昨日までの世界 下: 文明の源流と人類の未来
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2013年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532168612
感想・レビュー・書評
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下巻では、危機の対応、宗教、言語、健康について伝統社会から現代社会への教訓を述べている。下巻で特に違和感を感じたのは、彼にとって、現代社会=アメリカ社会を前提としていることであった。言語については多言語での教育を説いているが、大体数の日本人には不可能だし、健康についても、栄養過多を問題にしているが、多くの日本人にはさぼど深刻なように思えなかった。他にも高齢者の尊重や乳幼児教育もあまり納得できず、個人的経験を無理に敷衍しているようで、論が雑に感じた。
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「銃・病原菌・鉄」で著名な生物学者が、研究のために定期的に訪れるニューギニアでの生活をもとに、伝統的社会と工業化社会との広範囲かつ詳細な比較を通して、現代社会が抱える課題と解決策を提示した大作。
著者は、我々が常識として受け容れている文化や生活様式が、実は人類の長い歴史からすれば「つい最近」作られたものであり、 人類が圧倒的に長い時間を過ごしてきた「昨日までの世界」における人間関係、紛争解決、リスク回避、宗教、子育て、高齢者対策の中に、「今日の世界」が物質的豊かさと引き換えに抱えた新たな社会問題を解決するためのヒントがあると主張する。
ともすれば産業化が遅れた「未開の地」として片付けられがちな伝統的社会に光を当てつつ、それらを手放しで賞賛するような単なる懐古主義に終わらない点は、著者の非常に幅広く学際的な研究領域によるところが大きいと思われる。やや冗長な表現も多いが、時空を超えて視野を広げることができるスケールの大きな作品。 -
文化や人類学、宗教など幅広い視野が得られる。
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ページ数が多く読了に時間がかかった割に、得たものは少ない。
テーマがぼやけていて散漫な印象。
エピソードを絞れば新書程度でも十分なのではないか。 -
今回の著作は人類が誕生して文明を築くまでの世界が舞台。
600万年前から1.1万年前までの長い時間軸の中で人類の特徴をあぶりだします。
ジャレド・ダイアモンド博士の長編論文が1.1万年前からの文明発展のことであったのに対し、より根源的な問題に取り組んでいます。
ただし、研究内容が人類の根っこ部分なため、ニューギニアから俯瞰するにはちょっと無理があったか、という感想です。 -
下巻も読破ー
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これを「温故知新」と言う。
日本人にはなじみの概念だが、これだけの文章を尽くさないとアメリカ人にはわからないのか。
前2作に比べて衝撃は無く、ネタ尽き感がある。