- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560084793
感想・レビュー・書評
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三歳まで台湾で育ち、その後日本へ移住した著者。幼い頃に親しんだ台湾語と中国語。そして今使っている日本語。三つの言語の間で揺れ動く著者はやがて、国とは何か、母国語とは何かを考えるようになります。時代に翻弄された台湾という国の歴史が著者の根底を作り上げていました。自分の母国語とは何か、最後に出した著者の答に拍手を送りたくなりました。
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「来福の家」の前に読みましたので、小説のエッセンスを先取りしてしまった感がありましたが、小説の中にも登場する台湾語と中国語と日本語が交じったママ語の味わい方を予習できました。都立飛鳥高校の中国語クラスで中国語を学ぶ生徒たちが、「恋する惑星」などウォン・カーウァイ監督の香港映画を見て、トニー・レオンや金城武のファンになり中国語を勉強したいと話しており、クラブ活動のような雰囲気のだったと書いてありました。私が台湾に興味を持ったもの台湾に住んでいる金城武の活躍が発端だったように思います。
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言語はアイデンティティーの重要な要素だが、著者は母国と言語との不一致に悩む。
母国である台湾は過去に正式な母国語が何度も強制的に変わって来た。
著者の祖母は強制的に習わされた日本語で孫である著者と話すことを純粋に楽しんでいるように見えた。
著者は最後には何とか気持ちの整理をつけたようだが、これからも気持ちは変遷していくのだろう。 -
いままで知ろうとしなかった台湾がそこにあり
母語であろうと母国語であろうと言葉で表現することの難しさを感じ
複雑であるがゆえに磨かれた感性がうらやましくもあり
でももっと心を解き放してと応援したくなる。 -
面白かった。他の本の紹介もあったので読んでみようと思う。李良枝とか呂赫若とかノーマ・フィールド、オルガ・トカルチュクとか「大日本帝国のクレオール」とか。
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祖父母は日本語、父母は中国語を強要され、その子供である筆者は台湾生まれの日本育ち。母よりも祖母と日本語でコミュニケーションが取れる筆者が母国語とは何だろうと考えつつ自身のルーツを探ります。
台湾語も中国語も全く話せない私は、おじいさんとは日本語でコミュニケーションが取れるけれど、英語は公共機関でしか通じないのでかなり苦労しますが、台湾は大好きで毎年行きたくなります。 -
台湾で生まれたが3歳から日本に住み、日本語で話し読み書きする自分の「国語」「母国語」とは一体なんだろう、と考え続ける。
その台湾自体がこれまでに国としてのアイデンティティである「国語」を日本語・中国語を公用語として強いられてきた歴史がある。祖母の世代は日本語を話し、母親の世代は中国語を話す。そして、自分は祖母と同じ日本語を話すが、それは母にとってどういうことなのか。
また、日本統治時代に書かれた台湾人による日本語の小説について考えるとき、自分が日本語で書くことにどういう意味があるのか考える。
立ち止まって考えるのではなく、先へ進みながら考えているのが伝わってくる。 -
近年台湾人と多く接する機会があるものの、台湾について実はよく理解しておらず。同じような人がいたら、おすすめの本です。語学的視点からも、いろいろ考えさせられます。これを読んでいる最中にこの度の台湾地震が起き。作者もきっと心配しているはずでしょう。一刻も早く救助と復興が進むことを願ってやみません。
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書籍についてこういった公開の場に書くと、身近なところからクレームが入るので、読後記はこちらに書きました。
http://www.rockfield.net/wordpress/?p=6804