リスペクト ――R・E・S・P・E・C・T (単行本 --)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 1011
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480815736

作品紹介・あらすじ

2014年ロンドンで実際に起きた占拠事件をモデルとした小説。理不尽な理由で住宅退去を迫られたシングルマザーたちが立ち上がる。バービー氏、栗原康氏絶賛。

感想・レビュー・書評

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  • 「あたしたち、多かれ少なかれ、みんな旅の途中で西の魔女に何かを奪われちゃってたんだと思う。自信とか、やる気とか、人を信じる力とか。」

    というわけで、1,000冊目はこいつにしておけば綺麗だったかなのひまわりめろんでございます

    『リスペクト』です
    リスペクトってのは日本語では尊重するとか尊敬するって意味になるみたいですね
    重んじる、敬うってことですよね

    人は全て生まれながらにリスペクトされるべき存在なのです!
    え?本当?
    もちろん本当です
    生きるってことは尊いんですよ!

    だけど時に人は様々な理由で、ある特定の人々に向けて『リスペクト』することを忘れてしまうことがある
    『リスペクト』に値しない存在と無意識に切り捨ててしまうことがある

    この物語はそんな切り捨てられようとしている人たちが闘う物語である
    闘う相手は『リスペクト』を忘れてしまった人々ではない
    そんな人々を生み出し続ける社会という名の西の魔女だ!

    • 1Q84O1さん
      やっぱり一門をリスペクトする気持ちは大切ですよね!
      そう思って読んだんですよね〜w
      やっぱり一門をリスペクトする気持ちは大切ですよね!
      そう思って読んだんですよね〜w
      2023/10/05
    • ひまわりめろんさん
      1ミクロンも思いませんでした
      イギリス人にとっての『オズの魔法使い』って日本人で言うたら『桃太郎』かな?って思いながら読んでました
      1ミクロンも思いませんでした
      イギリス人にとっての『オズの魔法使い』って日本人で言うたら『桃太郎』かな?って思いながら読んでました
      2023/10/05
    • 1Q84O1さん
      『オズ』も『桃太郎』も置いといて、1ヨクトメートルぐらいは思ってくださいよ〜
      『オズ』も『桃太郎』も置いといて、1ヨクトメートルぐらいは思ってくださいよ〜
      2023/10/05
  • 2012年のロンドンオリンピックは、そのレガシーばかりが賞賛されていたが、ロンドンの街ではこんな社会問題が深刻になっていたとは!

    日本ではちょっと想像しがたい抗議運動…
    社会問題の根の深さや都市の空気感など、それを肌で知るイギリス在住のブレイディみかこさんにしか書けないものですね。

  • ブレイディみかこ──希望はドラッグじゃない。現実から目を逸らすために安売りすべきではないんです。【Women of the Year】 | Vogue Japan(2021年1月10日)
    https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/woty-mikako-brady

    ブレイディみかこ「他者理解のエンパシーが自己の可能性も開く」 | 日経BOOKプラス(2023.7.3)
    https://bookplus.nikkei.com/atcl/column/050800242/051700005/

    リスペクト ブレイディみかこ(本文) - 筑摩書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480815736

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ◆「住む」という尊厳のため[評]陣野俊史(文芸評論家)
      <書評>『リスペクト R・E・S・P・E・C・T』ブレイディみかこ 著:東京新聞 T...
      ◆「住む」という尊厳のため[評]陣野俊史(文芸評論家)
      <書評>『リスペクト R・E・S・P・E・C・T』ブレイディみかこ 著:東京新聞 TOKYO Web
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/289423?rct=shohyo
      2023/11/13
  • もっと現実に沿った内容で、リアリティーのある物語を期待していた分、少しがっかりしてしまいました。
    勝手な思い込みでした!
    とはいえ、社会的な問題を、簡潔な言葉で分かりやすいのに心に残る言葉で語れるフレディみかこさん、さすがです‼️

  • 「公営住宅の修繕費が嵩むから閉鎖」そこから追い出されようとしている、シングルマザーたちが立ち上がるストーリー。
    私の住む宮城県でも知事が県営住宅の廃止の方針を打ち出している。こちらは年金生活の高齢者が多いのだけど、そこに住む人々をリスペクトしない行政は国が違っても同じと感じた。

