伝えたい手紙、借金を断る手紙、なくなった夫からの手紙を待っている老婦人に送る天国からの手紙など。
    事情を汲み取って、依頼人の心をほぐし、手紙の目的を達成する‥
    そのためには、身を清め、便箋の紙質や筆記具の種類、字体などもよく考えて書くのです。
    ポッポちゃん(この呼び方がおかしくない雰囲気の娘さんだと思われるのですが)、じつは凄腕!
    この凝りようと専門知識も面白く、メールでなくプリンター印刷でもない手書きの手紙というのは良いものだなという素直な感想をいだきました。

    美しい四季の移ろいと古風な暮らし、美味しい食べ物、身近な人との親しさが深まっていく楽しさ。
    心に頑なな屈託を抱えた鳩子自身が少しずつ落ち着いてきたある日、祖母が文通していた異国に住む女性から、手紙が届けられ‥?

    すべてが丁寧で優しく、人の暖かさに包まれるよう。
    うまくいかないこともある、苦しみがないわけではないけれども、必ずその先になんらかの方向性は見える。
    それが自然に現れる感じがとても素敵な物語でした。

    NHKのドラマ化も、上手く行っていましたね。
    続編の「キラキラ共和国」もよかったです☆

  • 小川糸さんの物語は、心を暖かく包んでくれる。少し疲れたとき、優しい物語に触れたくなったとき小川糸さんの本を手に取ります。
    ツバキ文具店もしかり。主人公はポッポちゃんこと鳩子。世界中を放浪したのち、先代がいなくなったツバキ文具店を引き継ぎます。文具店の他に大きな仕事としては代筆屋。年賀状や暑中見舞いの他に、事情があって手紙を書いてほしい人々が訪れます。鳩子はそれぞれの人々の心に寄り添いながら、紙やペン、インク全てにこだわり手紙を仕上げてゆきます。
    インターネットが発達した今、私が手紙を書いたのは中学生の頃が最後かもしれません。手描きであるからこそ、紙であるからこそ伝わる気持ちがあると、この物語を読んで思い出せました。読むと誰かに手紙を書きたくなる1冊でした。続編を読むのも楽しみです。

  • 再読。私の大好きな鎌倉を舞台としている心が温かくなるお気に入りの一冊。ポッポちゃん、バーバラ夫人、パンティー、男爵、マダムカルピス、こけしちゃん、モリカゲさん、QPちゃんと登場してくる人物も個性的で魅力がある。代書屋という職業があるのもおもしろい。依頼された手紙を書くにしても、内容はもちろん、その手紙に合った筆記用具や用紙、切手や筆跡までも考えているところに、代書屋としてのプライド、その手紙に対する熱い想いを感じさせられた。また、今の世の中、LINEやメールで済ませてしまうことが多いが、改めて手書きの手紙のすばらしさを感じさせられた。バーバラ夫人の幸せになれるおまじないもステキ! まさかあの2人が結婚するなんて!

  • 主人公の鳩子は、他人の代わりに、その人になりきって手紙をしたためる代書屋さん。
    鎌倉を舞台に鳩子の日常を描くほんわかとした物語。

    そうか、先代は物語の最初から亡くなっていたのか…
    この小説で生きた先代に会えることを期待してたのだが
    、残念。

    鎌倉といえば、「東京から近いのに全然空気が違う」街のイメージがある。おしゃれで、閑静で、歴史的な密度と強い怨念が残るまち…
    そんな濃い〜い空気が感じられて、まるで小旅行している気分になれます。

  • ぽっぽちゃんシリーズは以下の順番らしいです。
    ◯ツバキ文具店
    ◯キラキラ共和国
    ◯椿の恋文
    その他
    ◯ ツバキ文具店の鎌倉案内(番外編)

    ほっこりして良い作品です。
    鎌倉の町に住み、それを満喫している人々の様がおもしろく、主人公が全力で人に寄り添う姿が気持ち良い。
    朝のお茶、掃除、手を清めたり、色々なルーティンでの心の整え方が清くてとても素敵です。

    最近、読み終わった本をどうするか悩み、ずっと持っていてもホコリ、下手すりゃカビが。。。本にも申し訳がないので、結局ブックオフに売ることが多いのですが、この本はずっと持っておきたいと思いました。因みにこの本は、図書館で借りましたが、購入する予定です。

  • 人間味溢れる人たちと素晴らしい情緒の鎌倉。
    清々しいことこの上ない物語。
    ことばの大切さが実感できる一冊。

    • かなさん
      やんやんさん、はじめまして。
      この度はこちらへのフォローといいね、
      ありがとうございます。
      こちらからもフォローさせて頂きますので
      ...
      やんやんさん、はじめまして。
      この度はこちらへのフォローといいね、
      ありがとうございます。
      こちらからもフォローさせて頂きますので
      よろしくお願いします。

