絶叫委員会 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.03
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本棚登録 : 894
レビュー : 111
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480430663

感想・レビュー・書評

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  • 以前、単行本でも読んだのに文庫を買ってしまいました…ほむほむ中毒者だなぁと思います。

    ポスターや広告のキャッチコピーを思わず二度見してしまったり。
    耳慣れないけれど、妙にリアルなオノマトペにびっくりしつつも納得してしまったり。
    電車の中や喫茶店で、知らない誰かの会話の断片が耳に飛び込んできてドキッとしたり。
    そんな経験、きっと誰にでもあると思います。
    日常の中から転がり出てきた「偶然性による結果的ポエム」が、ほむらさんによって掬い上げられ、1冊の本になりました。

    駅の窓口で同僚が「うわわ」と言い放った瞬間。
    その瞬間に、この世に「うわわ、きたうわわ、みなみうわわ、ひがしうわわ、にしうわわ、なかうわわ、むさしうわわ」が同時に出現した気持ちになった…というほむらさん…すてきすぎます。(うわわ、は浦和の言い間違いです…念のため)
    くだらなくも愛おしい言葉の数々にときめいてしまうのでした。

  • 読んでいる間ずっと、幸せでした。
    著者がまちで出合った言葉を掬い上げ、考察した本。
    まず、冒頭あたりにある著者の友人の短歌に感じ入りました。
    「『俺の靴どこ』が最後の言葉ってお母さんは折れそうに笑って」
    巧まざるユーモアに、思わず吹き出すものも。
    たとえば、姿を消して久しい駅の伝言板にあった言葉。
    「犬、特にシーズ犬」
    よく分からないのに面白い。
    談志のイリュージョンにも通じるところがあります。
    若い男の子同士の会話もいいなぁ。
    「俺さ、Tシャツないんだよ」
    「俺あるよ」
    「嘘まじ?」
    「うん」
    「Tシャツだよ」
    「うん、Tシャツ」
    「あるの? Tシャツ」
    「めちゃめちゃあるよ」
    「1個くれよ」
    「うん、やだ」
    「2軍でいいからさ」
    この他愛無さ。
    著者の言うように、「2軍」がいい。
    あと、やっぱりフレッド・ブラッシーの逸話ですね。
    母から「リングの上の怖ろしいお前と、私の知っている優しいお前と、どっちが本当のお前なの?」と聞かれた時のブラッシーの答えがこれ。
    「どちらも本当の私ではない」
    痺れる。
    痺れます。
    これらはほんの一部。
    意外性に満ちた言葉の数々に括目しきり。
    それらを拾い上げる著者の目線の低さにも敬服します。
    さて、本書でも、言及していますが、うっかり下手なことを言えない時代になりました。
    正論、正義が大手を振ってネット世界を闊歩しています。
    大変に息苦しい時代。
    そう感じている人にぜひ読んでほしい。
    世の中、捨てたもんじゃないと感じると思います。

  • 20150602
    ずっと気になっていた「絶叫委員会」あっという間に読み終えてしまいました。
    一番心に残ったのは、電車の中で話しかけてきたおばあさんの話かな。「知らない人よ。あなたの知らない人。」わたしもすごく素敵だと思う。もし、自分が同じシチュエーションを味わったとしたら、「知らない人よ。あなたの知らない人。」と言われる前までは、ポカンとして「なーんか変な人に絡まれちゃったかな。」と思うのだろうけど、「知らない人よ。あなたの知らない人。」この一言を言われたら、一気に素敵なことに変わりそうな気がするんです。
    あとはムロタくんの名言集。ムロタくん、好きだなあ。今なにしてるんだろう。

  • 「偶然性による結果的ポエム」
    ヤクザの、恋人同士の、小学生の、女性の、発した言葉を切り取って書き留めると、こんなにも味わい深い言葉の世界が覗ける。発した人が詩人ではなく、その言葉に面白みを感じて書き留めることこそ、センスがないとできない。

