経営戦略の思考法

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  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532314781

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  • 2010.4.12

    経営学説史・思考法・実践の3部構成。

    今後経営戦略論を学ぶ時の、指標となる一冊。

    トップダウンの事前意思決定⇔ミドル以下による事後的創発
    市場でのポジション⇔経営資源
    安定的な構造⇔時間展開・相互作用・ダイナミクス

    この中で「時間展開・相互作用・ダイナミクス」が足りないので、意識していく。

    そのための思考法が以下の、メカニズム解明法。

    1.ワンショットでの単一主体(こびと)を思い浮かべる
    2.こびとの相対的位置関係を明らかにして構造を描く
    3.こびとの変化をトレース
    4.こびとたちから成るシステムの挙動を構想する

    後半はケーススタディもあるし、面白かった。

    ・20ドル落札ゲーム。
    1番高い価格をつけた人が20ドル札を落札。
    2番目に高い価格をつけてしまった人は、その金額を支払わなければならない。

    この実験をやると、通常20ドル~70ドルまでオークションが継続し、最高は204ドルまでいったらしい。
    つまり、問題がロスで定義され、確実なロスと不確実なロスという選択肢に直面すると、かなり非合理なレベルまで資源投入を続けてしまう傾向がある。

    ・「2番目に高い価値を持つ用途」の重要性
    ある企業が確保できる価値は、2番目に高い価値をもつ用途を少し上回る程度になる。

    何度も読み返して、ものにしたい。

  • 伊藤:TMSCプログラム策定に活用

  • 著者は、沼上氏である。一橋卒の博士であり、成城の専任講師をしている。
    この手の本は、専門家かコンサルファームって感じだが、本書は専門家が執筆している
    内容となっているため、若干学術的である。(氏も働いた事ないしね)

    内容は、経営戦略をインテグレーションし、新たな高みを打ち立てるといった
    挑戦的な内容となっている。つまり、今までの戦略論、簡単に言えば、
    ポーターを発端とする「外部に主に目線を向けた戦略」
    バーニーを筆頭とする「内部リソースに目線を向けた戦略」
    その他3つほど戦略の思考法を検討すると、明らかに足りないものがある。

    それは、

    ■時間的相互ダイナミクス思考法

    である。
    まぁ、ゲーム論的な戦略思考法には若干含まれているのだが、ちと足りない。
    よって、これをもとに戦略を組み直す。それが本書の大まかなアイデアである。
    筆者の言葉で言うと「メカニズムの解明」
    そうなると、最近少しは意識されてくるようになった「コンテキスト思考」が
    さらに重要になってくる。

    結果、総じて面白い内容となっている。
    また、学問としての戦略論の概略、歴史等を把握する事にもおいても、
    バーニーの書籍以上になじみやすい・理解しやすいものとなっている点も良い。

    以上

  • 市場競争力における良きライバルは自社と違うモノの見方を持っている。という点が重要。競争相手が史上を通じら対話を活性化する。異質な競争相手が必至になって工夫してくるから自社にとっても有益なアイデアが生み出され、ますますよい製品企画を思いつく可能性が高まる。

  • 経営戦略論史を知りたかったので、第1部はちょっと役立った。

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2023年 『わかりやすいマーケティング戦略〔第3版〕<2色>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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