ねじ式/夜が掴む: つげ義春コレクション (ちくま文庫 つ 14-1 つげ義春コレクション)
- 筑摩書房 (2008年10月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480425416
作品紹介・あらすじ
つげ義春ワールドの極点「ねじ式」に始まる"夢の作品群"と、それと並行して書かれた若い夫婦の生活を描いた"日常もの"を集大成。
感想・レビュー・書評
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不思議な漫画としかいいようがない。百年後には名作になっているかもしれない。(今も名作だと思うが)この作者はオチをどうしようか、とか考えてないのか?それとも意図的?夢の断片的な部分とか、でたらめだけど夢の中ではでたらめと思わないとか、そこの表現がすごい。
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なんかヤバいもの見ちまった、という印象を持たせる独特の世界観な数々の小編。味わい深いものもあるがどちらかというと精神保健上の問題を抱えていると思える内容が多い。窓を開けていると夜が入ってくる、というような体験世界は健康的ではない。好き嫌いが分かれるだろうが、はっきり申し上げて、好き。
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「説明」しようとした途端壊れてしまう世界。妄想が具体化されてしまったみたいで、ぶるっとする。
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夢の大半は悪夢だという説があるが、つげ義春の漫画を読んでいると、なにか悪い夢でも見ているような気分になってくる。とくに、表題作の「ねじ式」に代表されるような、シュールな作品群がそうである。事実この作品は、作者自身が見た夢が元になっていたと記憶している。
主人公は医者を探しているのだが、助けを求めた相手はこう言う。「つまりきみの言いたいのはこういうことでしょう。医者はどこだ!」途中、生まれる前の母親(?)が出てきたりする。となり村へ行こうとして汽車に乗るが、元の村に戻ってきてしまう。挙げ句の果てに、主人公は腕を怪我しているのに、シリツ(手術)するのは外科医ではなく産婦人科医である。もうわけがわからない。
まさに夢とは、このようにわけのわからないものである。もちろん、作者は自分の見た夢をそのまま描いたわけではないだろうが、こうした作品に仕上げるのはじつは簡単ではない。私も夢から覚めたあとで、「この夢を小説にしたら面白いのではないか!」といった経験が何度もあるが、実際にやってみると全然うまくいかない。夢とは、まさに「話にならない」からである。
いくら夢を下敷きにしているといったって、こんな話は考えて作れるものではない。これはある種の文学的才能ではないか。著者の頭の中がどうなっているのか、気になって仕方がない。 -
有名なので読んでみた。なるほどよくわからん。どことなくヴァロットンやエルンストっぽさを感じた。
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昔、中野で 面白いな。と思って購入した、「眼科」という文字と目が描かれた赤い缶バッジは、「ねじ式」の一場面でした。
そういう縁ってある。 -
「ねじ式」「外のふくらみ」が好き。
「夜が摑む」の“窓をあけたまま寝ていたら夜が入ってくるじゃないか”という台詞が良い! -
ぞぞーうっ、とする。
支離滅裂なのに、一度見たら強烈に印象に残る。
芸術、娯楽、うーん…、
職人という感じ。ガロ周辺の漫画家は。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764266
だって、つげ義春の作品って妄想まみれだもの、ご本人が絶えず夢の中だからでしょう。。。
だって、つげ義春の作品って妄想まみれだもの、ご本人が絶えず夢の中だからでしょう。。。