- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396338329
感想・レビュー・書評
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祥伝社ムックFeelLove vol.2 2008Winter西加奈子宇田川のマリア、vol.8 2010Winter南綾子インドはむりめ、vol.16 2012Summer飛鳥井千砂神様たちのいるところ、vol.17 2013Winter彩瀬まるかなしい食べもの、柚木麻子残業バケーション、小説NON2005年2月号瀬尾まいこ運命の湯、の6つの短編を2013年4月祥伝社文庫刊。恋愛アンソロジーシリーズ5作目。瀬尾さんの「運命の湯」のコメディ調の展開が楽しくて笑ってしまう。南さんの「残業バケーション」も設定が楽しくて面白い。綾瀬さんの「かなしい食べもの」は心に残ります。煙楽さんの表紙が良い。
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色々な作家さんを1冊で読めてお得な気分。
それぞれの作風が色濃く出てて面白い。
ほっこりもあればぶっ飛んでるものもあり、主人公の女性もいろんなタイプがいて、本当に1冊でたくさん楽しめました。
運命の人っていうのは、白馬に乗った王子様だけではない。
タイトルと表紙から、甘々恋愛小説だと思って読むとかなり期待はずれなので要注意。
飛鳥井千砂
「神様たちのいるところ」
彩瀬まる
「かなしい食べ物」
瀬尾まいこ
「運命の湯」
西加奈子
「宇田川のマリア」
南綾子
「インドはむりめ」
柚木麻子
「残業バケーション」 -
知ってる作家さんもいれば、はじめましての作家さんもいて
すごく盛り沢山な感じの本だった。
飛鳥井千砂「神様たちのいるところ」
元カレとの約束でギリシャに降り立つ。
彩瀬まる「かなしい食べ物」
同棲中の彼女から枝豆チーズパンを作るようねだられる。
瀬尾まいこ「運命の湯」
呂三男じいさんとジュリエット。
西加奈子「宇田川のマリア」
殺されたはずなのに、みんな私のことが見えるの?
南綾子「インドはむりめ」
結婚してもお母さんになっても、絶対に友達でいようね…。
柚木麻子「残業バケーション」
昔のドラマを録画したビデオを探し出す。
私、西加奈子さんの作品を初めて読んだんだけど、
ぶっ飛んでたー笑
あれ、これ、私の好きなヤツー笑
ちょっと嬉しい出会いがありましたー!! -
「運命の人はどこですか?」という題が何だか女性向け恋愛エッセイみたいだなぁ、もうちょっと工夫が欲しかったとも思ったけれど、それぞれのヒロインが必死で赤い糸を手繰り寄せ、行き詰った「今」を変えようとする焦燥感が伝わってきて、どの作品も面白く読めました。
気に入った作品をピックアップしてみると…
飛鳥井さんの「神様たちのいるところ」は、展開が少女漫画的でベタすぎないか?と一瞬思ったけど、後半での捻り方が彼女らしく巧かった。
彩瀬さんの「かなしい食べもの」、切なさ漂ってよかったな~、彼女の作品をアンソロジーで読むのは三度目、どれもハズレなし!今後が楽しみな作家の一人だ。
個人的にダントツで好きだったのは、柚木さんの「残業バケーション」。90年前半のドラマの名作「その時、ハートは盗まれた!」を軸に展開するんだけど、当時ドラマのノベライズを多く手掛けていた小泉すみれさんとか、小ネタがいちいち懐かしくて、私も無性にこのドラマを見たくなりました!「運命の人」ってテーマも、いい形でハマっていたかなと。
これらの作品の大部分の初出である文芸誌‘Feel Love’、好きなんですよ。気鋭の女性作家たちがいい作品を発表してるんで、今後の単行本化も楽しみであります。アンソロジーも色々出して下さい、今回のようにいきなりの文庫化は、お財布にも優しいので大歓迎です! -
10分で読める断片を4つ、1つ330円で購入。よく見ないでAmazonでポチッ。瀬尾さんの連作集だと思ったのに。全部ほどほどに読めるお話だったことは救いでした。30歳到達でドキドキしていたことなんて自分にあったのかなぁ、なんて遠い昔を思ってみました。
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好きな作家さんたちだったので読んでみた。運命の人って恋愛に限った話じゃないなと思ったのが、瀬尾まいこさんの「運命の湯」。他の作品もほんわかいい話。
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自分の求める「たったひとり」を探す主人公たち。
個人的によかったのは、飛鳥井千砂さんの『神様たちのいるところ』と柚木麻子さんの『残業バケーション』かな。
昔の何気ない約束を忘れられない気持ち、わかります。
相手が覚えているかもわからないのに、忘れているだろうなと思いつつも、じっとしてられない感覚。
何かを変えたくて、何かしなきゃともがいて。
約束って、お互い覚えていたら美談ですけど、片方だけ覚えてるのは切ないですよね。
同僚なのに存在感がなくて、趣味が同じとわかってから急接近!というのが、とてもときめく感覚が伝わってきて好きでした。
親近感わいて、急激に距離が縮まっていくのが自分でもわかって、それに戸惑うところが微笑ましい。
こういうドキドキ好きだなぁ。
同じ趣味で同じテンションで話せる相手っていいですよね。
そんな人と付き合えたら楽しいだろなぁ。 -
神様たちのいるところ/飛鳥井千砂
かなしい食べもの/彩瀬まる
運命の湯/瀬尾まいこ
宇田川のマリア/西加奈子
インドはむりめ/南綾子
残業バケーション/柚木麻子
読後一番の感想は、「恋愛アンソロジーじゃないやん!」です。運命は恋愛だけじゃない。
好きなのは【運命の湯】
おもしろかったのは【神様たちのいるところ】
意表をついたのは【宇田川のマリア】
彩瀬まるは、もっといろんな話を読んでみたい。 -
一番、いいなぁ、と思ったのは、彩瀬まるさんの『かなしい食べもの』だけれど、一番好きなのは、柚木麻子さんの『残業バケーション』かなぁ・・・。
でも、全部すごく良くて、どれが一番とはなかなか決められないです。
飛鳥井千砂さんの『神様たちのいるところ』は、好きなんだけれど、せつなすぎて辛い。
瀬尾まい子さんの『運命の湯』は、いかにも瀬尾さんらしい、ほっこり感に癒されて、良かったです。
西加奈子さんの『宇田川のマリア』は、だんだん泥酔していく描写が秀逸!
後、何だかんだで逞しい主人公が、いかにも西さん、な感じ。
南綾子さんの『インドはむりめ』も、変わりたくなくて、今のままがいい、のに、人生の岐路に立たされる女達に、うんうん!と頷いたり。
恋愛アンソロジーシリーズ、早く次のが出ないかなぁ。