やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~

  • 大和書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794127

感想・レビュー・書評

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  • コロンビア大学ビジネススクールの社会心理学者である著者が、いかに目標立て、それを達成するかを説いた一冊。

    タイトルに「意思力を使わずに自分を動かす」とあるが、いかに自分の意思をスムースに目標達成に向わせるかの方法論が様々に書かれていて、非常に実践的。

    自分で実践してみようと思った項目は以下。

     ・「なぜ」を考えてモチベーションをあげて、「何」を考えて具体的な行動におとす。
     
     ・得られるものと障害の大きさを比較する。

     ・難しいことをするときは、小さなステップを意識する。

     ・「いつ」「どこで」するのかを明確にする。

    また、本書では他人のモチベーションをあげて目標達成に向かせるかも書かれていて、マネージメントにも生かせる。その点は以下。

     ・「自律性」「有能感」「関係性」が満たされているかを考える。
     ・自分で管理している感覚を与える。
     ・どうすれば改善するかを考えさせるフィードバックを与える。

  • 電車の中吊りで気になってた本。
    読んでよかった!
    目標のタイプ、その特性、そして目標達成の為の適切なアプローチ。
    ところどころ学生等を対象にした実験結果が盛り込まれており、とても説得力があります。
    自分自身だけじゃなく、チームのモチベーションにも大いに役立てそう。

    やってのけてみせます!

  • 今まで読んできた自己啓発本の中で、上位に入るとても良い本だと思います。
    著者は心理学者なので、本の内容も心理学に基づいたものとなっています。なので説得力ありです。

    何かを成し遂げたい方、やりたい気持ちが有っても別の誘惑に負けてしまう方に、とても向いていると感じました。

  • 自制心は使いすぎると枯渇する、というところに妙に納得。

  • 201402/

    「ベストを尽くせ」よりはるかに有効なのが、「具体的で難易度が高い目標」の設定です。/

    遠い将来について考えるとき、わたしたちは現実的な考えよりも、メリットを優先させる理想主義者の視点に立ちます。近い将来について考えるときは、ビジネスライクな現実主義者の視点に立ちます。遠い将来については探検家のように夢と野心を抱く人も、近い将来の話になると会計士のように現実的に考えるのです。つまり、予定を決めるときは、近い将来か遠い将来のどちらについて考えているかを自覚し、それが自らの思考にどう影響しているかを考慮すると、よい判断がしやすくなります。/

    ラクに目標を達成できると考えると、私たちは努力を怠ります。そして、いざフタを開けてみると、現実が甘くないことを知り、打ちのめされるのです。このような罠に陥らずに目標を設定するためには、「目標設定時には達成後に得られるものをポジティブに考え、実際に行動するときは、達成のために必要なことを現実的に考える」というアプローチが最適です。/

    「防御型」は邪魔されたほうが頑張れる/

    獲得型は、正確さよりもスピードを好みます。/

    エドワード・デシとリチャード・ライアンが主張する「自己決定理論」には、多くの心理学者が同意しています。この理論では、基本的欲求は「関係性」「有能感」「自律性」の3つであると定義します。/

    決意があってもゴールにたどり着けない大きな理由の一つは、行動のタイミングを逃すことです。/

    一日のなかには、行動の機会がたくさんあります。わたしたちはチャンスに出会うと、自覚しているか否かにかかわらず、何をすべきかを考えます。ところが、選ぶべき行動が多く、迷いが生じるために、せっかくのチャンスを逃してしまうのです。取り組むべき目標と行動は何かを考え、そのときの気分に合わせて最適なものを選ぶのは容易ではありません。/

    シンプルな計画が桁外れの効果をあげる
    (「何を」「いつ」「どこで」「どのように」実行するかを具体的に示す)/

    クリスマス休暇の直前、学期末試験に向かう学生を呼び止め、調査への協力を依頼します。調査のテーマは、「現代人の休暇の過ごし方」です。
    参加を承諾した学生には、クリスマス休暇をどう過ごしたかについての詳しいエッセイを、帰省先で書くよう依頼します。投函期限は、クリスマス当日から48時間以内です。
    半分の学生のみに、もう一つ指示を出しました。エッセイを書く予定の時間と場所を具体的に決めてもらったのです。学生はその場で時間と場所を紙に書き、ゴルヴィツァーらに渡してから、試験会場に向かいました。
    クリスマスから数日後、ゴルヴィツァーらのもとにエッセイが届き始めました。エッセイを書く場所と時間を決めなかった学生、つまり、計画を作成しなかった学生で実際にエッセイを送ってきたのは、わずか32%でした。一方、各時間と場所を決めるという、ごくシンプルな計画を作成した学生は71%もエッセイを送付してきました。計画をつくらなかった学生たちの2倍以上の数値です。/

