もう、聞こえない

著者 :
  • 幻冬舎
3.53
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本棚登録 : 1448
感想 : 159
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036512

感想・レビュー・書評

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  • 基本的に誉田作品は発売されたら、すぐに読むか、青春もので全く読まないかのどちらかなのだが、今作は何故か図書館で予約して、1年以上かかって、手元に届いた。
    きっとシリーズものではないから、そうしたのだが、内容は全く記憶になく、先に他の方のレビューを読んでから、読むことに。
    レビューの評価は、「内容は微妙だが、面白い」が多く、そんなに期待せずに読み始めたが、確かに微妙な内容なのにページをめくる手が止まらなくなる不思議な話。
    警視庁捜査一課の竹脇は、高井戸署管轄で起きた傷害事件の取り調べで、女性の声が聞こえるという被疑者の取り調べを任される。
    被疑者の女性には、自室で男性を殴打し、殺害した容疑がかけられていたが、被疑者である雪美は供述で、「女性の声がする」と何度も口にし、なかなか取り調べが進まない。
    そんな取調室での竹脇と雪美のやり取りと、被疑者の過去の邂逅部分と相互に描かれるが、これが完全なるミスリード。中盤で種明かしはされるが、完全に雪美の物語だと思って読んでいると、「やられた」感は否めない。
    終始、死者の声を信じるか否かを問われる作品。
    死者の声により、事件は解決するが、それがあり得るのか、あり得ないのかは、ラストにある竹脇に今回の取り調べを依頼した土堂の言葉に集約されている気がする。
    個人的にはこういう作品があってもいいと思う。
    でも。
    どうして、今回竹脇とコンビを組む高井戸署の菊田と言う女性刑事は、「あの菊田」の奥さんだと思われるのに、捜査一課の竹脇は旦那さんを知らないのだろう?
    そして、そこに触れているレビューがほとんどなかったのは何故なのだろう…


  • もう、聞こえない/誉田哲也

    読みました。
    表情絵とタイトル、帯のコメントが
    気になり初めて手に取った誉田哲也氏の小説。

    3割ぐらいが想像していた内容で、
    残りの5割にアッと驚いて、
    最後の2割にはやられたー!という感想です。

    シッカリ騙されて、でもラストは痛快。
    読んで良かった一冊です。
    また別の誉田哲也氏の小説を読むのが楽しみです。

    どなたか、オススメご紹介頂けると嬉しいです。

  • オカルト系か?と思ったけど中盤で読者に対する登場人物のミスリードを種明かししたのが巧み。ここから一気に引き込まれた。3人も死んでいる割にはほんわかした感じで読了。

  • 何とも不思議なミステリー。男を殺してしまった雪美、供述をとると「女の声が聞こえる」と。それは、15年前の女子高生絞殺事件が関わっていた。菊田ってあの菊田の妻?ストロベリーナイト的な?遊び心ありだが、なんかさ、簡単に殺されて可哀想…。

  • 自室で男を殺してしまった女性。
    取調室で彼女が語ったのは「声が聞こえる」。
    ミステリーなのかサスペンスなのかオカルトなのか、どっち方向に向かっていくのかが掴めないままラストまで。
    菊田妻がサブで出てきたこともあり
    いずれ映像化もされそうかな。
    で、誉田さんは今は浜辺美波がお気に入りなのかしらん。
    [図書館·初読·12月2日読了]

  • 幽霊になってしまった真由と、その後輩記者雪実の、女性バディもの。
    誉田作品のたくましい女性キャラが好き。したたか、というか。同性として、読んでいてスカッとする。
    幽霊と記者のコンビというのが、また面白い。新たなシリーズになりそうで、楽しみだ。
    最後の最後で、実は見える人だった土堂さん、は良かったわ。お気に入りのおじさまです。
    続編希望。

  • 自分が返り討ちであっさり殺されちゃって、その怨念よりあくまでも親友みんみがあっさり殺された真相を追究する言霊ゆったん。もっとも怨念は雪実を通じてこれまたあっさり晴らしちゃうんだけど。とにかく殺しがいずれもあっさり。まじで死者とのコンタクト話ですか。コトの真相は同性愛に持ってくんですか。悩める始末は土堂課長の「見えてんだよ、俺には」で煙に巻くんですか。京極夏彦著『書楼弔堂』を思い出す。「言葉は、実は何も表せてはいない。でも、言葉なくして私達は世界を識ることができない」この巻末では「まだ、聞こえてる」ようで。

  • もう聞こえない、、、、聞こえてるじゃないかーい!ホラーミステリーと言えば良いのかな。ホラーとミステリーの両方を得意とする筆者ならではの作品。とても丁寧に描かれていて登場人物それぞれの個性をしっかり描写しているのですごく引き込まれた。とくに真由と雪美のやりとりは笑いあり、泣きあり、更に切なさなもあり楽しませてもらった。誉田臭全開の傑作でした!

  • 『あの、、ちょっと前からですけど、声が、、、聞こえるんです』 ミステリー?ホラー?! 声が聞こえる雪実。言霊になった?真由。2人?の女性が巻き込まれる事件の真相は? 気になって先を、先を。スピーディーに読み切れちゃった。ストロベリーナイトシリーズが大好きなワタシにとっては、ちょっとしたリンクにもニヤニヤ。唯一、福澤諭吉は、、ちょっと、物語の世界から覚めちゃいそうになって頭に余り残さないように意識しながら読んだわぁ。

  • 幽霊のくだりはちょっと長くて飽きてしまいそうだった。土堂課長のオチが良かった。雪実の行動力に感心しました。面白かったです。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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