  • 2014年にロンドンで実際に起きた事件をモデルとした小説。
    カバーに登場人物が描かれているし、
    ひとりひとりの説明もあるので
    イメージしやすくなっています。

    〈自然にまっとうに自分たちでできることを、
    できないって思い込めば思い込むほど、
    支配する者たちの力は強大になる。(略)
    俺らに任せとけって勝手になんでもかんでも決めるようになる。
    そうやって権力は、俺らが、つまり人間が本来持っている力を削いでいくんだ〉

    〈あたしたちは無防備過ぎたのだ。
    無防備に顔や名前を出し、
    住む場所まで解放して運動している。
    最初からすべて間違っていたのではないか〉

    〈こんなことになってしまった。良い意味でも悪い意味でもこんなことにまでなってしまったのだ。(略)
    あたしは裁判なんて望んでいなかったのではないか〉

    そういった感情の揺れは非常に理解できます。
    行動を起こしたものの、予想外に発展していって戸惑ってしまう。

    日本ではこういう事件は起こらないだろうな。
    イギリスだから。

    それでももし日本で同じようなことが起こったら?
    私は傍観するだけな気がします。ごめんなさい。

  • ジェントリフィケーション、ソーシャル・クレンジングあまり聞いたことがない単語
    住む家を無くしたシングルマザー。
    格差を感じ、複雑な気分になった。



  • ロンドンオリンピックの影で住むところを追い出されたシングルマザー達が使われていない公営住宅を占拠し、自分達の権利を主張し戦っていく物語。
    この本を読んでなかったなら知る由もなかっただろうし、凄く勉強になりました。
    社会性の強い内容なのでなかなか読み進めなれないだろうなと思っていましたが、史奈子と幸太という日本のジャーナリストが登場してからは拍車が掛かったように面白くなりました。
    知らず知らずのうちに自分も社会に支配されているんだなって思ったら怖くなりました。
    この物語に出てくる人達の行動力にはリスペクトしかありません。

  • #リスペクト
    #ブレイディみかこ
    23/8/7出版
    https://amzn.to/3RD6Hry

    ●なぜ気になったか
    現実にあったシングルマザーたちの公営住宅占拠運動がモデルになった小説。『ぼくはイエローで』で気になっていた著者だし、アマゾン評価も高いし、展開を知りたくなった

    ●読了感想
    登場人物が活き活きと描かれていて、まるで占拠運動に参加している感覚になりながら楽しめた。「諦めない、行動する、さすれば道はひらかれる」。人生上の哲学的なことを考えさせられたりもした

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き

  • 本書を読んで、実際にあった「FOCUS E15運動」や「ジェントリフィケーション」という言葉を初めて知りました。

    やっぱり良いなぁ、ブレディみかこさん。

    勝手に期限を切られ、理不尽な理由で突然退去を迫られたシングルマザーたちの憤りはもっともだと思う。
    これは日本も「対岸の火事」じゃないなぁと思いました。
    日本は抗議活動自体が海外ほど一般的じゃないし、唯々諾々と従うことの方が圧倒的に多いと思う。

    でも本作ではそうじゃない。
    理不尽や納得いかないことに声をあげ行動している彼女たちを“すごい!”と思ったし、応援したくなった。

    思うところ、考えさせられることがありました。
    ブレディさんの作品は読んだ後、いつも心に何かを残していく。
    でも、それが良くてまた彼女の文章を読みたくなります。

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著者プロフィール

ブレイディ みかこ:ライター、コラムニスト。1965年福岡市生まれ。音楽好きが高じて渡英、96年からブライトン在住。著書に『花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION』『ジンセイハ、オンガクデアル──LIFE IS MUSIC』『オンガクハ、セイジデアル──MUSIC IS POLITICS』(ちくま文庫)、『いまモリッシーを聴くということ』(Pヴァイン)、『子どもたちの階級闘争』(みすず書房)、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮文庫)、『他者の靴を履く』(文藝春秋)、『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』(岩波現代文庫)、『両手にトカレフ』(ポプラ社)、『リスペクト――R・E・S・P・E・C・T』(筑摩書房)など多数。

「2023年 『ワイルドサイドをほっつき歩け』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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