      この作品、私も大好きな作品です。
      キラキラ共和国もすごくよかったですよ(^^)
      鎌倉に行きたくなりますっ!
      2023/03/26
    • やんやんさん
      かなさん

      是非、続編も読まさせてもらいます!
      よろしくお願いいたします。
      かなさん

      是非、続編も読まさせてもらいます!
      よろしくお願いいたします。
      2023/03/26
  • 落ち着いた鎌倉の風景やいろんな人々とのふれあいもよかったが、私がこの本の中で、一番心に残ったのは、代書屋として書かれた手紙だ

    代書屋というのは、依頼人に代わって、手紙や宛名書きをする仕事だとは知っていたが、ここに出てくるように、依頼人の性別や手紙の内容によって、あんな風に書体を替えるとは思わなかった

    少しでも、その人の思いを的確に伝えることができるように、筆記用具や書体や便箋、封筒まで替えるんだと感心してしまった
    いろんな切手を準備しておいて、一番ふさわしいのを選ぶ心遣いにもほのぼのとして、楽しくなった

    あちこちに出てくるいろんな手紙を何度も見て、こんな字が書けたらいいのになと羨ましくなった

    手紙やはがきを書くことももらうこともめっきり少なくなってしまった昨今ではあるが、ぽっぽちゃんのように、何種類かの便箋や封筒を常備しておいて、いつもメールですませるのでなく、手紙を書きたいなと思った

  • ドラマでどハマりし、本を友人が持っていて貸してくれました!
    文房具が大好きな私には、是非行ってみたい文房具屋さんです。
    丁寧な暮らしに馴染んでいく主人公が好きです!

  • とても面白かったです。
    代書屋という仕事がはじめはピンとこなかったけど、読み進めていくうちに素敵な仕事だなぁと思いました。
    文字も手紙の種類によって、雰囲気を変えて書き分けたり、筆やペンの種類も色々出てきて楽しかった!勉強になった。
    今はまさにデジタル化の時代で、手書きの手紙なんて本当に書かなくなったけど、やっぱり自分で文字を書く手紙、というのはなくなってほしくないなぁ…

    ポッポちゃんをはじめ、周りに出てくるキャラクターも良く、また続編を読むのが楽しみ!

  • 手書きの手紙って手間がかかる。
    今すべて画面上で手軽にできる時代だからなおさらだ。
    だからこそ、手紙にしたためられた思いは何よりも相手の心に伝わる。

    便箋、封筒はどれにするか、文具は何にするか、あいさつはどうするか、結びはどうするか、そして文字の美しさに気をつけて……
    こんな面倒なことをわざわざしないといけない手紙。
    よほど「伝えたい」と心が動いたときにしか書かない。

    手紙を一番最近書いたのは、結婚式のときだ。
    あれは前夜、思ったよりも時間がかかってばたばたになってしまった思い出がある。
    そしてあれは、ほぼスピーチ用だったので、誰かに宛てて心の内を伝える手紙とは種類が違う、と思っている。

    手紙を一番最近もらったのは、去年の誕生日。友人からだった。
    短い内容だったけど書いてあった言葉がうれしくて、ずっとかばんに入れて持ち歩いている。今も。


    代筆業を継いだ「ポッポ」の元には、さまざまな内容の依頼が舞い込む。
    ポッポは思いや要望を聞いて、便箋や封筒、使う文具、そして切手までも相手に寄り添って選ぶ。
    素敵な仕事だ。
    渡す相手のことをたくさん考えてしたためる手紙って、素敵だ。

    作品中、ありとあらゆる種類の手紙が挿絵として登場する。
    そのすべてを、萱谷恵子さんという字書きさんが担当したとのこと。
    美しい文字や男文字、鏡文字、そして汚文字(おもじ)までもを自由に操っていて
    もはや芸術だなぁと思った。
    この作品に大きく影響を与えていると思う。
    手書きの手紙で、この作品に彩りが大いに与えられて、登場人物の気持ちが直に感じられて、心を動かされた。

    原田マハさんの「本日は、お日柄もよく」が”言葉”の力ならば
    小川糸さんの「ツバキ文具店」は”文字”の力だ。


    夏から始まって春で締めくくられるのもよかった。
    続編だというキラキラ共和国も読んでみたいと思う。
    あと鎌倉にも行ってみたい。

  • バイブルにしたい本!

