腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550626

感想・レビュー・書評

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  • どんなに眼と鼻の先に置かれていても、
    心身ともに健やかな者の視界には
    絶対に入ってこないというものがこの世にはある。

  • 図書館が長期休館。本屋の店先で購入した古本から。

    市民サーヴィス課臨時出張所
    櫃洗市のみなさまへ
    日頃のご意見、ご要望、なんでもお聞かせください
    個人的なお悩みもお気軽にどうぞ
    櫃洗市一般苦情係

    丸いフレームの銀縁メガネ。年齢不詳。無表情。白いシャツに黒っぽいネクタイ。両腕の肘まで嵌めた黒い腕貫。
    「そこ(ご利用者氏名一覧表)へ名前を記入して、そちらに座ってお待ちください」
    なんて役所的なんだ!
    でも気になるアノ事を相談するとスルスルと答えが見つかるようになる。
    相談なのがポイント。解決するのはあなたです。

    初、西澤保彦。
    表紙の絵のイメージで軽く読める推理小説と手に取った。
    確かにアッサリ読めるけど、思ったよりずっと本格派で驚く。(失礼…)
    ただ、登場人物の名前がどれも読めなくて、読み終えて一人の名前も覚えてない。なんだこれ。

    夜中のバス停で発見した半裸死体が移動した謎。
    再婚前の幸せな時期に突然ストレスが原因らしい体調不良になったお母さんの謎。
    浮気男が本気になった相手の秘密。
    押入れの奥から出てきた20年前の学生証の束の謎。
    殺害された有名作家は何故レストランで食事をせずに出ていったのか。
    会社のナンパ野郎どもの秘密を暴いた彼女たちの罠?
    個展の片付けで1つ残った絵の箱の謎。

    腕貫氏の出現の仕方が大好きなクリスティのクィン氏を思わせて嬉しい。
    謎解きとチラチラ現れる彼らの動向とダブルで楽しめた。
    男子はヘタレでどうしようもない、女子はバリっと強くて怖い。
    そんな登場人物たちも魅力的だった。
    続編があるらしいので探してみたい。

  • 『叫びたくなるほど面白い!』という宣伝文句につられて購入。
    7つの短い話で構成されている。

    よくある殺人事件が起きて探偵が解決!のような話はほとんど無く、各主人公の日常で起こった謎を探偵に相談して解決に導かれていくという感じ。

    あっさりと問題解決してしまうので、ちょっと淡泊な感じもしたけど、意外なところもあって面白かった。

  • 1話ずつ完結していて読みやすい。櫃洗を舞台に、神出鬼没の出張相談窓口公務員が安楽椅子探偵を繰り広げる。

    登場人物の名前が読めなすぎて困ったw

  • オーディオブックにて。

  • さっと読める感じ。なぜなのかを考えるのが面白くなる。

  • 市民サーヴィス課臨時出張所櫃洗市一般苦情係、腕貫をしたその男に寄せられるのは些細な悩みから殺人事件まで様々。 パイプ椅子に座った探偵が概要だけで事件解決!?

     役所勤めの腕貫男が冷静井に事件を解決してゆく短編集、シリーズ第一作。 短編集としてはかなり良かったです。

  • 再読

  • 話自体は面白いのだけど、とにかく名前が読みにくくて困った。
    一つの話に一人ならまだしも、主要人物全員がややこしい名前の時など何度も最初のページに戻って読みを確認しなければならず閉口した。
    こういうのって、編集の人は口を出したりしないのだろうか。
    次巻も読みたいが、また読みにくい難読の名前の人物ばかり出てくるんだろうなあ。

  • 寡聞にして腕貫という言葉を初めて知った。事務の方がしているあの黒いアームカバーは腕貫と言うのか!腕貫を着用した市役所職員が、市民に相談された謎をさらりと解き明かす連作ミステリー。

    難読名字の読み方をすぐに忘れてしまい、数ページ戻って読み仮名を確認してしまうまでがお約束。いくつかの作品は少しホラー味もあったけれど、全体としては安心のユーモアミステリー。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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