  • ここで穂村さんが綴っている、印象的な言葉たちは、実はわたしたちの生活の中でもけっこう現れてる気がする。聞いた瞬間、「おおおおっ!!!」ってなるのだけど、いつのまにか忘れてしまう。
    それを発する人に魅力を感じるのはもちろんだけど、それを忘れずにこうして残してくれる穂村さんのような存在はほんとに大変ありがたい。

  • ほむほむが日常で見つけたり聞き留めたことばを紹介しているもの。きれいな言葉や美しい言い回しとかじゃなくて、面白かったりちょっとおかしな言葉ね。それでいてちゃんとその場にはなじんでいたり、その場を和ませたりする言葉。
    電車の中とか街のなか、私はあまり人の言葉を耳に留めることがないと思うし、たまたま留まったとしても「ふーん」って思ったり、すぐ忘れちゃうと思う。でも、ほむほむはちゃんと手帳に書き留めたりしているみたい。そうすると、巷って、言葉ってこんなに面白いんだって感じる。ほむほむみたいに言葉に敏感になりたいなと思った。
    ほむほむって呼ばれてるし(ファンの人たちからは)、書いていることもヘタしたら小・中学生男子っぽかったりするから、自分より少し年上くらいの年齢かと思っていたけど、ほむほむは1962年生まれ。だいぶお兄さんだった。

  • すごくすごく面白かった!
    星5つじゃ足りない。星10こくらいつけたい面白さだった。

    今まで、漫画を読んでいて声を出して笑ってしまったことがある。でも漫画以外でそういう経験が無かったし、この本は笑えるから電車で読んではダメ!と言われても、そうそう信じていなかった。

    それが…10回は声に出して笑ってしまった。この本をビブリオバトルで紹介してくださった方に本当に感謝。

    解説で、つまりホムラがいいんですよ。と南さんは言っているけれど、まさしくそう。穂村さんがおおって思って取り上げる人達のつぶやきが、わたしは好きなんだな。そして、そういう人達をキュートだなって書く穂村さんが大好きなんだな!

  • おもしろい!!
    笑った。。

    何気ない言葉に秘められた威力、というか、今まで自分がいかに日常への注意が足りなかったのか、ということに気付かされた。

    穂村さんの本、初めて読了。
    知らなかったけど、詩もお書きになるんですね。

    ぜひ詩集も読んでみたい。
    もっというと自分でも詩を書いてみたい。
    それと、グッとくる一言、とか、「うーん、キュート!」って思わず唸る言葉、私もスクラップしたいな。

    この本読んでる間、電車の中や、歩きながら、何度笑いが漏れてしまったことか。。
    でも、いちばん衝撃波が強すぎて、私語禁止の喫茶店で過呼吸になりかけたのは、あとがきの南伸坊さんからの、ゾウの感想の引用。

  • 短歌は枡野さん派なのでなんとなく遠ざけていた穂村さん。

    タイトルと表紙に惹かれて買ってみたら…めちゃくちゃおもしろいじゃないですか!!!

    なんといっても言葉の選び方が秀逸。さすが言葉を扱うプロだなあと感じました。

    電車の中では読めません。

  • 日常や非日常やフィクションの中にひそむ奇跡的な天使的な言葉の数々。気づけば見える世界が拡張されていく幸福。面白いエッセイ!

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著者プロフィール

穂村弘(ほむら ひろし)
1962年、北海道生まれの歌人。1990年歌集『シンジケート』でデビュー。その後、短歌のみならず、評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍中。2008年『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、『楽しい一日』で第44回短歌研究賞、2017年『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞、2018年『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞をそれぞれ受賞。歌集に『ドライ ドライ アイス』、『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』。その他代表作に、『本当はちがうんだ日記』『絶叫委員会』『世界音痴』『整形前夜』『蚊がいる』『短歌ください』『野良猫を尊敬した日』など著書多数。

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