ファシリテーション・グラフィック: 議論を「見える化」する技法

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532312886

感想・レビュー・書評

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  • 第4章 ファシリテーターの頭の中を解剖する?!
    が非常に面白かった。
    会議の進行とともに、ファシリテーターやグラフィッカーが何を考え、どんな手順でファシリテーション・グラフィックを書き上げていくのかが時系列で示されている。
    試行錯誤の良いお手本だと思う。


    ペンを持って立つ勇気

    ロジカルリスニング

  • 色んなシーンでのホワイトボードの使い方が載っている本

    ホワイトボードは要約してわかりやすく書く
    ①頻出ワード
    ②導入の言葉
    ③まとめの言葉
    ④発言の全体構造
    に注目する

    発言者の真意が伝わる要約文をつくる

  • 読み終わった、というか、これは読むだけじゃ何の意味もないので実践してできるようにしていきたい。
    うまいことまとめる、というよりは話していることのポイントをつかんで構造化するのが8割、それを図示するスキルは残りの2割かなぁ、と思う。そしてファシリテーション(進行)をしながらグラフィックもするのはなかなか難しいので、まずはそれぞれバラバラにやったほうが良いのでは。グラフィックについては普段のノートから、日々練習あるのみ。

  • ホワイトボードの板書の仕方を学びたいと思ったら、この本が一番オススメのような気がする本。

    内容は、ファシリテーショングラフィックの重要性を説いて、道具を揃える、描き方に工夫する、要約力を身に着ける、ポイント同士の関係を描く、図解ツールの工夫、レイアウトを極める、を基礎として、実践の解説例と研究編(実際の議論の判断例)を載せている。

    もう一度読み直したい本である。

  • ファシリテーショングラフィックは、学びたくて
    もなかなか解説書がなく、苦戦していた。そんな時に出会ったのが、本著である。本著では、ファシリテーショングラフィックについて、体系的に解説されている。実際のグラフィック例も、所々に散りばめられている。また、ちょっとしたファシリテーターの暗黙知(便利道具、表現方法、頭の中解説)も解説されていて、実用的である。
    ファシリテーショングラフィックをスキルアップさせたい現場のファシリテーターの方に、是非手にとってもらいたい。

  • 議論や会議が上手く行っていない時には、典型的な例として、以下のようなパターンがある。

    1. 意見が出ない
    * しらけムードが漂っていて、意見があっても出そうとしない
    * いつも発言する人が決まっている

    2. 意見がかみ合わない
    * 論点が明確でなく、議論がかみ合っていない
    * メンバーの意識や解釈が、いつまでたっても一致しない

    3. 意見がまとまらない
    * 同じ主張を繰り返すだけの水掛け論になり、議論がぐるぐる回る
    * 結論が曖昧なまま終わってしまい、何が決まったのかよく分からない


    では、なぜ議論が上手く行かないのか?
    その原因は2つある。

    1. 話し合いのプロセス(流れ)が共有されていないため
    人間の脳には限界があり、発言や流れを全て覚えておくことは出来ない。
    議論のポイントが曖昧だと、話がすぐに移り変わったり、同じ話を繰り返してしまう。

    2. 対等な参加がなされていないため
    自分の意見が受け入れられるか不安なため、発言をためらってしまう。
    また発言内容と発言者を切り離して考えることが出来ずに、意見を色眼鏡で見てしまう。

    そもそも当然の事として、メンバーの頭や心の中は見えない。
    そして目に見えないものはコントロールできない。
    これはマネジメントの原則でもある。

    つまり、言葉だけが飛び交う「空中戦」の議論は上手く行かない。
    ならばそれを可視化して「地上戦」に持ち込む必要がある。

    そのための技術が、ファシリテーション・グラフィックである。


    ファシリテーション・グラフィックとは、文字や図形を使って、議論を分かりやすく表現すること。
    つまり、議論を「描く」ことと言える。

    それにより、議論の流れが見て分かるようになり、会議のプロセスが共有される。
    また、意見をホワイトボードに書いていくことで、発言と発言者を分離でき、対等な参加を促すことが出来る。


    ライティングのポイントは、まず何よりも発言を適切に要約すること。
    全ての発言を一言一句書き留めることは到底出来ないし、またそれでは記録として役に立たない。
    ファシリテーション・グラッフィクの質は、要約力が左右すると言ってもいい。

    そして適切に要約する第一歩は、発言者の意図を正確に理解することである。

    例えば「前にこんなことがあった」という発言に対し、それをそのまま記録していてはファシリテーター失格。
    「だから◯◯すべきだ」という、発言者の意図までたどり着かなければならない。

    そのためには、ロジカルリスニングの技術が大いに役に立つ。
    縦の論理(なぜそのように考えたのか?)と、横の論理(どの立場で考えたのか?)を追いかけてみる。
    そうすれば、結論だけ聞くよりも遥かに理解を深めることが出来る。


    もう一つのポイントは、図形ツールやフレームワークを使いこなすこと。

    ツリー型、サークル型、フロー型など、図形ツールは100種類以上あり、それぞれに適切な使い道がある。
    また議論の切り口にも様々なものがあり、これらを会議のたびに一から考えていたのでは、時間がいくらあっても足りない。

    だが、よく使われるものはフレームワークとして世に定着しており、それは「定石」と言っても良い。
    これらをたくさんポケットに入れておいて、必要に応じて引き出せるようにならなければならない。


    本書には「会議で最も影響力を持つのはグラフィッカー(板書をする人)である」という一節があり、目からウロコが落ちる思いだった。
    今までファシリテーターを「司会者のような人」くらいに思っていたが、これからは認識が大きく変わりそうである。

    得るものが多く、ためになった一冊。

  • ファシリテーション・グラフィックをしたいと思う初心者にはぴったりの本でした。実際に試して、もう一度再読すれば理解が深まりそう!

  • ファシリテーションの場こそが組織の力を引き出す。その場を作るためにファシリテーターが身につけるべき技術が解説されている。

    ポストイットをもって、メンバーに対してビジュアルで表現してミッションや戦略を伝えてた時が一番良いコミュニケーションがとれていた。

  • ファシリテーターとして、議論を活性化させるための”ツール”がたくさん紹介されています。
    個人的には本書のツールは、ちょっと古臭いような気もしますが「議論を見える化すること」「意識を議論のポイント(ホワイトボード)に集中させること」など基本的な考え方を知ることもできました。

  • 理論より実戦。具体例満載&ファシリテータ&グラフィカの頭の中(会議の進行と共に、どんなことを考えて、どう行動しているか)を例示してくれている。
    分かり易い!
    多少の専門用語も出て来るのだが、ちゃんとした説明は結構欠落している。ので、別途ネットとかでちゃんと調べた方が、用語知識は確実になるかも。
    でも、2008年の発刊とは思えない良書なのではないかと思いました。

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著者プロフィール

組織コンサルタント、日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学客員教授(テクノロジーデザイン論)。
1960年神戸市生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。ミノルタにて製品開発や営業企画、経営企画に従事したのち独立。2003年に日本ファシリテーション協会を有志とともに設立し、初代会長に就任。組織変革、企業合併、教育研修、NPOなど多彩な分野でファシリテーション活動を展開している。ロジカルかつハートウォーミングなファシリテーションに定評がある。

「2022年 『ファシリテーション・グラフィック[新版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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