    心がガサガサした時、
    ホロリと泣きたい時、
    人生訓が欲しい時、
    これで良いのか?迷った時、
    疲れた時、

    とにかく優しさに触れたい時に、
    この本がそっと寄り添ってくれる。

    ポッポちゃんも
    バーバラ婦人も
    パンティーちゃんも、
    QPちゃんも、
    登場人物すべてのキャラクターが際立っている。

    主人公のポッポちゃんも、
    先代との軋轢をかかえている。
    たぶん、深掘りしないけど、他の登場人物にだって、黒歴史やドロドロした部分もあるに違いない。

    コミカルなだけではなく、
    おあつらえの
    優しさごっこではなく、
    どこか泥くさい、人間らしさが随所に感じられ、ツバキ文具店に
    リアリティが感じられる。

    人との距離の取り方も心地よい。

    大人になると、
    第一印象で薄っぺらい人と、
    奥行きのある人にわかれる。

    作中で
    小川糸さんは
    薄っぺらい人を薄っぺらいと
    言い切ってしまう。

    自分のことを言われたみたいでドキッとした。見抜かれてる??

    これから先もバイブルでありつづけるだろう本に出会えたことに感謝しかない!!


  • 1.鳩子のドラマティックな日常に泣いた。

    2.文房具好きにはたまらない。

    3.手紙ってすごいアイテム。

    4.鳩子が代書する手紙がいちいちスゴイ。
    (直筆が読めるのが楽しい。)

    5.ますます読書にハマりました。

    6.絶対にオススメします。

  • 雨宮鳩子。ニックネームは「ポッポちゃん」
    ツバキ文具店の店主にして、江戸時代から続くとされる代書屋の十一代目。

    「先代」から引き継いだというより、仕方なく再開した代書屋。
    先代はポッポちゃんの祖母。
    「おばあちゃん」なんて甘えられる環境ではなかった。
    両親の顔を知らない彼女にとって、先代とは絶対的師弟関係が存在したからだ。


    一度はタンカを切って飛び出した。
    だが、先代の訃報を受け代書屋を再開することに。

    嫌で嫌で仕方なかった幼き日からの訓練が、ポッポちゃん自身を助けていく。

    次から次へと現れる、ありとあらゆるお客様たち。
    一つとして同じ悩みはない。

    人生なんて後悔の連続。
    せめて一筆、手紙でもかけたなら。

    そんな悩みに寄り添って、心尽くしの文具を使い、切手1枚にもこだわり抜く。

    手紙は指先一つで消去などできないのだから。

    そんな人生の節目の小さくて大きな力の代筆屋。


    「過去と他人は変えられない。しかし、未来と自分は変えられる」(カナダの心理学者 エリック・バーン)

    助けたつもりが、助けられている。
    人生なんてそんなもの。

    ほんの少しの気遣いと、真心と、決断と。

    今ここにあるものを大切に生きることで、きっと人生を変えていくことができる。

    そう思わせてくれる、優しくて力強い一書。

  • 「あのね、心の中で、キラキラ、って言うの。目を閉じて、キラキラ、キラキラ、ってそれだけでいいの。そうするとね、心の暗闇にどんどん星が増えて、きれいな星空が広がるの」
    なんて素敵な物語なんだろう。決して完璧ではなく喜怒哀楽全ての感情が豊かで人間味を感じられる主人公、素敵なお隣さん、いくつもの素敵な出逢い。
    えっ、この1冊でこんなにも満たされるの?
    手書きの文字は人の心も繋ぐコミュニケーションであると感じた。
    大切な人に手紙を送りたくなる、自分の気持ちを伝えたくなる物語だった。

  • 一人暮らしをしながら文具店と代筆屋をついだぽっぽちゃん(鳩子からついたニックネーム)先代である祖母から引き継いだが、あまりに厳しくしつけられたので、途中で反抗期を迎え海外へ逃げてしまう。
    祖母の死後、後をついでがんばるも、後悔は残っていた。読み進めるうちに、ぽっぽちゃんの生い立ちや先代とのやり取り、後悔、そしていろんな人との出会いがあり、ささやかな幸せを感じた。

    今時、代筆屋なんてと思って読み出したが、なかなか手紙の材質や筆にまで趣向を凝らして、依頼人の思いを伝えるくれるなんて、そんな人がいたら頼みたいと思ってしまった。
    手紙も本に載っていて、本当に思いが伝わるいい文章だと思った。

  • NHKで多部未華子ちゃん主演で放送されたのですが、
    私の中の鳩子ちゃんはまさに多部未華子ちゃんそのままのイメージです。バーバラ夫人の江波杏子さんもピッタリ!!
    この本を読んで、広島に住んでいた私も鎌倉ファンになり、念願の御成町のスタバや鶴岡八幡宮に行くことができました。
    鎌倉、素敵ですね〜♪

    自分で出す手紙さえなかなか書かない今、その人になりきり手紙を書く、本当に難しい事だと思います。
    その一つ一つがとても感動的でそれぞれの文字や紙、ペンがまた素敵で…