    ネガティブなフィードバックを与える場合は、本当に相手のためになるよう留意すべき点がいくつかあります。
    まずは、問題をできるだけ「具体的」に示すことです。
    悪い例:君は連絡や報告がなってない。
    良い例:君のプロジェクトの進捗とスケジュール管理の状況をもっとよく知りたい。毎週簡単な打ち合わせをしよう。そこで逐次報告してほしい。/

    相手を気遣いたくても、相手に責任がないかのように思わせる言葉をかけるべきではありません。「成果が出ないのは自分の責任だ」と自覚することで、改善のために何をすべきかを考えるようになるからです。「努力が足りない」「別の方法を試すべきだ」と相手に伝えるのは、心からそう感じているのであれば必要なことです。ただし、本人にそれを改善する力があると理解させることが大切です。相手を信じ、しっかりとそれを伝えましょう。
    悪い例:化学の成績が悪いのを気にすることはないよ。君には向いていないんだ。作文ではすごい才能を発揮しているじゃないか。
    良い例:化学の成績のことだけど、勉強方法が適切でなかったのではないだろうか。作文と同じような姿勢で化学の勉強に取り組んではどうだろう。次の化学の試験までにどれくらい改善できるか、勉強時間と勉強方法について話し合おう。/

    研究によっても、報われない努力を誉められた相手は、自分の愚かさをさらに強く意識するようになることが分かっています。フィードバックを与えた人の意図に反する、逆効果が生じることが多いのです。真剣に取り組んだ結果うまくいかなかったときは、ただ慰めようとするのではなく、必要な情報を伝えるようにしましょう。/

    科学的に正しい「ほめ方」5つの鉄則
    (1)賞賛の言葉は「本心からのもの」であること
    (2)相手がコントロールできる行動を重視する
    (3)人と比較しない
    (4)自律性の感覚を損ねない
    (5)達成可能な基準と期待を伝える/

    大切なのは、能力だけをほめないことです。能力を生かすために必要な努力やアプローチも同時にほめるようにするのです。
    悪い例:よくできたわね。あなたは本当に賢い子だわ。
    良い例:よくできたわね。試験勉強を頑張ったからだわ。たくさんのことが身についたはずよ。/

    ほめるときは、相手が成長した点に注意を向けましょう。他者との比較ではなく、本人の現状と過去の実績を比べるのです。成長したことをほめられれば、さらに自分を向上させようとする意欲が高まります。
    悪い例:君はこの学部のなかで一番優秀だ。
    良い例:君はこのプログラムを始めてからとても成長した。いまではもう立派な研究者だ。/

    勉強のできる子供に、「将来はハーバード大学に合格間違いなしだね」と言ったり、運動が得意な子供に「未来のオリンピック選手だな」などと言ったりするのは、無害な誉め言葉のようにも聞こえますが、そういう言葉を繰り返し聞かされた相手は、「自分にはそうなるしか道がない」と考えてしまうこともあります。
    ハードルを高く設定するのは大切ですが、現実的であることも重要です。
    悪い例:いつもこれくらいのプレーができれば、メジャーリーグも夢じゃないぞ!
    良い例:今日は素晴らしいプレーだった。次の試合でさらにいいパフォーマンスを出すためにはどう練習や準備をすればいいか、考えてみよう。/

  • 目標を達成するには⁉︎...を心理学的な見識から具体的に書かれている。確かに一般的な自己啓発書とは一線を画するが...その分面白みに欠けるところがある。

  • やってのけられそうな気になってきた!

    今まで行動に移せなかったことに、こんな心の動きがあったなんてと、いろいろとアタマなのかが整理できました。

  • 才能や(無制限の)自制心•精神力を頼るのでなく、適切な目標•計画設定の重要さを教えてくれるの書。心理学の最近の成果を裏付けに説得力のある論が展開される。訳もよい。
    もっと若い頃に読んでおきたかった、と素直に思えた良書。

  • 目標設定やその目標に馴染む達成方法などが細かく記入されており、所々に出て来る大学等での実験結果が興味深い。いわゆる指導本ではなく、そこから一歩引いて学術的に俯瞰しているのだなという印象。その部分がどうすれば良いかというKnow How本として期待して購入すると実用的でないという人がいることでしょう。読むだけで目標達成出来るようになる本だと思ってた的な横着な人達には不評を買う本かも知れません。私は面白かったですけど...。

  • 述べられていることが、実際の実験結果で支えられていて、説得力がある。すっと落ちる。
    もっと深く知りたいと思う点もあるけれど、そこは読みやすさとトレードオフかな

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