    登場人物もお話の内容も大好きな本でした。
    ぜひ、皆さんにオススメしたいです。

  • 鳩子さんの暮らしが眼に浮かぶようです。人は、いろいろな人と出会って生きていくのですね。おばあちゃんへの手紙、ジーンときました。

  • 気持ちがほっこり暖かになる心のサプリみたいな本。
    本を読んでる間は、鎌倉の町でゆっくりとした時間を過ごしてるような気持ちになれます。
    代書屋という仕事、初めて知りました。綺麗な字を書ける人が代わりに書いてあげるというだけではなく、その人になりきりその人のイメージの字でお手紙を綴る。
    奥が深い。お話しごとに主人公のポッポちゃんが書いたお手紙が付いていて、これがまた字も内容も素敵。
    久しく遠ざかっている美文字練習帳を開こうと思いました。
    今回も美味しそうな食べ物が出てきて、お腹もグーっと。小川糸さんの食べ物の描写って本当にお腹が空いてきます。
    実在するお店や名所がたくさん出てくるので、いつか本を片手に鎌倉に行ってみたいなと思いました。

  • ・死ぬということは、永遠に生きるということでもあるのかもしれない

    ・夜書く手紙には魔物が潜んでいる

  • ハートウォーミングで、時にジーンとくる。
    鎌倉の街並みや暮らしが、代書屋の仕事と絡み合う。穏やかな時間の流れ。巻頭の地図を片手に、鎌倉を歩きたくなる。
    ポッポちゃんの選ぶ、文房具が魅力的。手書きする機会はめっきり減ったが、気に入った文房具で何か書きたくなる。

  • 鎌倉が丁寧に描かれていて、ゆっくり歩いてみたくなりました。人も情景もみんな素敵で、読んでいると自分も穏やかで丁寧な暮らしをしている感覚になっていい気持ち。
    淋しい喪失を味わっても、また続いて生きていける気持ちにさせてくれる一冊です。

  • 鎌倉に行きたくなる。
    出てくる人物が皆愛らしい。
    食べ物が美味しそう。
    お手紙の内容がどれもこれも素敵。
    美しい字を書けるようになりたい!と思った?
    主人公のぽっぽちゃんの暮らしの、自然と周りの人との繋がりが増え、いい距離感で関わってるのが良かった!
    手紙を書くのに、字体から、髪や筆記用具、切手とこだわり抜いてて、素敵だった!
    久々にお手紙を書きたいな。

  • 「食堂かたつむり」に続いて小川糸さん。
    舞台設定が鎌倉というのも、横浜市民にはツボである。(横浜市民は地元愛が特に強いと自認している人が多いと思うが、鎌倉エリアに対しては筆舌し難い憧れがあるのである…と勝手に考えている)

    「食堂かたつむり」は少し現実味のないファンタジー?要素が強かった気がしたのだが、この「ツバキ文具店」は設定が地についているというか、登場人物の性格や生活がそれぞれ手に取るように伝わってきて、物語の舞台である鎌倉に自分もいるかのような感覚で読める。
    本にツバキ文具店周辺の地図や、鳩子が代書した手紙なども載っているのが、読む者の心をくすぐる。
    ドラマは見てないが、ドラマ化されるのも納得。
    登場人物達のその後が気になるので、続編の「キラキラした共和国」も読みたい。

  • まさかの『ツバキ文具店』が再開されたということで、続編を読む前に、もう一度こちらを読みました。
    「あぁ!この代書依頼あったあった」とか凄く懐かしく、2回目も楽しく読めました!

    やはり個性的な登場人物達(笑)。
    最新刊ではみなさんどうなっているのか、とてもとても気になります!

  • 私の母は筆まめである。
    事あるごとに友人にメッセージカードや手紙を書き、私に荷物を送ってくれる時も必ず手紙が添えてある。

    そんな姿を幼い頃から見ていた私も手紙を書くことが好きである。
    手紙って普段口にできない気持ちを表現することができる場だと感じる。
    私も人の心を動かすことのできる手紙を書けるようになりたいものだ。


    送る内容や相手に合わせて書く道具や紙、封筒、切手までこだわる鳩子に知らない世界を教えてもらいました。

    代筆屋としての鳩子の日常と共に、鎌倉での四季の移り変わりをゆったりと楽しめます。
    続編も読みたくなりますよ。

    We can’t convey our feelings if we don’t express them in words.
    It’s significant to cherish what we have now and show our gratitude.

  • すき、この感じ。
    鎌倉に長らく行っていないなぁ。
    続編があって嬉しい。

    2020.7.11

著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2023年 『昨日のパスタ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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